ちょいとこちらのエントリ読んで思うことを。
まぁ、高学歴女性の未婚率の上昇について、だらだらと。
晩婚化・未婚化の進展
未婚化・晩婚化については、こっちのレポートとデータを参照。
日本の未婚化・晩婚化は1980年代を境にはげしく上昇しはじめる。
晩婚化については、1980年ごろから、男女ともに高学歴志向になり、大学まで通う人数が増えたことで18〜24歳あたりの婚姻数の低下はある程度の説明ができる。
日本文化では、婚外子や、同棲、事実婚などは、あまり誉められたことではない。
このあたりは、文化差で、
前大統領と姻戚の38歳大富豪
ロシアの方では、
ロシア人は離婚歴があるのが普通だ。特に高学歴者ほど離婚率が高い。筆者は三年間ほどモスクワ国立大学哲学部で客員講師をつとめたが、二十歳前後で結婚し、大学の夫婦寮に住んでいる学生が二十人くらいのクラスで三、四人いた。しかし、そのような若いときの熱烈な恋愛が長続きするケースはあまりない。だいたい三、四年で離婚する。離婚したからといってバツイチというようなハンディはない。ロシア娘たちに言わせると「三十前までに一度も結婚したことがないと、身体に欠陥があるか、変わり者と思われ、その後、いい男と付き合うチャンスがなくなるので二、三カ月で別れることになっても妥協できるような男ととりあえず結婚するというのが文化だ」そうだ。
こういう国もある。
他の国の統計データを見ると
世界各国の離婚率
主要国離婚率推移
こちらで見れるが、旧共産圏で離婚率がバカ高い。
資本主義の盟主であるアメリカもだけど。
世界の離婚
こっちのページで、そのあたりの事情がわかるけど、
ロシアは
ロシア革命後にアレクサンドラ・コロンタイという女性革命家が家族制度や家庭を封建時代の産物とし、資本主義の罪悪として「家族消滅論」の中でマルクス主義的女性解放論をとなえて事実婚主義を生んだ事の影響が色濃く残っているからといわれています。
とか書いてあって、佐藤さんのコラムと温度差がある。
どっちも真実なんだと思うが、佐藤さんのコラムのほうの女性の考え方は、ロシアに特異なことではなく、他の幾つかの文化圏でも見られる。
女性と結婚する場合、男にとって自分の遺伝子を保存するためには、「相手が自分の子供を本当に産んでくれるかどうか」と「相手が子供を産める体かどうか」が問題になる。
そのため、処女の利点は、前者であり、他の男と性交していないなら、生まれた子供が自分の子供かどうか心配しなくてもいい。
後者の人妻だったり、未亡人であったりは、「相手が子供を産める」かどうか、すでに試されているという点で利点がある。
文化によって、どちらが人気がでるかは違っていて、結構面白い部分であったりする。
多分、マルクス主義的女性解放論が進展した結果として、ロシアでは男性も女性に対する考え方も変わったんだろう。
旧共産圏では、配給制度と医療・教育の無料制度などに支えられていたのと、マルクス主義的女性解放論の相乗効果で、女性の結婚への考え方、男性の女性への見方が変わったんじゃないかと思う。
ロシアも、1950年までは離婚がほとんどなかったが、社会主義政権の間、上がりまくった。
で、統計的な日本の話になるんだけど、日本の高学歴女性の未婚率が高いのは本当。
少子化と男女共同参画に関する専門調査会(第2回)議事要旨
こっちで簡単にまとめられているけど
学歴と出生率の関係については、男性は低学歴の方が、女性は高学歴の方が未婚率が高い。
こういう状況ね。
アメリカのほうは、離婚が簡単になった1970年以降、激増する。1970年台というと、女性の社会進出、解放運動が進み、女性の考え方自体が変わってきた時期だから、そちらも考慮する必要があるだろう。
昨今の男女の結婚意識については、
結婚の状況と結婚意識
こっちで見れる。
変容する家族と人間形成
あと、家族とか結婚についてのレポートとしてはこちら。
(
1)結婚観,離婚観について
男女別に見た結婚相手に希望する条件は,双方とも第1位が「性格が合う(75〜78%)」であるのに対し,第2位は男性から女性への希望として「家事ができる」であり,女性から男性へは「収入の安定」となっている。これを世代別,年代別に分けて見ると,男性は仕事,女性は家事という性別役割分業観は,50歳代以上の男性に多く,若い男性や女性に比較的少ないことがわかる。自分の親との同居を望むのは少数派であるが, 50歳代以上の男性に多く見られる。
色々あるが、日本では、男女双方とも、性格が合わないと結婚しにくい。学歴とかより、これが一番結婚できるかどうかの要因としてでかい。ついでに離婚原因で一番多いのも「性格の不一致」。
要するに、性格が悪いと男女ともに結婚できないというアレ。
ただ、二番目が男が「家事ができる」であるのに対し、女性が「収入の安定」となっている。男女の意識差が二番目には出る。他のレポートだと、男性のほうは「容姿」という、情けもへったくれもないのもあるけど。
性格が極悪でも、家事ができたり、収入があったり、容姿がよければ、選んでくれる相手もいるという事。
で次に面白いデータ見つけたんで紹介。
1970-90年における女子の未婚率上昇の要因分解
高学歴の女性はそうでない女性に比べて未婚率が高いのは確かなんだけど、要素別に分解していくと、「未婚率の上昇は、昨今、高学歴女性、低学歴女性を問わず進んでいる」という事をデータで指摘。
とりあえず、出したデータで総評すると、
「高学歴の女性は、そうでない女性に比べ未婚率が高い」
が、これは、日本の文化的側面(婚外子ダメ、事実婚ダメ、学生で結婚なんてトンでもない、離婚大変、シングルマザーへの世間の目が厳しい)も考慮しないといけない。
また、未婚率の上昇は、1990年以降、低学歴の女性の間でも上がっているので、不景気の影響がでかかったのではないかとは思う。
少子化対策などで、今後、女性の社会進出や、賃金格差が縮まり、女性の出産への援助が十分になってくると考えられる。
そうなると、多分、アメリカや旧共産圏で起こったような事、つまりは、「女性は子供を産むが、結婚・離婚を繰り返す」みたいな事が起こるかもしれない。(学歴問わず)
「結婚しなくても子供を産んでいい。育てれる」となると、女性の自由度が増すので、そうなるのは当然の成り行きなのかもしんないなっと本日は思いましたとさ。
そうなると、多分、男性の女性観も変わっていって、日本における「処女崇拝」の度合いも減っていくだろうとは思う。
となると・・・・・・・・・・20年後は人妻萌えの時代か?
やれやれだぜ。