>2 児童相談所への通報件数は、この10年間で15.4倍になっているが、
>近隣・知人による通報など社会の関心の高まりから来る
>「掘り起こし」の要素が大きいものと思われる。
ふむふむ。
>3 虐待を受けた子どもは、1,242人。都内の子ども1,000人に対し0.7人の割合。
>2歳から8歳の子どもが6割(子育てのあせりやとまどいなどが原因)。
アメリカの割合と比べるとかなり少ない値です。
アメリカでは子ども1000人に47人の割合で虐待が起こっています。
それとも、まだまだ通報の割合が低いせいでしょうか。
>虐待者の有業率)
>9 実父の有業率は約72%で、都全体の世帯より約14%低く、
>「経済的問題」が他の要因と複雑にからまり、
>虐待の主な要因の一つとなっている。
> 女性も有業率は都全体より低く、
>「女性の社会進出が虐待につながる」との見方には結びつかない。
ふむふむ。
>(指導・援助への反応)
>14 虐待した親で、児童相談所による親子関係の修復の指導に応じる者は約40%。
>指導に全く応じない者は約18%。
>児童相談所と関係機関との役割分担と連携による家庭への援助が必要。
希望のもてる統計です。指導に応じてくれる人の割合の高さは
特筆に値します。今後も、活動を積極的に行っていくべきですね。
○ 子ども側からの虐待につながる要因は、決定的なものは見当たらない。
「望まれずに出生」はそれほど高い値ではない。
虐待を受けた子どもの、虐待につながるような要因をみてみると、「特になし」の子どもが約4割であり、虐待につながるような被虐待児の決定的な要因は見当たりません。
何らかの特徴がある子どもは約36%で、非行、盗みなどの「問題行動」や、「知的発達の遅れ」、「親との分離体験」、「望まれずに出生」の順に多く見られます。これまで、「望まれずに出生」したケースは虐待につながりやすいとされてきましたが、この調査ではそれほど高い値を示していません。
ここは重要ですね。高い数値は示していませんが、虐待が起こるケースとして、
「問題行動」や、「知的発達の遅れ」、「親との分離体験」、「望まれずに出生」が36%という
高い数値を示していることは、
「生物的に問題のある子供に対して親は攻撃的な行動を取る」
という仮説を成り立たせ、ある種の児童虐待は、文化的、経済的要因というより
生物的要因があるという事を意味するとか言い出す人がでそうです。
児童虐待が社会的にある一定の割合で発現することが
不可避であるのは、間違いなく、社会的に児童虐待に対する専門機関が必要ですが
生物的欠陥をもつ子供は廃棄すべきであるなんて
考え方に結びつくので、危険すぎます。
そういう方向で議論が進まない事を祈ります。
○ 虐待者は、実母が約59%、実父が約24%と実父母が多い。
虐待を行った者は、実母が約59%と最も多く、次いで実父の約24%となっており、実父母の虐待は全体の8割強と、ほとんどを占めています。
年代的には、実母の場合は20歳代と30歳代で約8割を占めており、30歳代と40 歳代が多い実父に比べて若い年齢層が多くなっています。
女性のが多いのか・・・・・
まだまだ、男社会な日本では当然かもしれません。
子育てするのは女性がほとんどなわけですしね。
逆に、女性が子育てをするのがほとんどな日本においても、実父が24%の
割合で虐待を行っているというのは、恐ろしい数値なのかもしれません。
自分も気をつけないと。
○ 虐待を行っても、それを認めない者が多い。
虐待を行っても、それを認めない者の方が多くなっています。実母よりは実父の方が認めない割合が高くなっています。
また、母の内縁の夫では、認めるものが約11%であるのに対して、認めないものは5割以上います。
アメリカでもそうです。
厄介な人間心理。。。。アメリカで虐待を行っている人間に
他人の虐待のビデオを見せたところ、80%以上の人間が
「酷い」と答えたそうです。
一方で、自分が虐待しても、それを悪いとは思わない人が多い。
虐待をする際には、ある心理メカニズムがあり、
「自分は悪くなく、子供が悪い」という方向で
自己正当化がおこなわれます。
うーむ。。
○ 父親による虐待は母親より重症のものが多い。
父親による虐待の場合は、母親によるものよりも重症のものが多くなっています。
また、母親による虐待の場合は、継続的な傾向が高く、父親によるものは散発的な傾向があります。
アメリカじゃ、フライパンで焼かれた赤ん坊の話なんてものが
ありましたが。。。。やっぱ、男は自分がもつ危険性について
認識するべきなんですね。
○ 生育歴で決定的な要因は見当たらない。被虐待体験のある者は約1割。。
虐待者の生育歴については、「特になし」と「不明」で全体の約7割を占め、生育歴として決定的な要因は見当たりません。明らかなものの中では「ひとり親家庭」が10.0%、「被虐待体験」が9.1%、「両親不和」が7.6%となっています
うーん、これはちょっと補足が必要かも。
数理学的にいうと10%ってのはでかい数値です。
「ひとり親家庭」が10.0%、「被虐待体験」が9.1%、「両親不和」が7.6%という数値は誤差では
ありません。こういう家庭に育った親は、
自分が虐待をしてしまう可能性が他のケースに比べて高いって
事を認識して、なんらかの対策をねったほうが安全って事でしょうか。
ただ、こういう統計って偏見に結びつくからなぁ。。。。
◇ 親子の間のあたりまえの関係を結びつづけるために
虐待の増加を、親の養育機能の低下に帰する議論もありますが、むしろ社会全般の養育水準が向上し、その分子育てへの社会的要求が高くなり、昔からあった虐待が強いコントラストを帯びてでてきたと考えられます。
親子が向き合い、葛藤していく中で子どもも親も成長していくという子育て本来のあたりまえの関係を結びつづけることが重要です。
あたり前のことをきちんとやっていく。それが一番なんですな。
とても参考になりました。
私なりにもう少し考えてみます。
自分が虐待をしてしまう可能性が他のケースに比べて高いって
事を認識して、なんらかの対策をねったほうが安全って事でしょうか
という結論を出すためには、非虐待者の出生家庭のデータと突き合わせ、有意差があるかどうかを確認することがまず必要です。
そして、充分なボリュームのある研究であればあるほど有意差が表れないのも現状です。
また、かりに有意差があったとしても「虐待者は欠損家庭その他の出身であることが多かった」のと、「欠損家庭に育ったものは虐待者になりやすい」のはまったく別の問題です。
そういったところをきちんと押さえていないから、
統計が偏見の根拠になってしまうのではないでしょうか。
考え方に結びつくので、危険すぎます。
こういう発想もあるんですねぇ。
母子保健の活動の中では、例えば子どもに障碍があると親の疲労や孤独感がupしがちなので、そこをサポートして虐待防止としています。
「子どもに問題がある」から「攻撃の対象」になる場合もあるかもしれませんが、
「子どもに問題がある」と、「親が疲れ、余裕がなくなる」ので、虐待してしまうケースのほうが数は多いかと思います。
非常に参考になりました。
ブログやっていると専門家の方からの意見も
伺えて、本当に助かります。
ちなみに児童虐待に近い話題なので
書いておきますが
昔、妹に喧嘩で鉄アレイを投げつけられた事が
あります。僕に怪我はありませんでしたが
偶然、鉄アレイが飛んだ先にあった
末の妹のゴリラの貯金箱が粉砕されました。
ゴリラの貯金箱には悪い事をしたと
思っています。
それと、幸いにも
鉄アレイに怪我はありませんでした。
ホント、いろんな方の意見が聞けて
私もすごい参考になります。
私はド素人な考え方ですが、
気持ちは皆さん一緒であり、
意見が多少違っても、
こうやって、皆で考え広げていくことが
とても肝心なんだと思います。
こういったことは
みんなで話をして知識を共有していくことが
大事ですよね。