日産が変だ 生産、販売全てマイナス
こういうのがありました。
で、本日、神奈川新聞でも、日産の販売不振の記事が出ていて、それが県内の部品メーカーを直撃しているって話が一面にでていたのですが。
日産の販売不振は、百万台増販公約を達成した昨年10月から始まったようですね。まぁ、当然というか。
これね、日産がどういう形で業績を回復させてきたか、財務諸表を見ている人なら、すぐわかるはず。
結論からいいますと、販売金融です。
とうとうきたかという感じです。
企業は、売上を増やすために顧客に購入資金を貸し付けることがあります。これを販売金融と呼びます。
最近、色んな会社が使うようになっていますが、非常に有効なマーケティング手法です。お金が無い人にも自動車買ってもらえるようになりますからね。
さて、日産の財務諸表は、
http://www.nissan-global.com/JP/IR/LIBRARY/index.html
ここからみれるわけですが、平成12年度の財務諸表と平成13年度、昨年のをみてみるとですね。
まず、ゴーン会長が就任した後の平成13年、営業キャッシュフロー計算書とみると、販売金融債権が3890億円ほど増えているのがわかるわけです。
売上債権も1000億円ほど増えていますね。
このあたりから、すぐわかるわけですが、ゴーン会長と日産は12パーセントまで落ち込んだ国内自動車販売シェアを戻すために、かなり派手に販売金融を使っているということです。
また、去年、平成5年度の決算にある営業キャッシュフローをみますと、販売金融事業の、販売金融債権が8000億円ほど増えています。
おかげで、平成五年の営業キャッシュフローが落ち込みまくりなわけですね。
この去年の販売金融の増加を見た投資家さんとかは、「やばい」と思ったはずです。
販売金融は、自動車会社にとって極めて重要な戦略ツールなので、それを手放すことは出来ないし、実際、うまくやれば非常に儲かるので、それを使うことは問題ないのです。
ただ、去年、ゴーン会長の公約である「百万台増販」を達成するために、販売金融使って売上を伸ばしまくったわけですよ。多分、相当な無茶したんでしょう。じゃなきゃ、あそこまで販売金融がどかっと増えるわけがない。
ただ、こういう事をすると、しばらくの間はいいですけど、販売金融ってのは借金して顧客に車買ってもらっているのと同義なわけで、しばしば「製品供給過剰」を生み出してしまうんですよね。
場合によっては、売上を伸ばすことにこだわるあまり、債務を支払えないような顧客にまで、購入資金を貸してしまうことがあります。
もし、そこまでやっていたなら、公約達成の見返りに販売金融で供給を無理やり増やしたって事ですから、しばらく苦しい状況に日産は立たされると思います。
日産の業績ですが、販売金融使って「製品供給過剰」状態を生み出したしまったなら、それを消化するまで1年かそこらは、苦しい状況になるんじゃないかと思います。
下期に、新車を8車種投入するみたいですが、どうなるんでしょうね。苦しい状況は続くんじゃないかと僕は思っております。