page popularity と page quality
page popularity と page quality と randomness (PageRank 編)
コンピュータのおすすめ
ちょっとはてBのことで面白いと思ったことがあるんで、本日はそれについて。↑の議論の尻馬。
昨日から妙に調子がいいので、一気に書いてしまおう。カキフライのおかげかなー。
結論は、題名のとおりなんだけど、まぁ、それについて。
で、なんだけど、まず、株式市場の話になるんだけど、株式市場で銘柄を判断する方法には、単純化すると二つしかない。
クォリティトレードとポピュラリティトレードね。
で、それぞれで、投資法が違うんだけど、違いを述べておくと、
クォリティトレードとは、株本来の価値を見抜いて投資する人で市場の価格形成を安定化させる作用を及ぼす。
一方で、ポピュラリティトレードとは、いわゆるケインズの美人投票。株ってのは、他の誰かが買わない限りは、価格が上がらない。だから、誰が何を次に買うかを当てるトレード手法ね。単に、株の上げ下げに連動するデイトレーダーとかもいるけど。彼らは、市場に流動性を与え、価格形成をスムーズにする作用を及ぼす。
株については、実は、気まぐれ日記さんの「page popularity と page quality」における検索エンジンの奴と似ているんだけど、この二つが同時に投資家に行われている所に特徴がある。
株式市場では
1 個別銘柄、もしくは市場全体などが、非常に割安だとクォリティトレーダーが気付くと
2 株の価格が上がり始め、ポピュラリティトレーダーがそれに便乗して買いをいれては儲ける
3 すぐに、価格が適正価格まであがる
4 ただし、ポピュラリティトレーダーは、クォリティでなく、人気、トレンドの後追いをするので、価格は、割高になる
5 クォリティトレーダーは、株が割高になった時点で、株を売り払う。
6 クォリティトレーダーの売りをうけて株価が下がり始める。そうするとポピュラリティトレーダーの後追い売りで、株価が下がる。
7 適正価格で止まればいいが、止まらない場合、1に戻って、同じプロセスが繰り返されることになる。
となる。
市場には、どちらも必要で、クォリティトレーダーがいるから、割安の銘柄に買いが入って価格形成が適正ラインまで戻る。
一方で、ポピュラリティトレーダーがいるから、価格形成がスムーズになる。
そして、両者が儲けれるのは、片方のおかげだ。
クォリティトレーダーは、ポピュラリティトレーダーが後追いして割安株を買ってくれるから儲けれる可能性があるわけだし、ポピュラリティトレーダーは、クォリティトレーダーが割安株を見つけては、価格上昇トレンドを作ってくれるから儲けれる。
ひどく単純化した話だけど、株式市場のなかで、そういう形でプレーヤーがゲームをしているわけね。
株式市場がなんとか動けていて、それで機能している原因は、二つで、「価値を判断するトレーダー」と「トレンドを後追いするトレーダー」の二種類のゲームがうまく均衡するように出来ているからだ。
補足しておくけど、市場のトレーダーは、大抵、この二つのポジションを兼ねているわけで、どっちか片方のみってのはまずない。
で、ここではてなブックマークの話になるんだけど、はてBには
「popularityブックマーク」 と 「qualityブックマーク」
の二種類があると思う。
つまりだけど、
「popularityブックマーク」 みんながブックマークしているから、自分もブックマークしよう!!というトレンド追いのブックマーク。あるいは、話題を共有したいだけとか、部熊コメント残したいだけとか。
「qualityブックマーク」 自分にとって価値がある、あるいは他の人にお勧めしたいので行うブックマーク。
の二つね。
popularityブックマークは、なんとなく衆愚っぽくて嫌われる傾向があるみたいだけど、そういう人は、qualityブックマーカーなのかもしれない。
株式市場では、昔から「popularityトレード」と「qualityトレード」で、どっちが儲かるかって話が延々あるんだけど(パッシブ運用とアクティブ運用といいかえてもいい)、どっちもなきゃ困るんで不毛なんだけどね。
同じように、popularityブックマークが行われる事は、良い記事をすばやくホッテントリにする為、ホッテントリの編集をスムーズにする。ホッテントリに流動性を供給するという意味で、望ましい存在だ。
ただし、はてなにおける、ブックマークには、株式市場のような「売り」に相当するものがない。
popularityトレードが行き過ぎて、本来の株の価値より高い価格がついたら、そこでqualityトレーダーは、株を売り始める。
結果として、売りのトレンドが作られて、株価が適正価格前後までおちるという価格形成プロセスが起こるわけ。
ところが、はてBには、それがない。
いったん、popularityブックマークが起こりはじめたら、ほとんど、止めようが無い。本来の価値を超えてブックマークされても、それを止める装置がない。
株式市場のような「売り」がないからだ。
そういう意味で、トレードに「売り」と「買い」の二つがあるように、はてBには、「ブクマ」と「dis(例えば、ね)」が必要なのかもしれない。
どういうことかというと、「エントリの価値を超えてブクマされている」と感じたら、qualityブックマーカーが「評価されすぎ」「ホッテントリの順位下げなはれ」という形で機能する装置があると、上手くホッテントリが機能するんじゃないかと思われ。
diggとかだと、そういう機能がいくらかついているし、そうしたほうがいいのかもしんないと思ったわけです。
一種の情報の予測市場、情報の株式市場とSBMを捉えた場合は、ね。
株式市場が、「popularityトレード」と「qualityトレード」、買いと売りで成り立っている。
はてBも、「popularityブックマーク」と「qualityブックマーク」で成り立っているようだから、そこに「買い」と「売り」相当の何かをつけると上手くいくんじゃないかという、そういうお話。
ではおやすみなさい。