んー、面白い。
物凄く貴重なデータだと思う。
ついでに、ちょっと僕なりの考え方も
書いておこう。
僕が漫画は画か話かを考える時、
まず、最初に、漫画の読者はどういう状況で
漫画に何を求めているのか?
って事を考える必要があった。
僕なりに考えたり、人の話を聞いたり、それから
他人を観察して得た結論なんだけど、
要するに、漫画の読者が漫画に求めているものは
「暇つぶし」
に過ぎないって事だった。
では、その「暇つぶし」を何故、人は必要とするのかって
事を考える必要がある。
僕が漫画を読んでいる他人を観察するとき、
人がまず漫画を読まない状況があるって事に気付いた。
それは、人が興奮している時で、
滅茶苦茶興奮している人は、まず漫画をみない。
一方で、暇そーにしている人は、
大抵、漫画や小説、ほかの情報媒体に手をだすのが常だった。
あるいは、他人に話し掛けたり、ちょっかい出したりする。
「どんな時漫画を読む?」と人に聞くと、「暇な時」かなと
よく言う。やることがない時。つまらない時。一人でいるとき。
そういう時、人は漫画を読む。
仲間で集って話で盛り上がっている時は、みんな漫画をみないし、
また、TVに注意を引かれる人も少ない。
ただ、そういう中で、退屈しはじめた奴とかはTVみたり
漫画みたりし始める。
こういった事を分析していくと、
人が漫画に求めるものが見えてくる。
つまり、
「人は、退屈、つまりは感情の弛緩状態に耐えられない為、
感情を弛緩状態から別の感情状態、
例えば軽い興奮、緊張、沈静、優越、開放状態などに
自分を誘ってくれる『何か』を必要とする」
わけである。
つまりは、漫画とは、
「人を興奮、緊張、あるいは沈静、優越、開放状態に
誘ってくれるモノ」
であれば、何でもいいわけである。
実は、これは、漫画でなくてもよく
極端な話、もっと直接的にそうしてくれるものがある。
つまり、酒、麻薬、タバコなどである。
これらは中枢神経に作用して、人を弛緩状態から
別の感情状態へと誘う。
そして、馬鹿げたほど、人に人気がある。
どれも巨大な市場が世界規模であるし、
その市場たるや漫画の比ではない。
直接的に神経に作用する分、遥かに強力だし
また、個体差は多少あるものの、
ほぼ、全ての人間が、タバコ、酒、麻薬の効果を
受けることができる。
ただ、どれも、金がかかるし、体にも悪い。
だから、手頃で、さほど金もかからず、また
人体にも害がない漫画が手頃な
「人を興奮、緊張、あるいは沈静、優越、開放状態に誘ってくれるモノ」
として、人々に愛される媒体となったわけだと。
というわけで、漫画というのは絵、ストーリー、演出、キャラクター
その他もろもろのテクニックを使って、どんな手段でもいいから
「読者を興奮、緊張、あるいは沈静、優越、開放状態に誘う」
事が全てなんであり、ストーリーか絵かという問題は
枝葉的な問題なんである。
極端な話、絵がどんなに酷くても
「読者を興奮、緊張、あるいは沈静、優越、開放状態に誘う」
漫画が作れれば、その漫画家は成功できるだろうし
ストーリーがどんなにまずくても
「読者を興奮、緊張、あるいは沈静、優越、開放状態に誘う」
漫画が作れれば、その漫画家は成功する。
そういうモンだと思っている。
ただ、酒、タバコ、麻薬のような直接的に中枢神経に
働く存在では、漫画はないので、個体差がかなり
激しくでる。
そのため、一つの作品を読んで、全員が
同じ影響を受けることがない。
そのため、酒やタバコ、麻薬ほど大きなマーケットを
作れない。「暇つぶし」媒体として、漫画のもつ限界は
ここにある。
いじょ。
最近、電車の中で携帯電話でゲームに嵩じている人たちを良く見ます。
かつては高度なゲームを屋外でプレイすることができなかったので、携帯可能な漫画というメディアのシェアを侵すことがありませんでした。
しかし、携帯ゲーム機や高機能な携帯電話の登場でゲームが携帯可能になった結果、漫画を駆逐し始めしていると感じています。
というわけで漫画の暇つぶしとしてのシェアが更に低下していると思っています。
暇つぶし媒体には、現状、ネットや携帯機器
といった強力なライバルが登場していて、
そちらに人が流れているのが現状です。
極端な話ですけど、漫画のライバルってのは
同業者でなく、携帯メールやネットコンテンツ
のような便利な暇つぶしツールなんでしょう。