池田先生と小倉弁護士のところで扱われていたので尻馬エントリ。
放送ゼネコン
双方向番組も文字情報もどうでも良いから、とにかく見たい番組を見られるようにしてくれ
こちらのエントリなどをご覧になってから、以下の本文をお読み頂けると助かります。
まず、なんですが、「非同期」ってなんぞや?という話になるんですが、それには「同期」という言葉の反語でして。
で、まぁ、こうなります↓
同期 Sync
周期やタイミング、内容を同一に揃えること。
非同期 Async
周期やタイミング、内容を同一に揃えることなく、任意のタイミングでやりとりをすること。
となります。
これだけだと、わかりにくいので、例を出しますが、
同期型メディア、ゲーム
会話、固定電話、据置型ゲーム、TV、映画館でみる映画といった時間と場所に制限されるメディア、ゲーム。
非同期型メディア、ゲーム
書籍、新聞、インターネット、携帯型ゲーム、ビデオ、ケータイといった場所や時間に囚われることなく、いつでも好きな時、好きな場所で使えるメディア、ゲーム。
なお、現在流行っている「Ajax」は、「非同期メッセージ型ウェブ・アプリケーション」だそうです。
こちらは、中島さんのブログの記事でどうぞ。
で、何がいいたいかと言いますと、これまでのところ、コミュニケーションやメディア、それからゲーム、ネットといった技術は、同期型から非同期型へと移行していくのだという事です。
例えば、TVの話をしましょう。
映像に関しては、ユーザーが望むのは「大画面」「高画質」だった時代は随分昔に終わったわけです。
はっきし言って、もう十分綺麗で、これ以上綺麗な画像なんて差別化要因にならんのです。
TVの最大の欠点は、それが、「同期型メディア」だという点です。見たい番組があったら、その時間に合わせてTVの前にこないといけないわけですね。TV番組と自分を「同期」させないといけない。
これがものすごい苦痛なわけです。同期型のメディアは、「見たい奴は俺達が作った予定(TV番)にあわせて行動しろ」といってるも同然なんですよ。いわば、殿様商売。
ユーザーは小倉さんのいうように、「見たい時に見たい映像をみたいだけ」なんです。これが一番のニーズなんです。
ユーザーが一番我慢できないのは、現在のところ、TV番組表なんですよ。ユーザーの自由を制限する、TV番こそ、諸悪の根源なんです。
で、最近、HDDレコーダーとか、youtubeだとか色々と放送業界が「やばいやばい」と大騒ぎしている技術があるわけですが、あのですね、いくら騒いだところで無駄なんです。
なんでかというと、基本的に、人間は同期型のコミュニケーションから非同期型のコミュニケーションに流れるからです。
非同期型のコミュニケーションは、時間や場所に制約を受けないので、利便性が増すんですね。だから、支持されるんです。HDDレコーダーとか、youtubeがあそこまで支持される理由はそこにある。
時間・場所の制約を貸す同期型は、不便なんです。 (いいところも勿論ありますがー)
ゲームだってそうですが、携帯ゲームが据置より圧倒的に有利なのは、それが非同期型だという点です。時間、場所に束縛されないという点が圧倒的に有利なわけです。
だから、そういう意味では、最近、時間と場所を制約してくる同期型の据置型ゲームより非同期型の携帯ゲームのほうが市場規模として巨大になりはじめたのは、ある意味では当然だというわけなんです。
人間のコミュニケーションは音声による「同期コミュニケーション」から始まって、
音声(同期)
↓
文字、絵画(非同期)
↓
ラジオ(同期)
↓
レコード、CD(非同期)
↓
映画、TV(同期)
↓
ビデオ(非同期)
↓
初期IT技術(同期)
↓
Ajax(非同期)
ときているわけなんですね。
要するに、同期と非同期を繰り返しながら、最終的に非同期型の時間と場所に制約をうけない媒体となっていくわけです。
これは、不可逆的で、逆らってもしょうがありません。
だから、同期型を維持しようとする試みは、まず生き残れないとおもうんですよ。
これから、ネットを通じて、映像や画像、文字、ゲームなどの情報は、全て非同期な形へとなっていくでしょう。
歴史的にみて、インターフェースが非同期化すると、それ以前に比べて、ユーザー数がぐっと増えます。ですから、悪いことばかりじゃないんです。利便性がまして、多くの人に利用してもらえるようになる。
それは自然なことであり、ユーザーニーズにマッチしたものだと思うのです。だから、それに逆らうことは、決して出来はしないとNHKと在京キー様には申し上げておきます。
ようするに、コピーワンスだとかサーバー型放送だとか、JASRACによるネットへの音楽配信規制攻勢だとか、もう勘弁してくれってこった。絶対もう無理だから。
非同期化に逆らうのは無理。絶対無理。
だから、波に乗る方法を考えてください。お願いします。
最後にだけど、時間と場所にしばられてコミュニケーションやゲームが行えない場所には、潜在的なユーザーニーズがある。そこは、同期という不便があるからだ。
そういう場所に「非同期」な、つまり時間や場所にこだわらないシステムを持ち込むと、ユーザーニーズにマッチして、莫大な富となることがあるとだけいっておきます。
携帯電話、携帯ゲーム、文庫本、携帯型音楽機器。
すべて、非同期なそれを可能にしたからこそ、市場で受け入れらたものだと思う。
ちなみに、ワンセグに関しては、
「TVを外でみれるのは良いが、TV番に縛られる時点で50点」
とだけ言っておきマウス。
必要なのは
「好きな時好きな場所で好きな番組を視聴できる携帯機器」
だと思うんですよ。
本日はいじょ。
palさんはどうお考えですか?
>初期IT技術(同期)
>↓
>Ajax(非同期)
「ラジオとレコード」「映画とビデオ」「テレビ放送とHDD録画」という対比のなかにある、初期IT技術というのが何を示しているのかよく想像出来ませんでした。
ajaxとajax以前のステートレスなWebページを対比しているのかと思いましたが、古いWebであっても「同期メディア」には成らないと思いました。
もしそうだとすると、ajaxという流行の言葉を引き合いに出して無理に説得力を付けるのは蛇足かも?
(「初期IT技術」についての私の想像が誤解しているかしれませんが)