本を読んでみたので、日本の少子化問題への自分なりのまとめと見解。
日本の少子化のまとめ
1、晩婚化だけでなく、男女の未婚化が今の少子化に結びついているのは
専門家の間ではもはや常識だった。
2、大卒の男女、高学歴の男女ほど、未婚率、晩婚傾向が強いだけでなく
交際経験無し、恋人なし(過去有)の比率も高い。
驚いたのだが、大学卒で「交際経験無し」が13.8%と
学歴別の分け方をした統計ではぶっちぎりトップだった。
また恋人無し(過去有り)も21.7%でブッちぎりである。
婚姻率も37%でぶっちぎり最下位。
学歴の高い人間ほど「結婚していない、あるいは異性関係をもたない」
傾向がある。
3、女性の意識変化が起こっているが、1980年代のアメリカに
似ている。つまり、独身病といわれるほどに、結婚しない男女が増えている。
特に高学歴。
4、イメージの面でいうと、「家族」に対しては強い肯定的イメージを
もつ人が多いが、「結婚」にたいしては否定的イメージをもつ人が
増えている。「子供は欲しいが、子供の為だけに結婚するのは嫌だ」
という人が増えたといったところか。
結婚にまつわるリスクが嫌われている。
5、相変わらず、結婚していない男女に対しての風当たりは強い。
アメリカ、日本とも、これだけは変わらず。
6、女性が結婚するリスクが高い国ほど未婚率が高くなるのかもしれない。
つまり、結婚によってキャリアが損なわれる可能性があると
学歴の高い女性はリスクを嫌って結婚をためらう。
スウェーデンは、晩婚傾向があり、
婚外子が増えた割合はここ20年で10%程度に留まるが
出生率事態は、ここ20年、さほど変わっていない。
スピードプレミアムと呼ばれる育児休業制度のせいでスピーディに
二人の子供を産み、職場復帰を促す仕組みがあるからなようだ。
結婚や出産によって女性のキャリアが損なわれない仕組みを整えれば
日本でも未婚率は軽減できるかもしれない。
7、働く女性は子供を産まないという傾向はない。
専業主婦と職をもつ既婚女性の間にめだった子供の数の違いがない
これからの日本に必要だと思ったもの
1、働く女性(特に高学歴)の未婚率の高さは問題。
これの問題の根っことして、「結婚したらキャリアが台無し」という
奴があるとしか思えない。高学歴の女性が結婚しても
キャリアを安心して続けれるような仕組みを作らないと
未婚率の高さは、おそらく解消されない。
2 、未婚率を解決しても晩婚化が進み、子供を一人しか作らないのでは
意味がないので、スウェーデンのようなスピードプレミアム制度を
作り、スピーディに子供を二人作った上で職場復帰すると
優遇措置が取られるような仕組みを整えた方がいい。
3、 未婚率の高さの最大の問題は「離婚」というリスクだと思った。
つまり、日本では、離婚者への偏見がいまだ強い。
これは解消されなければいけない。
単純に思ったことだが、離婚をもっと簡単にした上で
離婚者への社会的偏見を和らげないといけない。
結婚してから、性格の不一致、DV、アルコールといった
問題が浮上することはままあることだし
離婚へのリスクの高さが未婚率の上昇を
押し上げている節があるので、離婚手続きを簡素化し
「結婚は失敗しても離婚してまた一からやりなおせる」くらいの
気持ちを日本人全員がもったほうがいいのかもしれない。
4、 離婚はさほど出生率には影響を与えていないので
「結婚したら家族に奉仕せねばならない」といった女性に
従属的地位を強いる従来型の結婚観よりも
「結婚して相手と合わなかったら離婚して又、新しい相手を探せばいい」
ってくらい離婚へのリスクを下げたほうが、晩婚化、未婚化傾向のある
日本としては、いいのかもしれない。
5、 スウェーデンやらアメリカの高い離婚率は
政策によって離婚へのリスクが減った結果、
従属的結婚観を女性が捨て去った結果なのかもしれない。
つまり、離婚率の高い社会ってのは、
女性が社会進出を進めた場合の「必然的帰結」であって
今までのような女性に対して「従属的」結婚を強制し、
離婚を社会的に許さない風潮こそが
むしろ、おかしかったのかもしれない。
そもそも、違う人間といっしょに暮らしてりゃ、
衝突することのが多いわけだし。
総評 政府の施策次第で、離婚率が40%くらいまで上がりそうなよかーん。
少子化対策=離婚率上昇になりそー。
だって、未婚化を食い止めようと思ったら、離婚のリスク軽減政策が
重要になりそうだしぃ。
なんだか、少子化対策は日本の家族制度事態をぶっ壊しそうな
感じで面白くなってきました。政府の施策を注意深く見守っていると
面白い発見があるかもしれません。
というか、ここ10年くらいの離婚率上昇は、
少子化に悩んだ政府が密かにおこなった
少子化対策の賜物だったりしてねw