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2005年09月27日

WoWで発生したオンラインゲームの疫病の説明とか

オンラインゲーム空間で想定外の「疫病」が猛威

まさか、Curse of Hakkar、別名Zul'Gurub出血熱の話が
日本の記事になるとは思わんかった。

これ、結構面白い騒ぎだった。

これのちょっと詳しい説明をしておくと
インスタンスダンジョンのボスである
ハッカー ザ ソウルフレイヤーって奴の呪文
「Curse of Hakkar」が原因だった。

コレ自体は、なんというか感染力自体はたいしたことがない。
かかると3秒で回復してしまう。
勿論、263〜337の間でダメージを食らうのだが、一人で
喰らう限りは、3秒で治ってしまう。

だから、プログラマーのほうも、
すぐに治って広まる事はないと思っていたのだろう。

ただ、幾つかの点が問題、プログラム事故というか、
想定外の事態がこの呪文をWoW最悪というか、
笑える事態へと広げてしまった。

この呪文、喰らうと、キャラクターが血を吐く。
そして、血液が推定5-10yの間にばら撒かれる設定となっていて
ボスと戦っている間、グループのうち一人に感染すると
その周り、5−10yにいるキャラクター全員に
感染してしまう。

勿論、これはゲーム性を高めるためで、戦略をたてて
戦わないといけないようにするためだったのだろう。

なんせ、一人にかかったら、すぐに距離を取らないと

キャラクターA⇔キャラクターB

の間で、病気のお手玉が始まり、病気が治らなくなるのである。
(離れてしまえば、3秒で完治してしまう)

とまあ、ここまでは、なかなか面白い呪文ですんだのだが。

ここで、プログラマーの想定外の事態がおこる。

どこかの誰だかは知らないが、

この呪文に感染したまま、街にかえってしまったプレイヤーが現れた

のである。

なんどもいうが、周りに人がいなければ、3秒で完治してしまう呪文なのである。
それなのに、何故か。

それは、おそらくだが、WoWのシステムの一つであるペットのせいではないかと
思われる。

このゲームでは、プライヤーがペットというのをもつことができ、
ペット専門クラスも存在する。そして、ペットをもったまま都市に
はいることも出来る。

ここで、藁ってしまうのは、ペットにもこの呪文がかかってしまうため
ペット⇔キャラクターの無限ループが完成してしまい
3秒で病気が完治という、当初、プログラマーが意図した期間を
越えて、病気が保持される原因となった。


そして、次の展開がさらに笑えるのだが、
この病気、NPCにもかかってしまう。

WoWのNPC、つまりコンピューターが操作する街の住人は、
極めてタフに出来ており、さらに、移動せず、
中には、隣あわせで立っているのもいる。

こいつらに、プレイヤーが持ち込んだ病気が感染してしまったのである。

NPC⇔NPCという病気がループする最大の病原体が
街の中に出来てしまった。

これによって、街中では阿鼻叫喚の事態が起こり、
低レベルのキャラクターがNPCのネーちゃんだったり髭オヤジに
話かけた瞬間に血を吐いて死ぬという、愉快な現象が
町じゅうで繰り返される事態へと発展したのであった。

WoWの人間の女性というのは、アメリカ産ゲームとしては
珍しく、日本人にも美しく思えるデザインなのだけれど
その足元に大量の骸骨(プレイヤーの死体)が転がっている光景は
凄まじいシュールさであった。

本来、感染力が低い病気なのだが、幾つかの要因が重なって
最大の疫病になる様はエイズを見ているようで
ネットワーク解析的にも面白い展開であった。

しかし、オンラインゲーム内で疫病が広がるというのは
史上初だったので、多分、MMO史上に残る事故となるだろう。

ワクチンが配布されて収まったものの、
その間、そこいらの町に病気を持ち込んで
プレイヤーを殺しまくる高レベル病原体がいたり
「敵陣営の街に病気を持ち込んで壊滅させよう」と
本気でもくろむ輩がいたりと人間の残酷さをかいまみた出来事だった。


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