働いてみたいIT企業ランキング(1)
ITproで出ていました。
で、なんですが、ちょっと突っ込んでみようかと。
えーとですが、まず、ランキング1〜3位までは問題ないと思います。
マイクロソフト、野村総合研究所、日本IBMですね。ランキングトップのうち、二つが外資系というのもアレですが、マイクロソフトとIBMは財務的には問題ありません。
というか、マイクロソフトは財務的には最強臭い企業です。市場独占力をいかして儲け過ぎだなんて世界各国で嫌われちゃったりしてますし、株価はここ5年くらい緩やかに下がったりしてますが、財務面では文句無し超優良企業です。
IBMも、財務的には問題のない企業です。1993年、アメリカ企業史上最悪の50億ドルという大赤字だしたりしましたが、ガースナ―さんの下でリストラしたり、経営改革したりして、持ち直しています。
野村総合研究所も
http://www.nri.co.jp/ir/financial/pdf/0703tanshin_1Q.pdf
こちらで財務諸表みれます。今期、仕入債務が上昇したせいで、営業キャッシュフローがマイナスになってしまってますが、企業状態は悪くありません。
二位に値するほど、凄い企業か?といわれると、
(-公-、)うーん・・・・
まぁ、財務的にはいい企業の一つです。財務諸表じゃ、中まではわかりませんが給与も良いようなので、そこが人気なんでしょう。
IBMとは歴史や規模で比べ物になりませんが、まぁ、とにかくも。
で、四位以下、日本オラクル、NTTドコモ、NTTデータ、アップル、ヤフー、KDDI、インテルと続きます。
いずれも優良企業ですんで、特に問題ないのですが。
次。11位以下が問題。
11位のNEC。
これは、意味がわからない。
14位サン・マイクロシステムズ、18位東芝、23位の富士通も。
いやね、大企業ですから、明日には潰れるかも知れないし、給料もよくない中小企業なんかよりは確かにいいかもしれませんが、どれも、経営状態はよくないんですよ・・・・
えーとですね、何が不味いかというと、サンマイクロシステムズ、NEC、東芝、富士通は、ROA(総資産利益率)がここ3期くらい1%前後の企業です。
昨日のエントリで言いましたが、経営者が企業の総資本を使って、どれだけうまく利益を出しているか、この数字で、ある程度把握可能です。
計算式は
売上高利益率(利益/売上高)×総資本(総資産)回転率(売上高/総資本)×100(%)
となっています。ぶっちゃけ、純利益を総資本で割った数値です。
昨日もいいましたが、これが5%はないと、まともな企業とはいえません。
で、上記4つの企業は、ROA低すぎなんです。0.3〜1%程度ですから、話になりません。要するに、事業が上手くいってないんです。っつーか、うまいこと利益出てないんです。ROAが低いってことはね。
IT企業で、上手くいっているアップル、eBay、ヤフー、グーグル、インテル、マイクロソフト、IBMあたりは、8〜29%程度のROAですから、「勝ち組み」IT企業と呼ばれたいなら、せめて、5〜8%、欲をいうなら10%台は欲しいわけです。
それに、まぁ、上記の企業は、ここ三期くらい赤字だった事があったり、黒字でも売掛金がどかんと増えてみたり、あるいは棚卸資産がどかんと増えたりして、なんか怪しいなぁ・・・なんて見ていて思ってしまうこともあるわけですよ。
まぁ、何よりも黒字でも、資産の割にろくに利益出てないってのが痛いわけですけどね。
ROAって数字は、賃貸貸借表と損益計算書の重要な数値を使って出された数値でして、その式は、上記に表しましたが、売上高利益率*総資本回転率で算出されています。
で
売上高利益率=企業の収益性、
総資本回転率=企業の効率性
と解釈可能ですから、収益性と効率性を同時に示している数値なんです。
賃貸貸借表と損益計算書をみるのが面倒くさいという人は、対象企業のROAを3〜4期チェックするだけでも、その企業がどれだけ経営者によって健全に経営されているかを、おおまかに知ることが可能です。
ですから、エンジニアとして転職を考えておられるなら、その企業のROAくらいはチェックされておくとよろしいかと思います。
何がいいたいかと言いますと、過去3年くらいROAが5%を切ってしまっているような企業には転職はなさらないほうがよいと思います。健全な経営がされているとは、お世辞にもいえませんので・・・・
とはいったところで、松下、ソニー、東芝、NEC、富士通、楽天、日立とかROAのきなみ酷いんで、ROAで企業決めると、上記の企業全部ろくでなしになってしまうんですけどね・・・・
ROAだけが、企業評価の絶対的な指標ではありませんが、ただ、比較対照として覚えておくと便利な数値ですんで、参考になさるとよいかと。そういう事で。
あと、日本のヤフーは、そりゃROAが凄いんですが(利益だしまくってるし)、親のソフトバンク様のROAが酷いの一言ですんで、まぁ、なんとも・・・。
とにかく、最初の記事の11位以下が財務面でかなりカオス入ってる企業がありますので、そういう企業で働いてみたいってエンジニアさんは、どういう人なのか、ちょっと気になったり。
とにかく、イメージ先行で、
自分がどの立場で企業とかかわるかによって、よい企業・悪い企業というのは違うと思います。
例えば、顧客としてかかわる場合、よいものを安売りする企業が良いとなるわけですが、株主視点で見ると一概にそうとは言えません。
もちろん、ROAを見ることが悪いとは言いませんし、働いている企業の経営状況くらいは知っておくべきという意見には賛成ですが、短絡的に考えすぎるのはちょっとどうかと。
また、ROAを見るよりはROIC-WACCスプレッドの実績などを見るほうが、まだ経営者としてまっとうかどうかを見ることができる気がしますね。ま、これは細かな議論ですが。
儲かってる企業はそれなりに弱肉強食の職場である可能性は高いでしょうし、儲かってなくても牧歌的で仕事のしやすい職場もあるはずです。
働きやすさの指標には、他にもっと重要なものが
ある気がしますね。離職率とか。
ROAが出てくるのでしょう?
もっと技術力だとか、そういう話ならわかりますが。。。
それに短期の指標で図っている時点で、
企業の経済的な判断基準としても全く説得力がありません。
なんか話の内容からバランスシートのことのような気がするんですが、それならば「貸借対照表」だと思います。それとも賃貸対照表という私の知らないものがあるんでしょうか…。
s/賃貸対照表/賃貸貸借表/
でした。
希望企業を決めるなどという陳腐な議論を
してしまうのだろうか。
中堅ソフトハウスで下請け生活の長かった私は
大規模プロジェクトを経験したくてNECや富士通に
転職しようと試みて、今、「ろくでもない経営」
と本文で書かれている会社で働いていますが、
やはり働きやすさは段違いに良いですよ。
非常に不愉快な内容でした。のでAC。
MOが十分普及して、DVDが黎明を迎えようとしている頃(松下がPDとか出してました)に、完全独自規格の画像/データ記録用ディスクメディア&デバイスを発売してみたり。んで普及のための作業はなんも行わなかったり。どう考えても金をドブに捨てる行為です。
元は電電公社相手に仕事をしているだけで食っている会社でしたから、商売のノウハウの蓄積がないんですね。
私は自分が鬱病を患っているときに、それにまったく気づかずに辞めてしまったんですが(鬱病のサイトに行くと必ず「やってはいけないこと」と書いてある行為なんです、これ)、内部にいる人間にとっては、お金はそれほど貰えなくても、そう簡単にはつぶれないし、立ち位置を上手く得ると結構好き勝手なことができるので、技術屋としては居心地のいい会社だったと思ってます。
社員への待遇面では、中小なんてお話にならないところばかりです。今いる会社は環境は悪くないし仕事は面白いですが、休日出勤含めて残業代は全く出ないので、プロジェクトが佳境で相当働いた月などは時給計算すると1000円割ります。
おそらく労働基準監督署に訴えると、基本給ががくんと下がって残業代が出るようになり、トータルの待遇は悪化するでしょう。世の中そんなもんです。
つまり、ROAが1%未満って粉飾決算が疑わしいという意味なんだが・・・それでも入る?
ROAが良くても、働きたくない会社は挙がってますね(苦笑)。
しかし、会社の存続が、社員の働きやすさや雇用の継続と関係するかといえば「?」です。
薄給で儲けを出している会社もあるでしょう。
平均年収や平均年齢も確認しないと。
あと、知名度やブランドなど、数字で測りにくいものもありますね。
それは要するに、会社としての生存力というか、体力は、その会社が持っている「価値」によるわけで。そういったものを見ないと、被雇用者の視点にはならないのではないでしょうか。
ROAがとても低い日立は、現在はウェスチングハウスも持っていない数少ない原発設計・製造技術を持っているし、電機メーカー各社もこれまでの莫大な生産技術の蓄積がありますよ。
新しい製品を作るときの品質管理や、下請けへの信頼関係は、ベンチャー企業にあるんでしょうか。
これからそうしたものを築いていくつもりなのかもしれませんが、今は丸投げでしょう。
ソフトバンクなどは生産リソースの丸投げをしている以上、いつ会社そのものが売り払われるか分かりませんね。
私はそんな不安定なヤクザ商売のブラック企業で働きたくありません。