「ネットは新聞を殺すのか」で読んだ
ハーバート大学ビジネススクールの
クラーク・ロバートソン教授のインタビューが
忘れられない。
「新聞社はやり方次第でニュースサイトの
収益率を大幅に改善できる。どうすれば儲けそこねるかという
こともね(笑い」
「このグラフをご覧下さい。このグラフを見せれば
新聞社の人なら誰でも震え上がるはずです」
上の統計グラフはコンピューター業界を調査した時の
グラフで、メインフレーム(大型コンピューター)と
ミニコンピューター(パソコンなど)の売上高の推移。
これは「ネットは新聞を殺すのか」の80Pに載っている
統計グラフでロバートソン教授によると新聞とインターネット
のように、秩序を破壊する技術に襲われた業界20を調査したが
その全てで、これと同じ現象が起こっているという。
つまり、秩序を破壊する技術に襲われた業界には
3段階があり、
1段階目 秩序を壊す技術を破壊する新勢力と旧勢力が
お互いに好影響を与え合って順調に成長する段階
2段階目 お互いの成長が止まる段階。
3段階目 旧勢力の売上を新勢力が侵食し始め
ある時期から旧勢力の売上が急激に落ち始める
これですね、てめえの分野においても
通じる話のようで、怖くなるんですよ。
エンタメの分野でも、TVゲームが新規参入者として
現れた時、相互にいい影響を与え合って
売りあげを伸ばしました。今でも、スクエアが親やってる
「ガンガン」なんて、いい感じでゲーム事業と影響を
与え合って、売上を伸ばしてます。
でも、こういうのはいずれ終る。
やがて、ゲーム分野に売上を侵食され始める。
それがいつだかはわからないけれど。
自分がオンラインゲームなんてやっているから
わかるんですが、漫画や小説、ドラマじゃ、あの面白さは出せない。
勝てない。
自分が参加できる形での映像型エンタメ。
その強さを漫画、小説、ドラマは持っていない。
今、日本のエンタメ業界が、どの段階にいるかは
わからないし、同じことが、エンタメ業界にも
起こるかどうかはわからない。
ただね、最悪の事態を想定しておけば、
最悪の事態でも楽しく感じられるものです。
だから、常にそういう事を想定しておいたほうがいいんでしょう。
まだ第一段階であることを望みます。
そうすれば、少なくとも、お互いに好影響を
与え合って売上を伸ばせるから。
ただ、あと20年のすれば、第三段階にいってしまうんでしょう。
同じことがおこれば、ですが。
自分はその時、中年になっていて
子供や家族がいるかもしれない。
そういう時に、黄昏の時代に突入するのは本当に痛い。
どうしようかなぁ。
そういや、このモデルが日本の新聞にも当てはまるかどうかは
知りませんが、まだ1段階目あたりなんでしょうね。
韓国の新聞は、もう3段階目あたりなのかな。
あそこ、絶望的な状況みたいだし。
あとエンタメも。
リネージュが650万のユーザーを抱えている世界。
あっちの漫画や小説なんて、やがて急激に売上を落とし始めるのは
時間の問題なんでしょうね。
20年なんていわず、10年程度で秩序破壊が進んだ
韓国のネット事情をみると、背筋が寒くなります。