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2005年08月13日

ネットワーク解析@経済ネットワークにおけるハブはどこなのか?

信用創造という金融用語がある。
預金と貸出しを繰り返すことで、お金が増えていくこだ。

詳しくは、このページで↓

http://www.findai.com/yogo/0016.htm


ひできさんのブログで、貨幣のお話を読んでから
この仕組みに興味をもった。

上のページの図をみていただければ、わかるが、この仕組みは


◆無限等比級数の和の公式

無限等比級数の和の公式を利用すると、
信用創造によって預金が「いくらに増えるのか」、
または「何倍に膨らむのか」という計算が簡単にできます。

(1)最初の預金÷法定準備率

最初の預金を法定準備率で割ると、
最初の預金(本源的預金)が何円に増えるか計算できます。
最初の預金が100円で、法定準備率が10%であれば、
預金総額は 100÷0.1=1000円 に増えることがわかります。

但し、預金の増加額(信用創造額)は、
預金総額1000円から最初の預金100円を差し引いた
900円(1000円−100円=900円)となります。


引用終わり。

こういう形で、金融によって、市場の中において、
お金を何倍にも流通させやすくする仕組みだ。

そして、それを生み出すのが、信用なので
「信用創造」と呼ばれると。

これ、ネットワーク解析的にはリンク数を増やす仕組みという事です。


前ふり終わり。あとで、この仕組みと
このエントリとの関係が重要になってきますが、いったん
忘れてください。



さて、お金の仕組みを考えていくと、
極めてネットワーク解析的に
面白いことになるのは、
ひできさんの記事になるわけだけれど↓

[書評]貨幣の複雑性 ecology of blogs
http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2005/07/ecology_of_blog_0119.html#comments


現実の世界では、貨幣とモノ(財、サービス)に分けて考えたり、
もう少し、複雑な分け方をしたりするけれど
ネットワーク解析の世界では、すべての単位が
ノードとリンクに単純化できる。

で、ここで。

インフレという言葉がある。
物価の上昇とそれに伴なう貨幣の価値の低下を意味する言葉だ。

デフレという言葉がある。
物価が下落し、貨幣の価値が上昇する事を意味する言葉だ。



そしてインフレとデフレという言葉を
ネットワーク解析を使って定義すると
どうなるか。

ネットワーク解析の基本単位である
ノードとリンクという言葉を使って説明してみたい。

経済ネットワークを考えると
ノードとは「人、資本、あるいは国家」であり
リンクとは、「交換」を指すことにする。

こう定義した場合、
インフレとは、ノードがもつリンクがドンドン増えていく状態であり
デフレとはノードがもつリンクがどんどん減っていく状態となる。

ここを解説すると、インフレとは
総需要が総供給を上回った場合に発生する現象だから

ノード(国家、資本、人)がリンク(交換)をしようとしすぎた状態と
言い換えれるわけで

一方で、デフレでは、消費者の購買力低下という形での
リンク(交換)の減少、
国家、銀行などからの「お金」の交換ししぶりといった形での
リンク(交換の)減少がおこる状態なわけで。

んで、ここで思うわけですよね。

こういったネットワークにおけるハブはどこなのかと。

ここで、最初に述べた信用創造って仕組みに目を向けるわけです。
お金を増やす仕組みですね。
お金を増やし、経済活動を活発化させたこの仕組み。

この仕組みにおけるハブは、はっきりしてます。
銀行です。

信用創造のネットワークは

預金者→銀行→A企業→B企業→銀行→C企業→(以下。D、E・・・・とループ)

といった形になるわけですが、
ここで、一番、多くの交換の間に
介在するのは銀行なわけですね。

つまり、銀行が、資本の中で
最も多くのリンク(交換)をもつノード(資本)、
ハブ(ノードの中で沢山のリンクをもつ特殊ノード)なんですね。

で、国家単位だと、資本がハブで、人がノードなわけです。

つまり、銀行とはハブ単位でみたネットワークにおける
ハブなんです。いわば、ハブの中のハブ。

さて、国家単位では、おそらく、日本の仕組みは
スケールフリーネットワーク
(少数のハブによって支配されるネットワーク)
になっていると思われます。

ですので人が5〜6万人死んでも、
資本が2000や3000倒れても、このネットワークは
自動的に崩壊することはありませんが、
ネットワーク内におけるハブである
銀行が全体の15%も潰れたら
日本という経済ネットワークにものすごい打撃が加わります。
スケールフリーネットワークは、
ノードがランダムに攻撃された場合には
極めて堅固な仕組みなんですが、
ハブを攻撃された場合には、極めて脆い、そういう仕組みです。

よって、国家を崩壊させたかったら、地下鉄、飛行機テロなんかより
銀行を何らかの手段でぶっ潰してまわったほうが速いんですな。
国家規模における打撃を考えると、銀行を潰すのが
一番、敵対国家を潰すのにいい方法だと。

なんか、ちょっと、こういった事を考えてたら新鮮でした。
銀行というか金融業ってのは、資本主義国家の心臓部なんですね。
金融やら経済に詳しい人ならこんな事当たり前って思うんでしょうけど、
ここがしっかりしている限りは
国家が自動的に崩壊することはないって事なんです。これ。

スケールフリーネットワークは、ハブをやられない限りは
自動的には崩壊しないんです。

国民が3〜40%くらい死んだり、資本が
バタバタ倒産したりすれば別ですけど。

逆に、銀行ってシステムがほんのちょっと揺らいだだけで
国家の背骨がゆらぐわけですね。

以前、資本の中で、もっとも重要なのはどこなのかとか
考えていたんですが、はっきりした気がします。
銀行です。

他の資本は、わりとどうでもいい。代替えが効くって事です。

日本は、ここまででかくなったんだから
ここに一番、優秀な人間を送り込まないといけないんですな。
うむうむ。
そー考えるとイギリスやアメリカなんかは金融に
レベルの高い人間が集ってるし
だから、最近、安定しているのか。


うーん、そうだったのか。
これからのテロリストは、銀行を狙わなきゃいけないんだな。

逆に、日本って、ここに優秀な人材が集ってないとも
言えるんですよね。日本の銀行の国際的な位置付けって
高くないし。

困ったもんだ。
だから、景気回復とかうまくいかないのかな。

そういや、バブルも、プラザ合意で
当時のアメリカ合衆国の対日貿易収支の不均衡を是正する目的で、
ドル安円高政策を採ったのが、引き金なんですよね。

あの当時の日本の金融なんて、
ホント、護送船団状態でダメダメだったから、
リスク管理に失敗してしまった。

日本を潰すために、最短距離でやれる方法を
とっただけですな、アメリカは。
金融という国家のハブへの攻撃という形で。

中国潰したいなら、同じ方法で金融からやっちゃえばいいのか。
なるほどねー。最近、アメリカってば、中国金融関連で
色々やってるみたいだけど、やり方次第で
ぶっつぶせそう。アメリカ金融というか
ウォール街の怪人達はこえーよ。

資本主義大国になったら、戦争するより、
相手国の金融を潰すほうが安上がりなんだな。

マネーゲームに弱い国家は、これからの
グローバル経済でやられるだけなのかも。

そう考えると、マネーゲームってのは
グローバル経済における、戦争なんですな・・・・
いや、これ、まじで。
ゲームじゃないです。戦争です。
国家の存亡に関わりますよ、これ。


というわけで、頑張れ、日本金融。



とこんなこと考えてたら
・・・・・・・・郵政民営化、怖いな・・・・・・
郵貯・簡保の不自然な金の流れが、日本にとって、もっとも不幸な流れを
産んでいるのは間違いない。
日本最大のハブがあれじゃね・・・

だから、ここの運用効率を高めないと
全然ダメ。350兆円が市場に流れ込めば、
そりゃ、とんでもない効果になりますよ。

同時に、リスクが高くなる。
ここをやられたら、一気に日本経済が奈落の底。

うわー、こえーーーーーーーーーー!!!

郵貯、簡保は、日本最大の金融的ハブなんだし、
一つ、間違っただけで偉いことになる。

大丈夫なのか、マジで大丈夫なのかっ!?






posted by pal at 10:34 | Comment(0) | TrackBack(1) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
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資本主義社会を構成するもの Natural Capitalism
Excerpt: そっすよね、銀行がハブすよね。ということで、通貨発行権をもつ日銀がハブのハブ?
Weblog: HPO:個人的な意見 ココログ版
Tracked: 2005-08-15 10:25