このブログの人気エントリを読みたい方はこちら
もう一つのブログはこちらです。

2005年09月19日

出版関連のぼやき

まぁ、どこの業界にもストーンヘッドな方はいるわけで。
今日はそんな話というか公開愚痴なわけですが。

どうも、出版関連の人の中で、将来の日本の出版産業に
関する危機意識の低さというのを感じる。

全く、どうしようもない話だ。

これから、日本の出版関連は、二つの試練にさらされるのは
間違いないのに。


まず、一つ目の問題は、ネットだ。
活字関連は、この媒体とどうやって付き合っていくのかが
問題になる。

ただでさえ、再販制度に守られていた業界なので
こんな馬鹿げた情報発信媒体とどう戦うかという点で
目に見えた形での対応策をうてていない。

これは、新聞やら雑誌やらが、特に深刻なダメージを食らうはずで
実際に、いくつかの雑誌(映画関連やアダルト関連)がネットの
煽りで休刊している。

新聞も、いずれ規模縮小に向かうだろう。
生き残りをかけた戦いは始まっているというのに
どうも、そちらに関わる人達に危機意識が感じられない。

いや、危機意識を持っている人もいるんだろうけど
トップが、どうにも動かない。

活字ってのは、誰でも簡単に書けてしまう。
だから、ネットを使える環境を持っている人間なら
どんな人間でも不特定多数の人間に向けてメッセージを
飛ばせる。

業界のルール自体が揺らいでいるというのに
何で、こんなに無頓着なのか。

実質的に、出版や配達関連の資本というのが時代遅れに
なってきていて、ネットのせいでそれの価値が
どんどん減っていっているというのに何やってんだか。


二つめの問題は少子化。

何で、これが、出版やメディアにおいて、問題かっていうと
出版やメディアというのは、基本的に、自国語という
マーケットの中でしか勝負できないからだ。

特に小説、ニュースとかは、日本であれば、日本語という
マーケット内でしか勝負できない。

ただでさえ、ネットの出現で客が遠のいているのに
日本語というマーケット自体が減少するであろう
少子化という問題を何で、もっと大体的に扱わないのか。

問題の芽は、随分前から明らかになってきているのに。

メディアは、自分達の将来のためにも、
この問題こそ、死ぬ気で扱わないといけないはずだ。

人口減少は、すでに始まっている。
もう待ったなしの戦いなんである。

どんどん顧客が高齢化し、子供が減り、
人口が減っていくマーケットの中で
生き残れる出版社がどれだけあるというのか。

人口減少は、間違いなく、出版関連企業の淘汰を引き起こす。
なんだから、もっと真面目にメディアに露出しろといいたい。

心から言いたい。

小説や新聞なんて、ほんと、自国内のマーケットでしか
売れない。

これから、プリントメディアに就職する人や小説家を
目指す人達は、先細りのマーケットで勝負していく事に
なることは忘れないほうがいいと思う。

自分の分野の漫画に関しては、
唯一、今の規模を維持できるとしたら、
海外に進出するしかないだろうと思っている。

既に、少子化で少年誌は、路線の転換を迫られている。

いい例が少年マガジンで、ちょっと前までは、
不良やバイク系列を自社の作品の機軸においていたんだが
こいつは、少子化でにっちもさっちもいかなくなった。

なもんだから、最近、方針を転換している。

いわゆる萌え関連の方向にひた走っている。

はっきしいって、子供が少ないので、
不特定多数の子供向けの漫画ってのは、
シェアの奪い合いが厳しく、しかも子供が減っているから
消耗戦になってしまっているのである。


だから、よりロイヤリティの高いユーザーに的を絞ろうと
萌え路線に走り始めた雑誌が、かなり存在する。
まぁ、ヲタ狙いなわけだけど、これはこれでありだ。

10代〜20代の若者を確実に狙える要素は
極論するとアクションとセックスアピール、コメディの
3つしかないから。

というわけで、とにかく、少子化に関しては
もっとメディアで扱って欲しいのだが、
何で、メディアで危機感を煽らないのか理解できない。
もっと煽ってくれ。

トヨタみたいなグローバルな企業だったら、海外進出して
そこのマーケットを開拓することで日本国内の
少子化、人口減少に対応することもできるだろう。


だが、グローバル展開できないメディア企業にとっては
少子化は命取りになるんであるから
もっと危機感煽って、少子化対策を民間部門でもやっていかなきゃ
とか思うのに、何でか上手くいかん。何でだ。


漫画に関しちゃ、今、北米でグラフィックノベルという形で
少しづつ、受け入れられ始めている。

ただ、北米に関しては、アメコミという強大な同業他社が
存在して、マーケットのシェアの大部分を握っているから
そこに食い込むのは難しい面もある。

唯一の希望は、アメコミが男性文化だってことだ。
そこに日本の漫画がつけこむ隙がある。

日本の漫画は、少女向けのように
ロマンスに重きをおいた分野が存在するので
シェアを握れるとしたら、こっちだろう。

少年向けに関しては、アメコミの牙城を突き破るのは
難しいので、先に少女漫画関連でシェアを握ってから
その後で、アメコミの牙城に攻め込むのが良いと思っている。


アジアに関しては、韓国、台湾、香港は日本漫画文化に毒されているから
この先の進出は、比較的容易だ。ただ、海賊版という
問題があり、あそこらの国は、知的所有権の現代版山賊
みたいな国だから、難しい部分も多いけど。

まぁ、そんな話をしていると
「くだらね、そんな先の心配してどうすんだ」といわれる今日この頃。

なんでなんでー。


posted by pal at 09:54 | Comment(0) | TrackBack(1) | メディア このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

マスコミ殺すにゃ刃物はいらぬ、広告なければタダの人
Excerpt:  私は以前のエントリーで、「世の中に存在するほとんどの商業雑誌は、広告がなければ経営的に成り立たない」と書いた。それを象徴するかのようなイベントが9月27日にある。山岡俊介氏のブログ「ストレイ・ドッグ..
Weblog: すちゃらかな日常 松岡美樹
Tracked: 2005-09-20 11:33