テクノロジー企業成長率ランキング 第3回「日本テクノロジー Fast50」発表
〜1位はガンホー・オンライン・エンターテイメントが受賞、2,560%の売上高成長率〜
ちょっと前のニュースですが。
目を通しておかれたほうがいいと思ったので、
ご紹介。
記事からの引用になりますが、
1位は、収益成長率2,560%の超飛躍的な成長を遂げたオンラインゲーム企画・開発・運営事業のガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社。2 位は938%を記録した、光源装置/IPモジュール/光センサー等の開発・製造を行う、株式会社インターアクション。3位は765%の成長を遂げた、ウェブサービス企画・開発・製造・販売・受託開発を行う、株式会社アイリンク。インターアクションとアイリンクは2年連続の受賞となった。業種別に見ると全体としては、過去2年間1位であったソフトウェアを抜いて、インターネット関連企業の受賞が46%を占めるなど、インターネット関連企業の躍進が目立つ結果となった。
それぞれの企業をちょっと総括しますと。
一位 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社:売上高成長率 2560%
オンラインゲームやっている人なら知っているでしょう。
オンラインゲーム配信会社です。
ゲーム業界全体は落ち目ですが、パソコンがコモディティ化するに
従って、ゲーム業界で儲かるレイヤーがオンラインゲームに
シフトしてきているのが顕著です。
極論ですけど、パソコンの普及にしたがって、
ゲーム機というのは、あまり必要がなくなってきている。
結果、顧客が不十分に感じているのは
パソコンやゲーム機自体の性能でなくなり
ソフト、とくにネット配信されるオンラインゲーム
つまりは、コンテンツ自体になってきたわけです。
ですから、ネットとパソコンを通じて、
供給可能なエンタメとして、おそらくは
最高クラスの製品の一つであるオンラインゲームの
会社が伸びてきているのは当然だと思っています。
第2位 株式会社インターアクション:売上高成長率 938%
記事からの引用で入りますが
デジタルカメラやカメラ付携帯電話等に
使用されるCCDやC-MOSイメージャといった撮像半導体を
検査する際に必要な光源装置、ならびに各種光学検査装置の開発、
製造を主な事業として設立したベンチャー企業である。
はい。これもクリステンセン解釈で
理解可能ですね。
デジカメ業界が、飽和し、デジカメや携帯電話が
コモディティ化し、それ自体に顧客が金を払わなくなってきた
結果、デジカメ会社のサプライヤー企業に
「不十分な」領域が移行し、「儲かる」場所が移るという典型例。
第三位と第四位は、どちらもネット会社。
特にコメントできないのですいません。
どちらも、企業向けの製品を作っているようで
はてなみたいなコンシューマー向けネットサービスとは
1線を画しています。
ただ、こういう企業って化けることがある。
グーグルも、最初は企業向けに検索サービスをOEM
してたわけですが、ある日、突然、化けた。
ちょっと期待してます。
第5位 株式会社イーブックイニシアティブジャパン:売上高成長率 499%
販売数、成長率ともに国内最大級の電子書籍販売サイトですね。
ええ。ひょっとしたら、アマゾンを殺すかもしれない候補です。
出版社の人とか、この会社の存在を知らない人が多い。
この会社の伸び率は普通じゃない。
この2年間で12倍に売上を伸ばしているのに。
出版会全体では、電子出版なんて、
雀の涙だから、誰も気にしてない。
でも、ミクロでみれば、この会社の伸び率が意味することは
「破壊的イノベータ-」の勃興そのもの。
こういう会社が
二年連続で400パーセント越えの伸び率を
記録していることを、もっとアマゾンや出版社は
考えた方がいい。
企業競争ってのは、ゼロサムゲーム的な
所があって、ある企業、業界の業績が落ちるときには、
他の場所で、儲かっている連中がいることが多いです。
一つの企業の業績が悪くなるときは、
ほかのベンチャーだったり、中小企業だったりが
成長してるので、
こういう成長企業に目を通しておくと、
次にどこの市場に断絶の嵐が吹き荒れるか、
また、変化中の市場はどこかというのが、
よくわかることが多いので、お勧めなんです。
というわけで、終ります。
ベンチャー投資が儲かる理由は、
こういう成長企業に投資すると、
成長し始めると2〜3年くらいで
売上が10〜30倍になるからでして。
ベンチャーキャピタルや
プライベートエクイティ投資会社が
小規模な投資ながら、常に市場平均を
上回るリターンを達成できている理由が
このあたりの企業の伸び率をみればわかるかと
思います。
勿論、投資リスクはとんでもなく高いわけですけど。