ヤフーのトップにこんな記事がきてたんで
ブックマークした上で、色々と書き連ねてみる。
超くだらない話だけど。
産業革命以降の展開として、
工場制手工業から機械制大工業への変遷というのが
あげられる。
機械制大工業とは、生産体系の一部に労働者を転化させ
労働が資本に従属したことを意味する。
もっともそれでも、まだ、個々の労働者の熟練・技術に
依存するところが大きいが、
工場制手工業のときほど、労働者の熟練を必要とはしなくなる。
簡単な例をあげると、
アダム・スミスの「国富論」的例えになるけど
針をつくるには18の工程があり、それをかつては一人の人間がやっていた。
一人の人間に18の工程を教えようとすると
そりゃ大変な時間がかかるし、一つ一つの工程で
熟練させるにはさらに時間がかかる。
一方で流れ作業で針をつくるなら、
人一人が一つの工程を覚え、それを18人でわければいいので
一人でやっていた頃ほど、熟練が必要とされなくなる上、
ひとつの作業に特化できる為、技能もあがりやすい。
結果、一人でやっていた頃よりも大量の針を作れるようになる。
で、あるから、効率を最優先する現在では、
分業と協業が一般化しており、熟練労働者の価値が
相対的に低下した。
が、そうならなかった分野がいくつか存在し、
それが、漫画家や、芸術家や、記者やらのモノ書きって職種である。
これらの技能は、機械化できなかった。今までは。
そのため、工場制手工業的な部分を今も色濃く残しており
どの職種にも熟練労働者に頼っていた。
これをぶち壊す未来を描いたのが、
EPIC2014(日本語訳はこちら)であり、そこでは、ロボットが勝手に個々人向けに
編集されたニュースを書くという未来が描かれている。
これは、メディア、とくにニュース分野が、
産業革命が、かつての製造業を襲ったような波にのまれ
情報の機械制大工業が現出する、
といった事を描いたジョークムービーと
いっていいんだけども、
それはつまり、労働者の全面性・創造性の喪失であり
機械に労働が隷属せられ、モノ書きに熟練が必要とされなくなり
モノ書きにおける未熟練・非熟練労働者が主体の経済が誕生するといった
未来の予告でもある。
現在のブログを見回すと、そういうのが垣間見れる。
モノ書きの分野に、プロではない人達が大量に進出している。
情報を誰でも全世界に向けて0円で発信できるようになったタメに
そういった状況が現出した。
そして、同じく、プロでない編集者によって
グーグルの検索、はてなブックマーク、はてなRSSなどが
使われて編集が行われている。
これも0円で。
記事書きと編集が、ウェブ上で、全て0円で行われているのである。
それも、信じられないほどに大規模な形で。
ネットとパソコンが、創り上げたこの状況は
まさに、情報が機械制大工業化されている過程に
僕には見えて、なにもかもが変わっていく様相を
まざまざと見せられている気がするんだけども。
しかも、今の子供達は、最初からブログやらネットやらを
与えられて育つ。
つまり、生まれてきた時から情報を書き、世界にむかって発信しながら
育っていくわけであり、成長の過程で、こういった技術に熟練していく。
かつては、記者にならないと、なかなか、そういった技術を
磨くのは難しかったんだろうけど、この分野に限っては
彼らは、生まれた時から訓練されていく。
つまり、記事を書いたり、編集したりする技術が
人間の成長過程に取り込まれていっているのである。
この技術は、そう遠くない未来、一般化し、
熟練労働者、つまり記者だとか編集者の価値は薄れてしまう。
そうなると、記者の仕事で熟練が必要な技術なんては、
ほんとに、情報探しのみに特化されていってしまう。
彼らの仕事は、情報ネットワークにおいて、
ほんと、一部分のみに限定されてしまうことになる。
つまり、部分労働者と化してしまうんである。
さて、ここで、漫画は、どうかって話になるんだけど。
漫画には、熟練が必要な技術が大まかに分けて5つあった。
一 ストーリーの創造技術
二 キャラクターの創造技術
三 絵画の技術
四 ペン入れ
五 トーンなどの周辺技術
この5つの才能に熟練しないといけないために
漫画家というのは、結構しんどかった。
だが、これらのうち、ペン入れとトーンなどの周辺技術は
すでに、機械化できている。
コンピューターで、熟練がある程度いるが、それでも
手作業の時ほどは熟練を必要とせずに出来てしまうんである。
だが、一方で、1〜3の技術は、まだ機械化できてない。
そのおかげで、まだ安心できているのだけれど。
EPIC2014が予言したようなAIができるかどうかは
わからないけれど、自分の分野にも少しずつ
機械化の波が来ているのは間違いないと思っている。
やがて、漫画書きに熟練が必要とされなくなり
だれでも簡単に漫画がかける日がくるのだろうか
と思うことがある。
実は、方法はすでにある。
いくつか、あるんである。簡単にできちゃう方法が。
けど、まぁ、しゃべるのはやめておきます。
いつか、ベンチャーでもやるときの為に(笑