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2005年10月07日

参加型メディアが既存メディアに勝つ理由考

「イノベーションのジレンマ」、「イノベーションへの解」を
読んで以来、随分と湯川さんの考えている事が分ったような気もする。

ネットは新聞を殺すのかblog

参加型ジャーナリズムというのは、ホリエモンがやっている
LDPJと同じく、最大の利点は、そのコストの安さにある。
(これはホリエモンも単にコストカットと言い切っている)


湯川さんが、垂直統合型メディアを過去の存在といい
インテグレーターモデルこそが新聞モデルの新しい姿だと
いっているのも頷ける。

これは、参加型のあるべき姿だからだ。

実は、インテグレーターモデルとしての新聞について
馬車馬さんも書いていた。

しんぶん伊勢丹化計画
続・しんぶん伊勢丹化計画



とりあえず、上記の記事は、非常に示唆に富んでいる。


結局、市場のローエンドのビジネスを獲得できるだけの
コストで記事を生み出せる可能性のある「参加型ジャーナリズム」や
記事のアウトソーシングシステムは、
既存の新聞社との競争において、新メディアの強力な武器となる。

なぜなら、そのコスト構造のまま、
ビジネスモデルをハイエンド市場に
持ち込んで新聞との競争を行う場合、コストの問題から
新聞と同じ値段で、記事を売る場合、極めて魅力的な
利益を生むことになるからだ。

一方で、新聞は、コストの問題から、
同じ値段で戦われた場合に勝負にならない。


一方で、参加型ジャーナリズムや、
新聞記事のアウトソーシングを
既存の新聞社は絶対に、絶対に、容認しないだろう。

なぜなら、それは、記者の廃業に結びつくからという理由と
ネットにおけるメディアの収益率は、新聞社自体の
収益と比較すると5%にも見たず、極めて採算の取れない
分野だからだ。

よって、合理的経営を目指す新聞社ならば
絶対に、新聞をオンライン化しない。

これは、イノベーションのジレンマに陥った企業が行う
典型行動例で、合理的に行動する限りは、企業は
どの時点かで、必ず、自らの破滅を招くという事である。



「実績ある企業に無視するか逃走する気をおこさせるような製品や
市場を狙え」という破壊的イノベーションを起こす企業が
あらわれたときに、崩壊が始まる。

現状の新聞社の崩壊は、あと1ステップか2ステップで
終了する。

一つは、参加型というか、記事のアウトソーシングシステムによって
極めて高い精度の記事を作るメディア企業が誕生した時で
馬車馬さんの記事のなかで触れられているようなメディア企業が
いずれかの段階で誕生するだろう。

記事生産のコストの関係上、記事をアウトソーシングできる
メディア企業は、ハイエンドユーザーを獲得しようとした場合
非常に魅力的な利益を得ることができる。
なぜなら、新聞と同じかちょっと低いくらいの値段で
記事を売っても、コストの問題上、大丈夫だからである。

もう一つは、電子ペーパーの登場で、これは、
ipodが登場して、音楽業界を一変させたように
情報の消費行動をまるっきり変えてしまう可能性がある。

この二つのステップが完了した時に
かつて、何度も起こったようなイノベーションのジレンマに
よって引き起こされる企業のすげ替えが起こるんだろう。



posted by pal at 23:16 | Comment(1) | TrackBack(0) | メディア このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
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