最近、二極化の話題をいくつか読んだ。
日本の金持ちは貧相&発想しない官僚
トップは最強のようだが...(日本郵政)
万国のニート、フリーターたちよ、団結せよ!
このあたりを読んで、ちょっと二極化の
利点・欠点を書いてみようとおもった。
○利点
社会・経済のスケールフリーネットワーク化により
より、強固なネットワーク形態となる。
アメリカのカトリーナが良い例だが、あれほどの
災害にも関わらず、アメリカ経済には、ほとんど影響が
なかった。
これは、金銭が二極化したアメリカにおいては、
ハブであるアメリカの富裕層が3%程度であるため、
あのような突発的な災害、リスクには非常に強力な
経済ネットワーク形態だからである。
ネットワークが、突発的災害のように
ランダムな形で攻撃される限りは、
アメリカ経済は、まず揺るがない。
二極化は経済的ハブの生成を促すシステムであるため、
現状の経済ネットワーク形態においては、最も
自由奔放なシステムと効率的な情報、金融システム
かつ、堅固なネットワーク形態である。
全体としては、競争が原則であるため、それは
非常に活発な企業間の闘争を生み出し、
高い企業競争力をもたらし、経済全体の
成長力を高める。
アメリカに他国が追いつくことを難しくしているのは
こういったネットワーク形態が整備されている
からである。
短期的に、競争によって、他国の企業に蹂躙されることは
あっても、それを破壊しようとする企業が必ず、どこかから
生まれるため、長期的には、非常に強力な経済システムである。
○欠点
変化のスピードが、加速度的に上がっている。
このスピードが止まらないとなると、それは
不可避的に二極化構造の中でも
短期的な「取り残される人々」を生み出していく。
そしてそれは、こうした人に対するコストを
増大させる。失業、退職、医療費などへのコスト増加は
今後、増大する一歩を辿るだろう。
これらの問題に対するための施策が
必要だが、今、その議論が、行われていないことには
懸念を表さざるを得ない。
また、二極化とは
スケールフリーネットワーク化である以上、
「ハブへの攻撃」に弱いネットワーク形態である。
9.11のような、金融センターを直撃するテロには
非常に弱い。
アメリカの国債の50%以上が海外勢に買われている現状や
日本の莫大な国債発行は、非常に危険な兆候といえる。
二極化と経済のスケールフリー化に伴ない
経済は安定し、成長率は高まるが
一方で、「取り残される人々」が生まれ
社会不安は高まる可能性がある。
少なくとも、再分配や社会主義は、
その性質上、経済を停滞させるので
答えではないといっていいが
新たな、何らかの施策が必要なのは間違いない。
変化のスピードは上がっているが
どこかで、その限界を迎えることは
間違いない。
その時何が起こるのか。
現在のネットワーク構成が限界を迎えるのは
どういった形であるのか。
その答えを出してくれる経済学者は
まだいない。
さらに少子化まで揃ってしまったら
日本=ローマ帝国末期ですよねぇ。