携帯電話の発達と自動車販売台数及びラブホテルの関係
マイクロ・マス経済の時代 - ウォルマートの落日
どっちの記事も、ちょっとした産業構造の変化の時期なのかもしれんね、というお話なんだけど、興味のある方はどうぞ。
で、なんだけど、今日の僕の話も、そういう話で、流通業の産業構造とライフスタイルが変化しつつあるのかという風に思うことがあるんで、それについて、ちょっとお話しようかと思うわけです。いつもの尻馬で。
で、最近の話をする前に、ちょっとこれまでの流通業の産業構造とライフスタイルの変転について、アメリカと日本の歴史的経緯なんかを、ちょろりと書いておこうと思うわけですが。
えーと、まずなんですが、人々のライフスタイルが変わると、ダイレクトに変化するのが産業構造でして、そこではかつての勝者が敗者になり、新参がかつての古参を打ち破って、次の覇者になるなんて事がしばしば起こるわけです。
アメリカの話からしますと、そういう事が起こったのが1860年以降あたりでして、鉄道が発達しはじめ、大都市が登場し、都市人口が増え始めた頃になります。
大都市が生まれたことで、一大消費地というのが出現したんですね。しかも、その中には、かつての大都市にはなかったもの、交通の要所としての駅を備えていたわけです。
このことは、幾つかの産業に影響を与えています。例えば、生鮮食料品などです。この時期には、他にも様々な食料品に関する技術革新が生まれていまして、ミルクや食肉などの保存法が発達して、それを都市部などで大規模に販売することが可能になった時期でもあるわけです。
例をあげるなら、冷凍肉の販売ですね。それまで生が当然だったのですが、冷凍して肉を保存することで、都市部に輸送し食肉を販売することがある程度可能になったわけです。またミルクの保存技術と鉄道による輸送は、代用乳への道を開き、乳幼児などの栄養状態をよくするのに、非常に役立ったわけです。
こうした交通革命や技術的な発展に伴って出現したのが、百貨店でした。
アメリカにおける最も有名な例は、メイシー百貨店でして、創設者のメイシーは、高級衣料品から出発し、徐々に経営を拡大させて、最終的には百貨店へと発展させました。
そして、彼は、現金販売や、正札販売(札通りの価格で販売する方)を取り入れました。
それ以前は、客と店員のかけひきを主としたそれまでの販売方法が、主流でした。つまり、客と店員の間で駆け引きをして値段を決めるわけです。
現在では当たり前の正札販売は、不特定多数の客を相手にする販売方法として大都市のような場所では非常に有効でした。また、他店より安く売るといった低コスト戦略、積極的な広告活動を行い、近代的な小売業の先駆でもあったわけです。
百貨店の多くは、都市部の駅近くの一等地に位置し、都市部の消費における中心として君臨するようになっていったわけです。
そういうわけで、メイシー百貨店とは、大都市と鉄道の発達の落とし子といってもよいと思います。
これは、当然ですが、それ以前に大きな力を持っていた中間業者の中抜きだったり、中小の小売業者の淘汰となって現れました。
で、なんですが。
百貨店は、1860年代あたりに生まれ始め、1920年代あたりまでは、成長を続けました。が、1920年代にはいると、徐々に変化が現れはじめます。
まず、最初に都市部への人口移動が顕著になりはじめたことです。これは、農村部から都市部への人口移動がアメリカにおいておこりはじていたわけです。
もう一つの大きな変化はモータリゼーションの到来。フォードT型の登場により、アメリカでは一家に一台、車が完備されるようになります。
この二つの傾向を見て取って、それまで農村部へのカタログ販売で成長したシアーズ・ローバックをGMS(総合スーパー)の最大手へと変化させたのがロバート・ウッドです。
彼は、農村から都市部への人口移動によって、シアーズ・ローバックのカタログ販売が先細りであること、そして、モータリゼーションの進展によって、都市部にある百貨店でなく、郊外に立地し、駐車場を備えたGMSに可能性を見出したわけです。
シアーズ・ローバックはウッド将軍の指揮の下、大恐慌後にも、店舗の展開を止めず、安く土地を借り入れて次々と店舗を拡大しました。そして、最終的には、GMSの雄として、売上高トップの地位にまで上り詰めることになります。
GMSは60年代から80年代にかけて繁栄しましたが、その陰で、次の主役が現れつつありました。
それは、スーパーストアとも呼ばれるウォルマートの登場になります。
ウォルマートと、GMSの違いになりますが、いずれも郊外+巨大な駐車場という立地条件や、ほぼ日用品全般を扱うといった特徴は一緒ですが、ウォルマートは、1フロア、集中レジ方式といった形でさらに人件費を抑制するなどの、徹底した低コスト構造を作り上げたことに特徴があります。
そして、同じディスカウントストアのKマートが、大都市を狙っていたのと違い、ウォルマートは同業者の少ない小都市を狙って出店し、売上を伸ばしました。
ウォールマートは、1980年代に急進し、1990年代には、シアーズ・ローバックを抜いて小売売上高トップとなりました。
さて、ウォルマート躍進の背景なのですが、この部分の大きな原因の一つは、アメリカにおける所得格差の増大が一つとして上げられると思われます。ウォルマートやKマートは、1962年に、一号店を開店しているのですが、アメリカでは、1968年以降、所得格差が広がり始めたんですね。
低所得者層と、高所得者層への所得の分化が起こり、中流階級の没落に従い、安売りや強力なコスト体質をもつウォールマートは、支持されるようになっていった部分があると思われます。
1980年代と1990年代は、アメリカにおける所得格差が広がった時期でもあるのですが、この時期はウォルマートの大躍進の時期でもありました。低所得者層に圧倒的に支持されたのがウォルマート、といえるのではないでしょうか。
で、なんですが、ウォルマートが絶頂期にある中で80年代あたりから、カテゴリキラーと呼ばれる品揃えをより絞った安売り専門チェーンが出現します。おもちゃのトイザらスや、医薬品のウォルグリーンが有名です。michikaifuさんも述べていますが、家電ではベストバイも有名です。OAや文具のオフィスデポもそうですね。
そしてこれが、ウォルマートが苦しんでいる理由なわけです。
つまり、二つの方向から挟撃されているんです。
「低価格化」では、各種カテゴリキラーに苦しまれているという点です。ある分野に特化した安売り専門チェーンのほうが総合ディスカウントストアであるウォルマートより強いのは当然。
そして、「ニーズの多様化」に代表されるような、「品質」や「変わったニッチ商品」で勝負する分野ではウォルマートは強くないんです。品質では、高級専門店などのほうが強いに決まってますし、また今はちょっと変わったニッチ商品なら、無限の棚をもてるネットで探して買ってしまえるわけです。
アマゾンやeBayの躍進は、マスでなくニッチをついた商品を大量にあつめたロングテール的なビジネスですけど、そういったニッチ商品では、ネット企業にパイを奪われてしまっている。
つまりですけど、ウォルマートには、今、逃げ場がないんです。
所得が二極化しているわけで、低所得者層か高所得者層のニーズをつかまないといけないのに、前者はカテゴリキラーにパイをもっていかれ、後者はもともと得意でない上にネット企業にパイをもっていかれている・・・・という状況なんだと思われるわけです。
似たような例にフォードの敗北があるんですけど、フォードは、T型フォードで世界で最も成功した自動車会社となりました。
しかし、いっちゃなんですけど、フォードは勝ちすぎたんですね。T型フォードは、全米のありとあらゆる人々に乗られるようになったんですが、自動車というのは、耐久消費財であって、一端、全米に行き渡ったら、あとは、買い替え需要に期待するしかなくなるんです。
で、ここでフォードは、躓いた。買い替え需要しか期待できなくなった世界では、新製品を途切れなくだして、消費を刺激しなければ、売上は伸びません。
当時、アメリカの消費者は、T型フォードに飽きていました。「ブリキ娘」なんて呼ばれるようにもなり、より上級の車に乗りたい・・・・という消費者が増えてきていたんですね。
そして、ここをついたのがGMでした。
GMは、スローンの下で、「あらゆる人の財布と目的に見合った自動車」というコンセプトの下で、消費者の階層ごとにマッチした自動車製造を目指します。
そして、重要なのは、モデルチェンジを頻繁に行うことによって、消費者の買い替え需要を喚起するマーケティング戦略を取ったことです。
これは、怪我の巧妙的な部分も大きかったのですが、フォードT型に飽きていた消費者のマインドと完璧にマッチしました。これによってGMはシェアを伸ばし始めます。
しかし、これは、「ニーズの多様化」にあわせるという意味で、上流階層をターゲットとした施策です。フォードT型の最大の武器であった低価格には、それだけでは太刀打ちできません。
しかし、フォードは、この最大の低価格という武器ですら、この時期に失ってしいました。
何が起こったか?
原因は、T型フォードの巨大な中古市場でした。あまりに売れすぎた結果、巨大な中古車市場が形成されたんですね。
というわけで、フォードは市場で自分自身と戦わざるを得なくなってしまいました。つまり、低価格化路線では、T型フォードの中古車と競合することになってしまったんです。そして、これはどんなに頑張ろうが勝てない戦いです。自分自身とは戦えません。
結果として、ニーズの多様化と低価格化の両面から挟撃されたフォードは業績が急速に悪化。GMにアメリカ最大の自動車会社としての地位を明渡す事になるわけです。
産業構造の転換、一つの巨人が躓く時というのは、大抵、こういう時だったりします。つまり、「低価格化」と「ニーズの多様化」という二つの方向から挟撃された場合なんです。
そして、同時に、大抵の場合は、産業構造の変化の幕開けだったりもします。
百貨店から、GMSのシアーズに小売業のトップが移り変わった時には、モータリゼーションと都市化の波が背景としてありました。
GMSの雄シアーズがウォルマートのようなディスカウントストアに小売トップの座を譲り渡した時期には、グローバリゼーションや所得格差の増大が背景にあったわけです。
そして、今、ウォルマートに陰りが見え始め、一方で、各種カテゴリキラーやネット企業などが躍進しはじめた背景には、ITの発達と消費者ニーズの徹底的な多様化があるわけです。
ウォルマートが各種カテゴリキラーと消耗戦を続ける限りは、この先、ウォルマートはきつくなる一方なのです。僕も、あまりウォルマートの先行きに明るいものは感じていません。ですから、主役交代の時期なのかな、とも思ってしまうわけですけども。
後継者が、eBayやアマゾンのようなネット列強だと言い切れるほど、その二つの会社に大きな期待は実はかけていなかったりするのですが、しかし、ウォルマートの時代は終わりを告げつつあるというのは全くの同感であったりします。
で、同じようなことが日本でも起こったのですが、その話は次回。明日にでもしようかと思います。実は、ぐっちーさんの記事と絡めて、それをお話しようかと思ったんですが、字数の問題から分けることにしました。
今日はこのあたりで。
ではでは。
エレを全て倒し終わったら、カーバンクル広場に盾?赤?黒が行き盾はカーバンクルを釣り
黒は光エレAをスタン等で釣りそのまま後衛陣まで走りこれを殲滅
赤は光エレBを寝かしてキープ、黒が光エレAを倒し終わったら赤と黒で光エレBを倒す
前衛はカーバンクルをひたすら殴り続けてHPが1/3程度まで減らしたら攻撃をやめキープ
この時、キープが難しいようならば赤のグラビデ等を入れて中央の広場でマラソン
光エレ2匹倒し終わったカーバンクルを坂下まで引っ張り、後はエレと同じような布陣で撃破する
私は在住米国なんですが、ウォルマートには滅多に行かないですね…。
大量に安いものを買いたかったらコストコに行きますし、高くていいものが欲しいならショッピングモール、新鮮な野菜が欲しかったらそれなりのスーパーもあるのでそっちに行きますね。中途半端で何でも揃わせるよりは欲しいものを欲しいところに買いに行きたい。
ウォルマートには生の食品は売っていないので買いに行きづらいですしね…
何か日本のダ●エーに似たようなウォルマートの状態を見た気がします。
イオンのように24時間営業しているラルフというマーケットがこちらでは人気ですよ。
ご参考になれば補足程度に…、失礼しました。