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2005年04月03日

社会に必要とされなくなった存在のたどる変遷

R30サンとこで、丁度今、感じつつあるものに関係した話をしてたんで
便乗。

このエントリでちょっと書いた事だけど、
大学時代、教授に教えてもらった事がある。
それは

「必要とされなくなった階級、文化は、しばしば、自らを
正当化し、存続する為のイデオロギーを創りだす。
これは人類の歴史で幾度も起こった事なんだ。」

ってこと。

武士道、騎士道、中華思想のようなイデオロギーの中には
こういった過程を経て生み出されたものが沢山ある。

武士道も騎士道も、武士や騎士が必要とされなくなった時代に
彼らが自分達の存在を正当化し、存続するために生み出したものだった。

そして中華思想は、漢民族が異民族による支配に屈した時代に生み出されたもの。

これらに共通するのは、
イデオロギーによって強化される存在が
以前に比べて弱くなった時代に生み出され、当事者達が
「自分達が世界には必要で、強い存在だ」
って事を必死に叫ぶ点と
かつて強かった時代には、そんなイデオロギーを必要としていなかった点。

今、新聞や他の活字メディアが必死に自分達が世界には必要だって
狂ったように叫んでいる。
新聞は公共の利益やプロのジャーナリストによる取材の重要性を叫び
小説でも、漫画やTVよりも、自分達のほうが
より教養になり、ひいては社会の為になる、漫画やTVばっか
見てると馬鹿になる、みたいな事が主張されるのをよく見かける。

ブログ時評の団藤氏や、既存の新聞のいくつかが、
プロのジャーナリストの必要性を声高に叫ぶエントリを
いくつか上げているけれど、上記のような視点からみると
典型的な必要とされなくなった存在の延命戦略にしか見えなくなる。

そもそも、イデオロギー化ってのは、過去の例からみて
彼らのもつ力が、弱まってきている事の典型的な証拠なわけだし。

これは、かつて、何度もおこった事が、小説や新聞、芸術の分野に
起こっている事の証明にもなる。
彼らがやっていることは、泰平の時代に必要とされなくなった
武士がやっている事と同じだから。

R30さんのトコからの引用になるけど

>海外に行くと、国によってはジャーナリストというのをウジ虫以下の職業と
>思っているところが少なくない。少なくともジャーナリストは「知的な職業」ではないと
>思われている国は、決して少なくない。

って話や

R30さんトコのコメント欄で猫手企画さんが
>昔はブンヤ・物書き・芸術家は社会のゴミだとまで言われていましたが
>いつの間にやらすっかり偉くなったものです

って話を聞いていると、
ジャーナリストがゴミ扱いされていた時代というのは
要するに、彼らが強かった時代なんだと思う。

つまり、海外でジャーナリストがゴミだと思われている国や
昔のブンヤ、物書き、芸術家は、強く、単体でも生き延びる力があり
彼らが従事する産業が伸びていく余地があったから、
自分達の存在を強化したり、存続するためイデオロギーを作り出す必要が
なかったって事なんだと思う。

だから、ゴミ扱いされたり、社会的評価が低くても気にする必要はなかった。
大衆に必要とされていたから。

ところが、今の日本では、新聞や小説、芸術が不要になりつつある。
つまり、それらに変わるものが現れ、彼らを支持してくれていた
層が、新しいモノにどんどんと鞍替えしていっているって事。

そして、その新しいものってのが漫画、TV、ネットといった新興勢力。

面白いのは、これらの職業が今、社会的にゴミと思われていること。
かつてのブンヤ、物書き、芸術家のように。

TVや漫画は軽薄なメディアとして、
新聞や小説家から見下されている所があるし、ネットもしかり。
でも、いくら社会的な評価が低くても、彼らは自分達の
存在をイデオロギーによって強化する必要は無い。
だって、大衆は、結局、彼らを支持し、彼らに金を
払っているから。

そして、今、斜陽の時期にあるメディア、つまり新聞、小説、芸術家って
連中が、必死で自分達の存在を正当化し、生き延びる為に
イデオロギーを声高に叫んでいる。
彼らに金を払ってくれる人たちを必死でつなぎとめようとしている。

彼らは、武士や騎士のように、今の日本では、
社会的評価が比較的高い。
いつの時代から、新聞記者の地位がゴミから格上げされたのかは
知らないけれど、地位が高くなったその時点から新聞の力は
少しずつ失われ始めていたんだと思う。
ただ、今までは、それに気付いていなかっただけで。

で、崩壊の前兆が目に見える形で現れ始めて
やっと、自分達がおかれた立場に気付き、必死に延命しようと
しているわけだ。


新聞にしろ、小説にしろ、芸術家にしろ、
かつては、低俗なものと思われていたモノだった。
だが、それでも、大衆にとって必要とされ、
人口に膾炙し、沢山の人間から利益を上げれたので
生きていけた。

ところが、新しい勢力の登場によって、大衆に必要とされなくなった
結果、どうしても生き残るために、何らかの方法にうって出るほか
なくなってしまった。

だから、かつての武士や騎士などのように存続する為の
イデオロギーを声高に叫び、
彼らの立場を強化し、少しでも金を払ってくれる人たちを
つなぎとめようとしているんだと思う。

文化の中で、歌舞伎や落語なんて、ある時代においては
大衆文化だった。ところが、大衆の嗜好がTVや漫画などの
メディアに移った今では、伝統芸能なんてオブラートで包まないと
存続すらできない状況に陥っている。

こういう状況に陥った場合、新興勢力に対して、
既存の勢力ができる事は、かつての例を見る限り、
延命がせいぜいで、やがて殺されるのは
避けられない。

丁度、今、起こっている事は、

新興勢力の台頭

既存勢力の地位低下

既存勢力による抵抗と勢力確保のためのイデオロギー強化

既存勢力の延命期間。新興勢力の勢力拡大

既存勢力の死と新興勢力のイデオロギー化

の5段階の過程で、4段階目にあるんだろうかと思う。
ここまで来てしまったら、もうどうしようもない。
あとは、落ちるだけで、あがる事はもうないから。

5段階目まで来たら、
新聞や小説は、歌舞伎のように伝統文化的な
オブラートで包んで保護してやらないと生き延びれなくなる。
一部の人間にしか、嗜好されない存在に転落してしまう。

そういう時代が、もう目の前まで来てるのかもしれない。




posted by pal at 08:20 | Comment(2) | TrackBack(7) | メディア このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
こんばんわ。

3本まとめてトラバ打っちゃいました(^^;

本題と直接関係ないのもあるやもしれませんが、
ご迷惑でしたらお手数で恐縮ですが
削除お願いしますm(_ _)m

今後ともよろしくお願いします。
Posted by 松岡美樹 at 2005年04月04日 01:22
TBありがとうございます。

こちらからもTBさせていただきました。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
Posted by pal at 2005年04月05日 01:11
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