どこの業界にもストーンヘッドがいる。
そういう人達に新しいことはじめましょうよと
言っても無駄だということはわかっている。
僕が失敗したら、責任を取るのは彼らだしな。
そういう体系になっているんだし、しょうがねぇ。
漫画とかに関わる仕事をしていると
どのジャンルもマンネリの嵐が吹き荒れていると
思われている。
けど、それは違うと思う。
最近、アメリカで「絶望的な妻達」なんて
ドラマが社会現象を巻き起こしたらしいが
(僕はみてないけど)
何故、漫画ってのは、こういうジャンルに
踏み込まないのかなーと不思議でしょうがない。
漫画、つまり少年誌少女誌では
ロマンスが主軸になるのは珍しくない。
ロマンスは、とても人気のあるジャンルだから
それは当然なのだが、ロマンス偏重になりすぎている
少女漫画には、少々辟易している。
たしかに、ロマンスは、10代から20代の男女には
うける。これは、彼らにとって恋愛、つまり配偶者を
得るということは共通の関心事だからだ。
だが、よく考えて欲しいのは、
配偶者、恋人をもった人間のほうが、潜在的には多いと
いうことだ。特に、少子化である今は。
恋愛イノベーションなんて、ふざけたエントリで
書いたことだけど、人の興味というか関心事は
常に、自分にとって「不十分な領域」に集中する。
そして、この「不十分な領域」を描く漫画ってのが
よくヒットする事が多い。それまでなかった
ジャンルというのは、非常に狙い目なのだ。
競合者がいないレースほど楽なものはない。
ただ、レース場がないとどうしようもない。
10代20代の男女であれば、恋人が欲しいという
「不十分な」領域に集中するから、ロマンスが受ける。
ロマンスは大抵、一組の男女の愛が成就する過程を
描いた物語である。
これと同じ手法が使えるはずなのだ。
恋人がいる人達向けであれば、愛を成就するという領域は
すでに満たされてしまっているから、そこは
以前ほど興味をもてない分野となるだろう。
だから、付き合っていて「不十分な領域」に
興味が集中するはずなのだ。
だから、その領域を描く漫画を書けば、新しいターゲットを
取得できる可能性がある。
付き合っていて不十分な領域となると
相手の誠実さだったら「浮気」問題、
将来性だったら「進路就職出世」問題
性格の相性だったら生活の中の些細なトラブル
体の相性だったらセックス上のトラブル。
物語を盛り上げる要素はいくらでもある。
こういったジャンルは、成立するはずだ。
カップル向けの漫画雑誌というのは存在しないに
等しい。
また既婚者向けの雑誌もそうだ。
鬼嫁日記のような、既婚者間のトラブルを
ユーモラスに描いた漫画は、ほとんどない。
「絶望的な妻達」のような漫画もそうだ。
潜在的には、既婚者のほうが多いのであって、
それをターゲットにした漫画雑誌というのは
もっとあってもいいはずだ。
既婚者が「不十分だ」と感じる領域の
関心時を、重点的にあつかう漫画雑誌もあって
いいはずなのに、それがない。
ロマンスやアクションなしでも、物語は作れる。
トラブルさえあれば、そこにストーリーは常に
存在するのだから。
・・・いやね、そういう提案を何度かした事が
あるわけですよ。色々とね。詳しくはかけないけど。
ただ、だーれも聞いてくれない。
誰か、作ってくれませんかね?
電子ペーパーが本格化して、誰でも漫画雑誌を簡単に
立ち上げることができるようになったら、
そういう方向の漫画が沢山でてくるといいなぁとか
思うんですよ。
今まで漫画読んでなかった層に訴える漫画雑誌が
あってもいいはずじゃんか。
既存の漫画読者に訴える漫画なんて、
小さくなっていくパイの奪い合いであって、
消耗戦そのものなのに。
お時間があれば、是非遊びに来て下さいね♪
TBありがとうございました!!
記事の方は拝見させていただきました。
少子化問題については、
また記事を書こうと思っているので
その時は参考にさせて頂きます。