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2006年11月12日

いじめによる自殺とそれに対する対抗策

「『いじめられっ子』にならないためにしてきたこと体験談」大募集



中嶋さんが、「いじめられっ子」にならないようにしてきた事の話をしているので、便乗して自分としても書いておこうと思う。



で、なんだけど、いじめについては、単純化して、二つのケースがある。自分の経験から言わせてもらうと、片方は解決が、わりかし簡単なのだが、もう片方は、個人で解決するのは、非常に困難になる。


中嶋さんのブログのコメント欄などを読んでいると「やられたらやり返せ」的な意見がちらほらあるのだけれど、これは、自分の経験上からも言える。


けど、あらゆる状況で役にたつわけではないので、それについてちょっと。


で、なんだけど、「やられたらやり返す」事がいじめられない方法として役にたつのは、いじめっ子が一人ないし二人程度の場合になる。要するに、いじめてくる相手がある程度限定されていて、少数の場合。


これは、対処が簡単で、ゲーム理論の「しっぺ返し戦略」になるが、「やられたらやり返す」、「こちらからは手を出さない」、「相手が謝ってきたら許す」という風に対処すればよい。


自分の経験だと、小学校くらいまでは、これで何とかなった。


いじめっ子に標的にされたり、ちょっかいだされたら、相手に対して「遊びでいじめるには高くつく相手だ」と思わせることができれば、相手はちょっかい出してこなくなる。


だから、少数の相手からいじめを受けていような状況であれば、思い切ってやり返してしまえばいい。別に勝つ必要ない。「いじめて楽しむには高くつく相手だ」と思わせる程度に痛い目にあわせてやればいいのである。そのくらいだったら、死ぬ気でやれば何とかなる。



ただ、いじめっ子が一人か二人しかいない状態で、自殺してしまうような子は、少数だろう。



で、問題になるケース、つまり、いじめが自殺に繋がる多くのケースは、いじめが多数によって行なわれる場合だと思う。


これは、個人では対処がほとんど出来ない。


基本的に、喧嘩になったら相手が三人以上の場合には勝ち目が無いどころか何もできずにやられてしまう。前に述べた「しっぺ返し戦略」は、「やられたらやり返す」が重要で、それをすることによって、相手に「屈服させるには高くつく」と思わせることができればよいわけなのだけれど、相手が多数だと、それすら出来ない。


相手が5〜6人だったら、ほとんど、相手側に「やり返す」間もなく、一方的にやられてしまうからだ。この場合、「しっぺ返し戦略」は役に立たない。


また、多数によっていじめが行なわれるケースでは、「やり返す相手がわからない」事もある。例えば、クラス全員による「無視」だとか、全員からの「陰湿な嫌がらせ」だとかだ。これも、しっぺ返し戦略の基本である「やられたらやり返す」事が出来ないので、戦略の価値が失われる。


このケースは、いじめる側が「談合戦略」を取っている場合という風に捉えられる。


「談合戦略」は、仲間内では団結し、それ以外に対しては容赦なく裏切るというやり方で、閉じた世界では、しばしばこういったシステムがきずかれる。村八分も、この一種である。義務教育のような閉じた世界(出入りが限定されている場所)では、こういった関係が起こり易い。



そして、ゲーム理論では「談合戦略」は局地的な状況では「しっぺ返し戦略」に勝る。



経験から言わせてもらうと、中学あたりになると不良とかは、つるむようになるケースが多いし、いじめが多数によって行なわれるケースが多くなる。



これは悲惨な苛めに繋がる事多くて、「相手がやり返してこない(orやり返される心配がない)」事と、集団で行なうことによる群れ意識的なもの(みんながやるから俺もやるみたいな奴)が加わって、どんどん酷くなる。



いじめによって自殺をしてしまうような状況下におかれて少年少女は、そういった集団による苛めをうけているケースがほとんどだろう。


だから、苛めをうけて自殺を考えているような子に「しっぺ返し戦略」を取れというのは、無理で、あれは、相手が多数の場合には役に立たない。


では、相手が多数による苛めを行なっている場合には、どうすればいいかって話になるわけだけど、これが難しい。


基本的に、多数に対抗できるのは、多数だけで、他の集団に所属するか、自分もいじめ集団に入る、という事がまずあげられるわけだけど、いじめがクラス単位で行なわれている場合や、クラブ活動単位で行なわれている場合では、他の集団に所属するというのはまず無理だし、いじめっ子グループに入るというのは、もっと難しい。



そうなると、外部的な助けが必要になってきて、極端な話、転校させる、あるいはいじめ集団そのものを解体する(クラス単位で行なわれているなら、そのクラスそのものを分解してしまうとか)のが、合理的なやり方になるけれど、結局、どちらも難しい。



とにかく、集団によっていじめをうけている子がいた場合には、その子が個人手でどうにかできる事は、ほとんどない。これは、外部的な助けが必要になる。


無論、そうならないように、友達は大切にしなさい作りなさい、群からはぐれた羊は狙われます、という風に教えることはできるだろうけど、現在進行形で集団からいじめを受けている子は、周囲から助けがない限りは、ほとんどどうしようもないのが現状だと思う。



もし、「多数によるいじめ」を現在進行形でうけているのだったら、恥ずかしがることはないので、誰か強力な外部の強力者を仰ぐか、学校にいかないという選択肢も有りだ。いじめられる為に学校に行くなんて馬鹿げているし、勉強なんて便所でもできる。弾さんみたいに、高校出て無くても大検取れば大学にはいける。友達は、学校以外の場所でも作れる。自分をいじめる相手が沢山いて、それを助けてくれる人が誰もいない場所なら、自分から見捨ててしまってもいい。



とにかく、自殺を考えるまでのいじめを受けている場所である学校に無理やり通う必要はどこにもない。




「いじめられっ子にならないようにするため方法」というのは、人間関係の基本でもある、

「人を裏切らない」
「人を許す」
「やられたらやり返す」
「ちゃんとした友達を何人も作る」


をきちんとするという事だと僕は思っているけど、これは予防薬であって、特効薬というわけではない。


現在進行形で行なわれている集団でのいじめについては、強権発動させるか、学校にいかないで勉強するという選択肢しかないだろうと思っている。



posted by pal at 23:14 | Comment(1) | TrackBack(1) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
はじめまして。
ゲーム関係の話題、読み応えがあって面白くよませていただきました。

私はWiiもDSも発売日に買ったくらいのゲーム好きなもので。

で、この話題ですが、数あるイジメ関係の話題をいくつも読んできましたが、この記事が一番共感できました。

今、イジメで悩んでいる人たちにぜひ一読して欲しい内容でした。

最近、ニュースで取り上げられることが少なくなったイジメ問題ですが、ホント死ぬ前に学校に行かないようにして欲しいです。

私も2児の親ですが、将来子どもがそうなった時は学校なんか行かせません。

イジメの大別、この違いがとても分かりやすくて、本当に広く読んで欲しい記事だと思いました。

今後もちょくちょく読ませていただきます^^
Posted by Y+Y=M.H at 2007年01月09日 16:31
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Tracked: 2006-11-21 13:44
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