メディア探求さんと社説は語るさんが
上手にまとめているので、蛇足にしかならないのだけれど
今日は書くことがないし、面白い議論がブログ界隈でないので
これに口をはさむことに。
談合を生むシステムを図にすると以下のようになる。

図だけではわかりにくいので、それぞれのノードを結ぶリンクに
ついてご説明。
政治家が、何故、官僚とリンクを結ぶかは、至って簡単。
政治家は、政策を進めるにあたって、
絶対に官僚との協力が必要なのだ。
霞ヶ関と対立して、政策を進めることができた政治家はいない。
対立でもしようものならば、推進する政策において
サボタージュの嵐が吹き荒れ、書類は、どこへともなく消え去り
何をいっても、官僚は聞かなくなる。
その為、政治家は、官僚とのネットワーク作りに余念がない。
では、どうやって、官僚の首根っこを抑えるかになる。
官僚という組織は、組織の性質上、途中で、ドロップアウト者が
大量に出るようになっている。あそこはあそこで
競争が激しいんである。
その為、官僚ってのは
ドロップアウトした際に、自分の再就職先を
あらかじめ、作っておく事に余念がない。
政治家の付け目はそこだ。
天下り先を官僚に提供してやる事で、
官僚の信任を取り付ける。
政治家ほど官僚の経歴に詳しい人達はいない。
経歴を調べ、ネットワークを解析し、自分についてきて
くれそうな奴を探す。官僚も、自分がドロップアウトした時に
いい所に天下りさせてくれる政治家を求めている。
ここに、強力なリンクが生まれる。
官僚と天下り先のリンクは、普段は断絶しているが、
政治家がハブとなることで、この二つを結びつける。
そうする事で、政治家は、自分の権力を形作る。
これが天下りリンクとなる。また、官僚OBと政治家のリンクもあるので
ここのネットワークはさらに複雑になる。
建設業界から政治家へのリンクは金だ。
政治には、良くも悪くも金がかかる。
こればっかりはどうしようもない。
文句つけても始まらない。
デモクラシーは現実的にはマネークラシーなのだ。
こういった形で、この三つにリンクが張られる。
どうしようもないトライアングルだ。
三者が三者とも三つのリンクを必要としている。
官僚には天下り先が必要で、政治家は政治資金と官僚が必要で、
建設業界には会社経営の為の金が必要なのだから。
そして、このトライアングルネットワークの副産物が
談合になる。お互いに結びついているのだから、
絶対に、これは起こる。
このトライアングルネットワークで、ハブとなるのは
政治家となる。ここが一番多くのリンクがあつまる場所だからだ。
建設業界や官僚を攻撃したところでネットワーク全体には
大した影響はない。
だから、談合を生むネットワークをぶち壊す為には
攻撃しなかればならないのはいわゆる族議員って奴なのだが、
議員と喧嘩するというのは、例えば、記者にとっては
かなり大変な事になる。
なんといっても、相手は権力者だ。
変な攻撃をしたら、逆にこっちがやられる。
それでも戦おうとする記者もいる。
だが、この手の記事は、需要がない。
笑ってしまうほどない。
それこそ、血の汗流して、情報集めて、
背中に銃を突きつけられても、それをかいくぐって
記事を書いても、記者へのリターンはほとんどない。
こういう記事にこそ、正当な対価が支払われるべき
なのだが。
読者は、芸能ニュースばかり
見ていて、調査報道なんてのには見向きもしない。
国家の財政をみると、もう将来的には年金はもらえないと
言っていい状態なのに。
国が借金で傾きかけていて、そんなもんに金を払う余裕なんて
なくなるのは、財政破綻寸前の国庫をみていればわかる。
なんだから、無駄な税金の使い道なんて減らす以外になくて
そこの闇をしっかり暴いてくれるのは、現状、記者以外にいない。
だが、この手のニュースは需要がない。
これじゃ、いくら記者が頑張っても報われない。
彼らだって、生きていくためには金がいる。
新聞会社としては、湯水のように金が出て行くのが
調査報道だってのに、その金がかかるニュースが売れない。
なんというか、記者の皆様の頑張りに対して、
リターンがなさすぎる。
これじゃ、仕事やる気なくしてもしょうがない。
記者の皆さん、申し訳ない。
一点。役所と建設業者を結ぶリンクも断絶どころかツーカーですよ。発注者と受注者の関係ですから。役所の土木課とかに行けばしょっちゅう作業服の業者が出入りして図面見ながら打ち合わせとか雑談とかしてます。ただこのリンクは水平な関係じゃなくて一方的な上下関係です。業者にしてみれば仕事をくれる役所は「お客さまは神様」で、全く頭上がらないそうです。
ただ役人も定年が近づくにつれ天下り先を血眼で探し始めるので、やっぱり税金を食い合う「共犯関係」にはちがいないですが。
自分の不勉強が身にしみました。
もっと色々と勉強しないと駄目ですね。
自分の視野が狭すぎたようです。