別にそれ自体は問題ないと思う。
使う側にとってはありがたい話。
ただ、問題は、製作側。
紙のメディアの未来について、思ったことを
いくつか書いてきたけど、ブロードバンド化社会ってのは
紙のメディアにとってはあまりありがたいものではない。
漫画を例にとると、ブロードバンド化した社会では
20年か30年後には、ネット上に何らかの形で
漫画が溢れ返るといわれている。
すでにネット上にはタダで読める漫画がそこいら中に
転がっているけれど、これは、どんどん増える。
別にそれ自体は問題ない。
問題は、ブロードバンド化した社会において
漫画ってエンタメが、非常に微妙な位置にいるって事。
ナローの時代である現在、
ネットは簡単に情報のやり取りができ、参入のための障壁が
低い文字の分野でのメディアを食い荒らしてる。
(文字による情報送信というのは、誰にでもできるため
ブログ、掲示板という形で大量の情報が垂れ流され始めている)
で、文字による情報発信では先が見えているって事で
いくつかのIT企業は、映像分野に触手を伸ばしてきている。
LDによるCX買収劇にしろ、他の分野での映像コンテンツの
奪い合いは、今、水面下で激しく行われていて
こいつは、単純に沢山のコンテンツを囲い込みをしたほうが勝つ。
ネットでは質ではなくて、とにかくコンテンツの量の勝負になる。
映像ブログの取り組みはいくつかの場所で始まっているけれど
アマ分野からの映像発信を抑えようという試みは
非常に理にかなっていると思う。
で、ブロードバンド化した社会においては
そういった動画全盛の時代となるわけで。
ネット上においての動画と漫画は競い合わなくちゃいけないのが
目に見えている。
そういった状況になった場合、漫画は、どれほどのパイを
維持できるんだろうかって話を、最近している。
紙による漫画雑誌というのは、この先、良い未来は残っていない。
紙の新聞や情報雑誌と同じで、らくだのようにコブを食って生き延びている
状態であとは、それがいつまで持つかって話になってしまうから。
だから、どうしてもネット上でどうやるかになる。
おそらく、将来的には、どこかのIT会社が50万くらいの
動画コンテンツをそろえて、無料で提供し始めるだろうと思う。
そうなった場合、漫画のような中途半端なエンタメに
勝ち目、商機はあるのだろうかとふと考える。
オンラインゲーム、無料ブロードバンド放送。
敵が強すぎて、恐ろしくなる。
真面目に、伸びしろのある分野に転職を考えたほうがいいのかな。
オンライン広告とか、そっち系の伸びしろのある所に。
てめえの今いる業界にはあんまりいい未来が見えてこないから。
ガ島さんが新聞界を脱出したのは、やっぱこういう理由からなんだろうか。
紙のメディア全体にとって、ネットって敵はあまりに強すぎる。
どうやっても勝ち目のない敵との戦いが不可避な場合は
ゲームを降りるか、刺し違える覚悟で爆弾背負って突っ込むかの
どちらかしかない。
どちらを選ぶべきだろーか。