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2005年09月15日

右翼の背後にある原理、左翼の背後にある原理

選挙が終ったんで、そろそろ、危ない話でも
又、してみます。

実は、最近、ネットでよく見かける論理なんだけど
(ネットだけでなく、メディアでよく見る事でもある)
「弱者切り捨て社会を許すな」とか「二極化社会の恐怖」だとかさ。

ただ、これって、僕は、表面的なものだと思っていて
右翼対左翼みたいなものと同じで、代理戦争みたいなものだと
思っている。

実は、今、世界全体として、マネーが過剰流動性をもって
世界中を駆け巡る世界になってきている。

ネットの出現がでかい。
為替取引や外国株の取引なんかが
ネットで出来るようになっちゃったので
事実上、マネーに関しては、距離が全て0になってしまった。


そんな中で、経済自体も、世界全体を通じて回る時代を
迎えていて、殆どの国が、一国のみでは、経済活動を
やりくりできない時代になっている。

ここが問題で、資本の移動が容易になりすぎたせいで
大国の資本は、よりコストの低い場所、つまり海外に拠点を
おくことが多くなってきた事に注意する必要がある。

こうなると、政府は、資本を制御できない。
政府の力は、自国内でしか働かず、他国には限定的な力しか
及ぼせないからだ。

当たり前だけど、資本の海外流出というのは、
国家内においては、労働力の吸収力を失わせ、
また、税収にも影響を及ぼすので非常によろしくない。

ここで、国家は、自国内に資本を
留めておくために、二つの方法がある。

一つは、法で規制を行って外へ資本が出て行かないようにするやり方。

もう一つは、法人税や、最低賃金、金利をさげて企業が
働きやすい環境を整えること。


一つめの究極形が、福祉国家、保護主義、社会主義的国家になる(左巻き)


もう一つの究極形が、新自由主義、市場原理主義、世界資本主義となる(右巻き)

で、なんだけど。

実は、民主党のリベラル派ってのは、後者であって
自民党の小泉首相とか、新たに入ってきた議員の多くは
どうも後者らしい。

そして、追い出された連中は、前者で、
大地、共産、社民、日本新党あたりは、前者の政党といえる。


要するに、なんだけど、今回、選挙で
大声上げて、自民党、民主党に票をぶち込んだ連中ってのは
無党派、つまり、都市部のサラリーマンなわけだから、
彼らは、急速に新自由主義、市場原理主義、世界資本主義的な
方向を支持している事になる。

つまり、都市部のリーマンが、右的思考をし始めている事になる。

また、公明までが右旋回していて
(このあたりは隊長もエントリで扱っているが)
どうも、左的な思考が、都市部を中心に不人気に
なり始めているようだ。


自民党は、田中角栄の日本列島改造論から始まった
左路線を捨て去って、純右的性質をもち、
さらには、新自由主義に代表されるような
自由貿易の国際社会における日本国のあり方を
求めて進む政党になりつつある。

民主党も、実は、このあたりの根本的な部分は
同じであって、あそこも根っこは新自由主義かつ
右的側面が強い国である。

グローバル化して、国境の意味、国家の力が限定的に
なっていく、これからの国際経済においては
国家としての機能は強くないほうが望ましいと
考えている連中が、多いのである、実は。

これが、小さい政府という考え方の根本にある。


一方で、弱者切り捨て、二階層化社会が怖いからといって
グローバル化が進む社会で、
政府が法人税を上げたり、人件費を高めで保証したりすれば、
資本は日本から逃げ出す。

そうなれば、困るのは、賃労働者である。

そうなっちゃ困るので、規制をしき、資本を
日本から逃さないようにすることもできるが、
そうすれば、日本の資本は国際競争力を失ってしまう。
高い税金、高い賃金、高い福祉制度では、必然的にそうなる。




こういうのは虚無的な言い方だが、
右の理想も左の理想も、それ自体は、
「全ての人を幸せにする」ものではない。

英雄もシステムも国家も、全ての人間を満足させる事は
不可能である。

で、今、無党派といわれる層が急速に新自由主義、資本主義的な
方向に動いてきており、それが、左(保護主義、社会主義)への攻撃
となってあらわれているのかもしれない。


日本が右的になってしまったのは
バブルが原因ではないかと僕は思う。

アレのせいで、都市部のサラリーマンは解雇を
嫌というほど経験した。給料も伸びない。
その上、年金までもらえそうにない。

そんな中で、公務員への憎悪は拡大し、
利権への怒りが渦巻き、

「俺らがこんだけ苦労しているのに、なんで福祉やら
公共投資なんてしてるんだ、政府の馬鹿は」

なんて形の方向に向かってきているのかもしれない。

バブル以降、ちっともよくならない景気の中で、
都市部のサラリーマンが、最もひどいしわ寄せを受けてきた。

彼らは、国からの保証がほとんどなく、都市部の政党といえる
ものも日本にはなかったので、彼らの声は、それまで政権中枢に
届かなかった。


で、都市部のリーマン達の受け皿となったのが民主党の
新自由主義、リーマン向けの年金システムや子育て支援だった
わけですな。

民主党も小泉自民党も政策自体は大して変わらんのですよ。

小さな政府と民間主導、グローバル経済に対応した日本経済システムの
構築を目指しているわけですから。


まぁ、なんといいますかね、民主党のリベラルと自民党の小泉派、森派は
合併して新党立ち上げちゃったほうがいい。

日本に二つも小さな政府を目指す政党はいらない。

で、自民党の保護主義、分配主義の政治家や、旧社民、共産、公明は
全部であつまって、さっさと新党立ち上げなさい。

これで、やっと、日本の政治がわかりやすくなる。





最後に、だけど、僕は、日本の政治状況をこんな風に見ている。

右翼の背後にはグローバル化している資本がいる。
トヨタ、パナソニックに代表されるような企業だ。


一方で、左翼の背後には、グローバル化していない資本がある。
農業、メディア(日本語というマーケット内でしか勝負できないから)、
流通(日本国内のみの流通機関、要するに郵便)なんかである。


右翼とは、すなわち、トヨタやパナソニックみたいな多国籍企業の代弁者であり
左翼とは、農業資本、メディア資本、流通資本という純日本企業の代弁者であると
僕は思う。


つまり、右翼の原理とは、国際競争の中で生き延びてきた企業の論理であって
「適応できねば淘汰される」という事に行き着く。

左翼の原理は、国家の保護の下で生き延びてきた資本の論理であって
その論理は「保護者たる国家は一人も殺すな見捨てるな」
という所に行き着く。


日本の将来が、どちらに向かうかは、今回の選挙で、ほぼ決定した気がする。

民主と小泉自民が、殆どの議席を占めている時点で
日本の総意は固まってしまったのかもしれぬ。







posted by pal at 05:20 | Comment(0) | TrackBack(1) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
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