今回のイラクの人質事件ってのは、ちょっと今までのとは
毛色が違う。
ボランティアで行った人ではなく、
完全に仕事で行った人である。
今回のイラク戦争での特徴の一つとして
戦争にかなり多くの民間企業が入り込んでいるってのがあって
戦争において、戦うのは軍人だが、
その背後で補給やら郵便やらをするのは
ほとんどが民間から賄われていたりする。
こういうのは、以前は軍隊内部で行われていたんだが、
いかんせん、こいつは効率が悪い。
軍人ってのは戦うのが本職であって、
昔っから、補給やら通信、飯作りやらは、苦手である。
そういった非効率な部分を改善するために
そういった部門の多くは民間に委託するという方向が
鮮明になった戦争で、そっち関係の死者が、実は、相当数出ている。
今回、斎藤さんを派遣したイギリスの警備会社も
そういう会社であって、ようするに民間軍事会社、
手っ取り早くいうと傭兵派遣会社である。
なんというか、官がやると非効率な部分は外注って事で
こういう方向性をとっているのだが
なんともアレである。民間人が死んでいるわけだから。
で、まぁ、自分の国を振り返るとJRの今回の事故では
民営化、つまり、効率化によって引き起こされた部分が
少なからずあるんじゃねーかという議論が
いくつかあるわけで。
効率主義を前提としない官の商売の場合、
効率が最優先されず、赤字が垂れ流されるが
民に任せて商売の一部とした場合、効率主義が押し進められ
それの犠牲になる人々がいるってのは
資本主義(いわば効率至上主義)がもっている根本的な欠点である。
さらにもう一つ、資本主義の欠点であるのが
金という、ほとんど万能の引き換え券でも
交換できないってモノがあるという事で
そいつの代表格が命なんである。
であるから、効率化が進めらた場合におこる
こういった一連の事故であるとか
民間人の人質事件であるとかは
そういった二つの問題点を浮き彫りにするわけで。
斎藤さんに関しては、無事に帰ってきてくれることを
祈るしかできないし、JRの事故でなくなった方々には
冥福を祈ることくらいしかできないわけだけど
こういった効率化社会において、当然の帰結として
起こる、こういった現象が起こる割合をもうちょっとでいいから
抑えることはできないのかなぁ、などと思う次第なんである。
ある一定のところで、効率化には歯止めをかける
何らかのリミッターがこれから必要なんだろうな。