イラク戦争の大義である「大量破壊兵器」は結局見つからなかった。
大義は、意味を無くし、イラクでは自爆テロが横行し、
米兵の死者は1500人を超えてしまった。
今日も、開放されたイタリア人女性記者が米軍に誤射され
同行の情報局員が死んだ。
これだけ見れば、イラク戦争は失敗したかに見える。
だが、金の奪い合いという戦争の一面を見てみると
イラク戦争が失敗したとは言いがたい。
イラクはそもそも、世界第三位の産油国で
アメリカの狙いは、その石油な事は最初から明らかだった。
フランスが、国連で人道的立場から、イラク戦争に激しく抵抗した。
だが、その裏には石油利権にからむ金の問題があったのも確かだ。
フランスは、フセイン政権と石油と開発契約を結んでいた。
それが、あそこまで激しくアメリカと対立した要因の一つだった。
実際、戦争が終結するや、いなや、フランスは米主導の石油利権の
おこぼれに預かろうとアメリカに歩み寄り始めている。
経済戦争という意味でのイラク戦争は、アメリカの一人勝ちに
終ろうとしている。総選挙は成功に終った。
石油生産が軌道にのれば、外貨が大量にイラクに流れ込む。
そうすれば、イラク経済は劇的に好転する。
もし、石油生産をテロリストが邪魔しようとすれば
今度は、イラク国民が黙っていないはずだ。
自分の資産を破壊しようとする人間を許さないのは
万国共通なのだ。
そうなれば、テロリストの居場所は、もうどこにもなくなる。
そして、イラク国内には、投資すべき産業がない。
それゆえ、蓄積された外貨は、海外に投資される。
そして、その最大の投資先、やはりアメリカになる。
オイルマネー、そして石油利権。
この二つを獲得できたのはブッシュ大統領の功績だ。
彼は、人道的見地では悪魔だが、経済的見地では救世主ということになる。
僕が、厄介に思うのは、人殺しではあるが、金儲けが上手い大統領が
大衆受けしにくい事だ。まぁ、当たりまえっちゃ当たり前なのだが・・・・
資本主義世界では
金儲け目的の行為は、本来ならもっと、尊い行為として
捉えられるべきだと思う。
なのにアメリカですら、金儲けというのは
肯定的に受け取られていない。
やはり、人間というものの基本心理のせいなのだろうか。
人間は、自分より、強く、美しく、金のある人間を憎む。
(この人間心理については、また別の時に扱いたい)
日本では、金儲けしか頭にない人間と判断された人には、
大抵、一つの罰がつきまとう。
それは、孤独という名の罰だ。
ようするに、社会からつまはじきにされる事が少なくないのだ。
自分が金持ちになるのはいい事だが
他人が金持ちになるのは許せないという人間心理。
これは、いつも、人間社会にゆがみを生む元凶になっている。
これを克服する為に、様々な宗教、理念が生み出された。
だが、この人間心理を克服できるようになる日は、
おそらくこないだろう。
なぜなら、それは、人間が進化の過程で獲得してきた
心理的メカニズムであり、人間が人間であるために必要なものなのだ。
そして、この心理こそが、人を強くしてきたモノであるともいえるのである