本日もくらーいニュース。
日本の広告費
電通の資料に目を通しながら、考えることなのだけれど
湯川さんが既存メディア企業の逆襲 の中で新聞にとってのプリント事業、
TVにとっての広告事業の悪化は
すぐに始まらず、10年や20年といった時間をかけて進むと
述べている。
TVのほうは、今のところ、広告費にかげりはみれない。
ただ、HDRなんて最悪なシステムが規格化されている以上
いずれは落ちるだろうと思う。
ただ、もっと深刻なのは新聞や漫画であって
これは、今後10年間の数字が簡単に試算できるので
シュミレートできるはずだ。
新聞は、特に問題であって、
まず、総広告費を見ていると、
隊長が言っているように、新聞で減った分だけネット広告が増えていて
そっくりネットに食われている部分がある。
この傾向が、今後も続くとしたら、それこそ恐ろしいことになる。
例えば、ネット広告なのだけれど、年率150%という高い伸び率を
見せているけれど、今後10年間、平均で年率20%、
ネット広告が伸びつづけた場合、
10年後には、現在比617パーセントになっている計算になる。
つまり、単純に計算すると、年率20%の成長率を
ネット広告が確保した場合
2004年度のネット広告費が1814億円だから10年後には
1兆1231億円になる計算になる。
2004年度の新聞広告費が1兆559億円だから
10年でこれを抜くことになる計算になる。
もし、新聞広告費がそっくり10年間でネットに以降したら、
新聞広告費そのものがなくなる可能性がある数字でもある。
媒体別広告費
こっちは隊長が引用していた資料だが、ネットが増えた分だけ
新聞が落ちているので、そういう最悪な可能性がある。
無論、年率50%とか20%なんて、今だけだろうし
今後ありうるとしたら年率平均7%〜10%程度だろう。
多く見積もって15%程度か。
それぞれで仮定するけれど
年率平均7%の場合の10年後のネット広告費は3568億円。
年率平均10%の場合の10年後のネット広告費は4705億円。
年率平均15%の場合の10年後のネット広告費は7338億円。
もし、今後も、こういう傾向が続いて、新聞広告費に
割り当てられていた部分が、ネット広告費に流れ込むとすると
それぞれの場合で、1700億円から5500億円くらいは
ネット広告に食われる計算になってしまう。
個人的には、これから10年間は、年間10%くらいの
成長率をネットが確保することは間違いなさそうだし
(去年が150%だったし)
このペースで進んだから、新聞事業は10年後には再編を
迫れるくらいの広告費の減少が起こるのは確実に思われる。
オンライン事業に手をだしはじめたアメリカの新聞社では
こういう事が実際におこってしまっているのかもしれない。
日本の新聞がこれからどうなるかは、これだけで推測できないが
落ちる一方の紙の売上、紙の広告費に頼ることはできない
のは明白ではないかと思う。
で、漫画なんだけど、今、年間平均で2%ずつ売上が落ちている。
1994年と比較するなら売上は20%落ちた。
これはこの10年間、ほぼ年間2%ずつ、売上が落ちつづけたと
試算可能である。
このペースで落ちつづけると10年後には漫画の売上は
現在の81.7%まで落ちる。
そうなった場合、雑誌以外の漫画の売上は、現在の2549億円から
2082億円まで落ちることになる。
正直、未来が見えない。少年誌は、軒並み部数を落としつづけているし
どれだけの出版社が生き残れるのだろう。
マーケットが縮小するというほど一つの業界にとって怖いことはない。
今後10年間で、物書きだったり、記者、編集者ってのは
新しい収益源を探す必要がある。早急に。
できなければ、はっきしいって、その会社は潰れるかもしれない。
生き残りをかけた戦いは、もう始まっているのかもしれない。
こんな心配は杞憂かもしれないし、
ただの電波的推測だから、気にする必要もないのかもしれないが
怖くなってしまう。数字だけ眺めていると。