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2005年09月22日

一番大切なものを捨てなければいけない時がある

題名通りのことを最近、ひしひしと感じている。

「ビットの集まりを売る時代」の次に来るもの

satoshiさんのブログの、上記の記事を読んで、
また、ひしひしと、この事を感じてしまう。


ちょっと引用させて頂くと

消費者のモラルの必要性を叫んでも、DRMの技術を進化させても、ユーザーにとって「単なるビットの集まり」の価値が減少の一途をたどることは避けられない潮流なのかもしれない。私も含めて多くの人達が、マイクロソフトの旧来型のソフトウェアビジネスよりも、グーグルやはてなのウェブサービスビジネスに魅力と将来性を感じているのは、その辺を直感的に感じているからである。



ここの部分が、とても共感する。

僕は、ネットの出現によって、もう情報をプリントして売る時代は
終ったと感じている。

もっと拡大すると、デジタル化可能な情報は、それ自体をパッケージ化して
売るやり方は、通用しない時代に入っていくのだと感じている。


そのせいで、出版社のコミックビジネスや雑誌ビジネスには
漫画関連で生きる人間としては、魅力を感じなくなりつつある。

それよりも、ウェブ配信サービスや、ポータル事業などに
ずっとずっと魅力を感じている。


転職というか、やりたい事も変わってきている。

これからの時代、出版関連というか、創作に関わる人間が
最初に捨てなければいけないのは、
おそらく、僕らにとって、一番大切なもの、
つまり、著作権なのだろうと思う。

情報がデジタル化できなかった時代では、
著作権は、本来、作者が作ったものを売る折、
どうしても、売る際のおいて、業者に対して不利になり、
その権利が、ないがしろにされすぎることから生まれたものだった。

どんないいものを創っても、すぐコピーされて、それを売りさばかれたら
最初に創る人間が一番損をする。

最初に創るという作業は、物凄いエネルギーと運と、時間がかかるからだ。


ただ、時代は、あまりに、あまりに変わってしまった。

情報は、現状、ほぼ全てデジタル化可能だ。
ネットのせいで、それを簡単に世界中にばら撒ける。

作家は、すでに、出版社としての機能を、出版社に
属さずとももてる時代となった。


そして、ネットの中では、オープンソースという形で、
一つの情報が、様々な人間の手によって、改造され、どんどんと
有機的に成長していくスタイルがある。

僕が、新しい時代の漫画というか、コミックビジネスとして
将来的に、ありうる形として考えているのが
こういったオープンソースのスタイルの漫画であり、
そして、そのために、最大の障害が、著作権という
資本主義では本来、決してあってはならない私的独占形態だ。


はてなとか、ネットサービスのベンチャーに就職してれば、
こういう方向のシステムを作ることに、邁進していたかもしれない。
そして、出版業界からひんしゅくを買いまくっていたかもしれない。

グーグルが、電子図書館計画で、作家協会から
クレーム喰らっているように。

だが、電子図書館にしろ、オープンソーススタイルの漫画にしろ、
これは、とてつもない可能性をもつのであって
出来る事なら、こういった形での新しいスタイルの
世界への戦いにコミットしていきたいなぁと思っている。
最近、特に。


時に、一番大切だったものが、最大の障壁になることがある。
そういう時に、それを捨て去る決断を出来る人が
次世代の主役になっていくのだと思う。

今回、小泉さんは、郵政という自民党を支えてきた巨大組織を切り捨てたが
そういうことが、やがて、漫画や小説の分野、エンタメ全般で
起こるのではないかと思う。

避けられない戦いだと感じている。

ネットの出現と、情報が全てデジタル化され、パソコン一つで
全世界にばら撒かれる時代になった以上は。



posted by pal at 15:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
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