ちなみに、まだイノベーションのジレンマ読んでません。
イノベーションのジレンマに陥る優良企業たち
クリステンセン「イノベーターのジレンマ」(Christensen)
イノベーションのジレンマに興味をもったのは上記の記事二つが大きい。
Sustaining Technology(持続的イノベーション)
主要市場の主流の顧客の要望から生み出される技術。
既存製品の性能の向上に結びつく。
Disruptive Innovation (破壊的イノベーション)
短期的には、製品の性能は低く、顧客の要望を満たさない。
よって、大企業のマーケティング部では合理的理由から
それを採用しない。
一方で従前に市場に存在しなかった価値をもたらす為に、
まず、少数の顧客によって指示される。
一般に、製品は、安く、より単純であり、より小さく、より使い勝手が良いモノ。
以下、上記の記事からの引用。
破壊的イノベーションによって引き起こされる変革のプロセス
step1 最初、主流企業において破壊的イノベーションは開発される。
step2 マーケティング部門が主要顧客の反応を探る。
-- 顧客の仕様を満たす段階にない
-- 破壊的イノベーションがテイクオフするために必要な資源投入と
いう意思決定が主力企業ではなされない。
step3 主流企業では持続イノベーションの開発により既存主力顧客の要望に応
え続けようとする。
step4 新たな企業が設立され、破壊的イノベーションを用いた市場が試行錯誤を
経て、発見される。
step5 新規参入企業は、徐々に主力顧客にも食い込む
step6 (旧)主流企業は主力顧客ベースを防衛するために遅ればせながら
破壊的イノベーションを使った製品/サービスを投入するが・・・手遅れになる。
引用終わり。このステップに日本でおこった、
あるいは起こるであろう
イノベーションのジレンマと破壊的イノベーションの勃興を
当てはめてみる。
例 ソニーのネットウォークマンとipod
step1 最初、ソニーにおいて破壊的イノベーション、
つまりネットワークウォークマンが開発さる。
step2 マーケティング部門が主要顧客の反応を探る。
-- ネットワークウォークマンは顧客の仕様を満たす段階にない
-- ネットワークウォークマンがテイクオフするために必要な資源投入と
いう意思決定が主力企業ではなされない。
step3 ソニーではウォークマンの開発により
既存主力顧客の要望に応え続けようとする。
step4 i-tuneが設立され、破壊的イノベーション(ipod)を用いた市場が試行錯誤を
経て、発見される。
step5 ipodは、徐々にソニーの主力顧客にも食い込む
step6 ソニーは主力顧客ベースを防衛するために遅ればせながら
ネットワークウォークマンを使った製品/サービスを投入するが・・・手遅れになる。
・・・・・・・・怖いくらい当てはまるんですけど・・・・・・・・
クリステンセンのいう通りなら、
ソニーは、経営を間違ったわけではない。
徹底的に、合理的かつエクセレントな経営をしていた。
だが、その先には、イノベーションのジレンマが
待っていたというわけだ。
例 ブログと新聞
step1 主要新聞社がネットにサイトを開設する。
あるいは、参加型ジャーナリズムの可能性を探る(湯川さんなど)
step2 新聞社のマーケティング部門が主要顧客の反応を探る。
-- 顧客の仕様を満たす段階にないとの結果が出る
(現在も、オンライン事業は新聞会社の収益の5%にも満たない)
(参加型はLDPJのように受けが悪い)
-- オンライン事業参加型ジャーナリズムが
テイクオフするために必要な資源投入と
いう意思決定が主要新聞社ではなされない。
step3 主流新聞社では持続的イノベーションの開発
(ここでは良い記事)により既存主力顧客の要望に応え続けようとする。
step4 新たな企業(はてな、イーマーキュリー、グーグル、LDPJ)が
設立され、破壊的イノベーション(ブログ、RSS、SBM、
パーソナルポータル、参加型ジャーナリズム)を
用いた市場が試行錯誤を経て、発見される。←←←今、ココ
step5 新規参入企業は、徐々に主力顧客にも食い込む←←←おそらく、ここ10年間で起こる
step6 主流新聞社は主力顧客ベースを防衛するために遅ればせながら
ネット、参加型ジャーナリズムに本格参入しようとするが
・・・手遅れになる。
新聞は、もう手遅れな気がする。
イノベーションのジレンマで、もう手遅れな段階まで
ステップが進んでしまっている。
あと湯川さんには申し訳ないが、参加型を提唱なされたのは
湯川さんだけど、イノベーションのジレンマ通りに
シナリオが進むなら、参加型ジャーナリズムを
確立するのは、新聞社の外にいる人間になるだろう。
例 3 漫画、小説とネット
step1 ここ数年、出版社などがオンライン配信をしようと試みている。
step2 出版社のマーケティング部門が主要顧客の反応を探る。
-- 顧客の仕様を満たす段階にない
-- オンライン配信がテイクオフするために必要な資源投入と
いう意思決定が主力企業ではなされない。←←←今ココ
step3 主流出版社では持続的イノベーションの開発(良い漫画)により
既存主力顧客の要望に応え続けようとする。
step4 新たな企業が設立され、破壊的イノベーション
(電子ペーパー、ブロードバンド、?)を
用いた市場が試行錯誤を経て、発見される。
step5 新規参入企業は、徐々に主力顧客にも食い込む
step6 主流出版社は主力顧客ベースを防衛するために遅ればせながら
破壊的イノベーションを使った製品/サービスを投入するが・・・手遅れになる。
出版社の事情は、まだいいほうか。
まだ、ステップ2か3のあたりだ。巻き返しが狙える。
例 4 ゲームとネット
step1 最初、主流企業において
破壊的イノベーション(オンラインゲーム)は開発される。
(注 ここでのオンラインゲームとは、
FF11やEQ2のような大規模なものではない
もっと単純で簡単なもの。
オンライン大戦ボードゲームやカードゲームである。
失敗に終った「スカッとゴルフ」のような
スポーツ系オンラインゲームも含む)
step2 マーケティング部門が主要顧客の反応を探る。
-- 顧客の仕様を満たす段階にない
-- 破壊的イノベーションがテイクオフするために
必要な資源投入という意思決定が
主力企業(スクエアなど)ではなされない。
step3 主流企業では持続的イノベーションの開発により
既存主力顧客の要望に応え続けようとする。
(例、EQ2、スクエアのオンラインゲーム、WoW)
step4 新たな企業が設立され、
破壊的イノベーションを用いた市場が試行錯誤を
経て、発見される。おそらく、ボードゲームであったり、
カードゲームのような開発者が簡単に作れて、
しかも面白い分野のオンラインゲームになるだろう。
桃鉄オンラインとかになるかもしれない。
あるいは、ブログや2ちゃんえるかもしれない。
なぜって、ブログにしろ、2ちゃんねるにしろ、
これは、オンラインゲームとも呼べる存在だから。
step5 新規参入企業は、徐々に主力顧客にも食い込む
step6 (旧)主流企業は主力顧客ベースを防衛するために
遅ればせながら破壊的イノベーションを使った製品/サービスを
投入するが・・・手遅れになる。
ゲーム産業にとっては、どうなるかはわからないが、
2ちゃんねるで「最高のオンラインゲームは2ちゃん」って書き込みを
見て以来、ひょっとしたら、そういう方向のゲームが
これからの主力になるのかもと思ったことがある。
例 5 自動車とハイブリット
step1 最初、アメリカの大学などにおいてハイブリット車は開発される。
step2 マーケティング部門が主要顧客の反応を探る。
-- 顧客の仕様を満たす段階にない
-- ハイブリット車がテイクオフするために必要な資源投入と
いう意思決定が主力企業ではなされない。
step3 ビッグスリーでは持続的イノベーション(既存のアメ車)
の開発により既存主力顧客の要望に応え続けようとする。
step4 八重樫教授が、トヨタでハイブリット車作り、市場が試行錯誤を経て、発見される。
step5 ハイブリットは、徐々に主力顧客にも食い込む
step6 ビッグスリーは主力顧客ベースを防衛するために遅ればせながら
ハイブリット車を使った製品/サービスを投入するが・・・手遅れになる。
ここも綺麗にイノベーションのジレンマに一致するなぁ。
今、電気自動車が開発されていて、実用化に動いているけど
多分、これは、イノベーションのジレンマの発生条件と
一致しているから下手をすると、ハイブリットを駆逐するかもしれないね。
開発終了して製品化された電気車の燃費がアホみたいに悪くない限りは、ハイブリッドやガソ車駆逐もあり得ると思う
ちょろQみたいでw
相当先じゃないかな。
むしろ、電気自動車が増えるとこによって電気の供給が間に合わなくなった場合のほうが問題なきもするが。。