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2007年08月02日

画家アンドリュー・ワイエスの世界

昨日、「女性キャラは美しくなきゃいかんのですよ!」とか熱弁しといてなんですが、世の中、それだけじゃ困るんで、今日は、僕の好きな画家の一人である、アンドリュー・ワイエスの話をしたいと思います。


アンドリュー・ワイエス

Andrew Wyeth


それぞれ、wikipediaの日本の記事とアメリカの記事にリンクを貼っておきます。


で、なんですが、僕が、何でワイエスを好きかというとですね。


無論、絵が凄く綺麗というのもあるんですけど、同じくらい彼のポリシーが好きなんですよ。


僕が、アンドリュー・ワイエスを知ったのは、西洋美術史を取っていた時なんですけどね。





wikipediaに載っている奴へのホットリンクですいませんけど。


これ有名な「クリスティーナの世界」です。


wikipediaからの引用になりますけども、



代表作「クリスティーナの世界」に登場するクリスティーナは、ワイエスの別荘の近くに住んでいたオルソン家の女性である。生来病弱で孤独に育ったワイエスは、この、ポリオで足が不自由な女性が、何もかも自分の力でやってのける生命力に感動し、出会いの時からその死まで30年に亘ってこの女性を描き続けた。



これねー、知った時は感動したものです。いやね。世の中ね、みんな美しいものを描きたがるものなんですよ、やっぱ。


特に女性に関しては、ね。


でもね、彼の代表作である「クリスティーナ」のシリーズや、「ヘルガ」のシリーズは、そうじゃない。美人絵じゃないんですよ。




どんなものにもどこか醜いところはある。だから、私はあまりきれいでないところで仕事をした。私がヘルガをモデルにするのもそのためだ。彼女は人生や物事のきれいごとが嫌いなのだ。父は私の絵をきれいにしようとした。父はジェイムズ・ローパーを描いた私の絵から、ジェイムスがなくした片手の代わりに使っている鈎を消してしまったことさえある。そんなことをすれば、絵はあまりに都合がよく、あまりにもきれいごとになってしまう。決して、そんなことをしてはならない」 (自作『煮炊き用まきストーヴ』について)

術家の言葉 red05_next.gif 中期具象系>アンドリュー・ワイエス



こちらのページから引用させて頂きましたけど、いや、どーですか。


彼の絵が好きなのは、そういう所なんですよ。そりゃ、技量も卓越したものがありますけども、僕は、こういう所にも惹かれるんです。


彼がモデルにしたヘルガやクリスティーナには、モナリザのような美しさはありませんけど、だから良いと思うんですよ。


彼が最高の画家の一人だからこそ、そういう事が出来たと思うんです。ハンディキャップ理論じゃないですけど、本物の画家ってのは、老婆を描いて名画を描けるような人だと思うんですよ。


美人を描いた絵が美しいのは当然。素材がいいんですからね。でも、それだけじゃ、つまらないし、奇麗事ばかり絵にしてもしょうがない。


ヘルガが、人生や物事のきれいごとが嫌いだったように、絵画にもそういうものが嫌いで、すべてを書き込む人がいてもいい。


こういうのが、絵画の良さだと思うんです。


無論、いつかは、3Dの世界もそうなるのかもしれません。アメリカの3Dは、受け付けないのですが(美がないから)、しかし、美醜のすべてを詰め込んだ世界はあってもいい。


そう思うわけですよ。




posted by pal at 20:39 | Comment(2) | TrackBack(3) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
こちらにもお邪魔してしまいましたよ。

美しい対象をかきたがるだけではなくて
対象を美しくかきたてる ということもあるかと思います。(痘痕も笑窪といいますし。

私はこの絵が醜いとは思ってませんが
ここの清掃は、済みましたかね。と。
Posted by a at 2007年12月09日 06:16
空気の匂いがする、太陽の動きを感じる絵ですよね…
Posted by 犬ぽち at 2008年04月25日 12:32
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