戦争で普遍的に使われる戦争プロパガンダを
10の法則にまとめた。
「戦争プロパガンダ10の法則」アンヌ・モレリ著 草思社 2002年 より
戦争プロパガンダ10の法則
[1] 我々は戦争をしたくない。
[2] しかし、敵側が一方的に戦争を望んだ。
[3] 敵の指導者は悪魔のような人間だ。
[4] 我々は領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う。
[5] 我々も誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為におよんでいる。
[6] 敵は卑劣な戦略や兵器を用いている
[7] 我々の受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大。
[8] 芸術家や知識人もこの戦いを支持している。
[9] 我々の大義は神聖なものである。
[10] この戦いに疑問を投げかける者は裏切り者である
最近の政策論争とか聞いていると
このプロパガンダ法則を思い出してしまう。
ちょっといじれば、政治プロパガンダの基本法則に
置き換えられる。
以下、政治プロパガンダの基本法則
1 我が政党は選挙民のために働いている。
2 しかし、敵の政党は選挙民のためでなく私利私欲の為に動いている。
3 敵の政党指導者は悪魔のような人間だ。
4 我が政党は利権や賄賂のためではなく、日本のために戦う。
5 我が政党も誤って犠牲を出すことがある。
だが、敵の政党はわざと残虐行為におよんでいる。
6 我々以外の政党は卑劣な戦略や公約違反を用いている
7 我が政党の受けた被害は小さく、敵の政党に与えた被害は甚大。
8 芸術家や知識人も我が政党を支持している。
9 我が政党の大義は神聖なものである。
10 我が政党のマニュフェストに疑問を投げかける者は国賊である。
こんなトコですかね。
公職選挙法のせいで、もうポジショントークできないから
こういう話をしてみたり。
使用例
1、2 主にマニュフェスト、公開討論などで。どの政党もこれは主張します。
3 主に週間誌などでの党首のスキャンダルなどが特に効果的。
4 どこの政党もどこかから献金なり賄賂なりを受け取っているのに
何故か、みんな揃って「日本の為に」と仰います。信じられるか。
5 自分が批判を受けると、話題そらしに「敵の政党も同じような事か
それ以上に悪い事をしているじゃないかと逆切れしますよね、よく。
6 政権公約を全て守った政党は、日本憲政史上存在しないのに
相手方のアラばかり指摘なさいます。全ての政党が。
7 自分の陣営の支持者を鼓舞する時に使われます。
選挙期間中は、どこの政党も「我々が一位になる」と仰います。
しかし、できることなら、二位以下の順位も
ついでに教えて欲しいものです。
8 「多くの方が我々を支持してくれています」というのは、
選挙期間、よく聞く言葉ですが、投票率100%を
獲得したことのある政治家は、今まで存在しないわけですが。
9 皆さん、神聖な大義のために戦うのはいいのですが、
政党の数だけ神聖な大義があって、何を信じていいのか
わからない人が多いことにも気付いて欲しいですね。
10 自らの支持者を使って反対意見を封じ込めるために
使われる手法。リンチの正当化になるので勘弁して下さい。