このブログの人気エントリを読みたい方はこちら
もう一つのブログはこちらです。

2005年06月19日

活字離れと電子図書館について

以前、うちのブログでも活字離れについて
扱ったんだけど、今回、隊長が

メディアシフトのなかで揺れる活字文化振興策

なんてエントリぶったてて、再販制度と「活字文化議員連盟」について
ぶった切ってる。

紙の販売やら、メディア関連については、人事でない、というか
モロにてめえの分野なので、ちょっと考えてしまった。

ふじすえさんが

活字文化議員連盟総会に参加

なんてエントリ立てて、参加を表明しているけれど
これまた、考えてしまう事である。

活字を読んでもらうというのは、大切な事である。
なんだかんだで、本というのは知識の源泉であり、
何かと役に立つ。これだけは間違いない。

今、丁度、日経の「私の履歴書」で現シダックス監督、野村克也さんが
連載しているけれど、野球人でありながら、何かにつまった時には
本に頼るそうな。また野村監督が、打撃開眼したのは
テッド・ウィリアムズの本を読んで、そこに書いてある事から
ヒントを得て、投手の癖、データを詳しく調べ始めたのが
あったからだそうな。

無論、マイクロソフトのように、

「知識は必要に応じて付ければ良い。
一番大切なのは、新しい知識をすばやく身に付け
それを応用して難しい問題を解決する知性だ」

という会社もあり、そういう方向性は全く間違っていないと思うが
知識という奴はピンきりであって、やはりいいものを
身に付けるべきであり、そういった意味で専門書とか図書館に
蓄えられた知識は大変重要だと思うわけである。

しかし、それは建前であって
本音にはどうしても金の問題が絡む。

gooが、アメリカの5つの大学にある図書館にある
すべての本を電子化しようとしているが
こいつに関しては、色んなところから批判が出ている。

その背後にあるのは、結局金の問題であったりする。

ネットによって、デジタル化できる情報は
全てネットで共有できる時代になってしまった。

なので、図書館の本であったり、大学の講義であったりは
すべて電子化してネットに流し、そして
どこからでもその情報にアクセスできるように
無線LANのようなサービスをガンガン進めていく事こそが
これからの時代に最もフィットしているスタイルであって
学校図書館の充実とかよりも
学校図書館にある全ての本を電子化して
どこからでもそれにアクセスできるようにするほうが
遥かに、笑ってしまうほど遥かに、国民レベルでの知の向上に
寄与すると思うのだが、出版業界としては
そんなことされたらたまったもんじゃないので
そうは問屋がおろさない状態であり、
なんだか文教族が背後に見え隠れする、「活字文化振興基本法(仮称)」
なんてものが生まれたようにも見えてしまうわけである。

隊長がモロにそこを指摘しているわけで
うちらにとっては、鋭い人ほど怖いものはない、という
事でアイターって感じなのであるわけだが。

僕自身、活字離れというか、本が読まれなくなってきたというのには
強い危機感を感じている。当たり前だけど
そっち関連で飯を食っているわけだから
自分の取り分は確保したいわけなのである。

そういったわけで、応援したい気持ち半分、
胡散臭さ半分で、こういった一連の動きを
眺めているわけなのだけれども。

本を読ませようという動きは
政府主導でやってもらうほうがいいし、それは
それで指示するのだけれど、それに伴なって
ネット上での知識の共有を阻害するような動きは
して欲しくないし、図書館関連の充実なんてのは
かなり胡散臭いし、コストがかかりすぎる。
そんな事よりも、本気で図書館の知識の完全デジタル化を
推し進めて欲しいと思っている。

もうそういう時代ではないのだから。

デジタル化できる情報は、全てネットで共有してしまったほうがいい。
我々のような出版に関わる人間にとって、
重要なのは、そういった流れの上で、
自分達の十分な取り分を確保することであり、
ネットによってもたらされた知識の共有を阻害することではない。

ネット上に大図書館を建設するほうが、
絶対に国民の知識レベル向上に役立つ。
コストもかさまないし、場所もとらない。
それでいいじゃないかと思うのだが。

何で、そういう方向で議論がすすまないのかな。
図書の借り出しとか管理とかが無くせるし
デジタル化するだけで大幅なコストダウンになるし
利用者にとってはいいこと尽くめなのに。
電子図書館によって、図書の利用を簡素化することで
活字離れなんて、かなりの部分で食い止められると思うんだけど。

大学の図書館を利用する身としては
全部、デジタル化してもらえれば、本当に助かるのになぁ
といつも思っている。著作権の問題から
難しいのだけれど、大局的にみれば、物凄く
国民の知的レベルの向上に役立つはずなのに
日本の大学はやる気配がない。

gooでもlivedoorでも、yahooでもいいから
日本の大学と提携して、図書のデジタル化を進めてくれませんかね?
超PVアップに寄与すると思うよ。

結局、著作権の問題に戻るけど、そこが問題なんだよねぇ。。


posted by pal at 01:03 | Comment(0) | TrackBack(1) | メディア このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

活字離れなんてウソです
Excerpt:  活字離れという言葉は、本が売れなくなったという意味で使われているのだと思います。  本が売れなくなったのは事実かもしれませんが、新しく出版されている本の数は減っていないどころかどんどん増えてい..
Weblog: 5号館のつぶやき
Tracked: 2005-06-20 01:16
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。