萌え理論Blogのsirouto2さんが、ショート・ショート募集してたのだが、結構応募があって、小説書いてみたいって人は結構いるんだな、と思ったんで需要あるかなーと思い、本日はショート・ショートの書き方についての簡単なレクチャー。
ショート・ショートというのは、短編小説の中でも、特に短く、2〜3分で読めてオチのある小説といった所。
日本のショート・ショートで一番有名なのは、多分星新一。
分家ブログのほうで星新一のパクリで小説を作ったけど
http://d.hatena.ne.jp/pal-9999/20060629/p1
やっぱ、ショート・ショートだと星新一に僕はなってしまう。
基本的に、ショート・ショートは、奇抜なアイデアと意外な結末 の組み合わせで形作られることが多い。
そして、ショート・ショートは、そこからさらに二種類あって「オチを最大限に活かすことを目的として書かれた小説」と「リドルストーリー(「あえて結末を書かず、読者に判断を委ねる小説)」がある。
前者の場合、基本的に、オチを生かすために、不必要な心理描写や情景描写は徹底的に削るのが一般的。
後者は、読者に突きつけるリドルにあたる究極の選択を生かすために内容を整える必要がある。
前者の代表例としては、好きなジョークだけど
宇宙人がやってきた。
出迎えた多数の美人とひとしきり握手攻め。
美人の一人が訊いた。
「あなたの星でのセックスはどうやるの?」
宇宙人いわく
「いまやっていたのがそれです・・・。こんなにたくさんの女性と一度にしたのは初めてです」
疲れた宇宙人はとっとと帰っていった。
とかになる。落語とジョークなんかは、ショート・ショートに近い。というか、構成的にはいっしょ。
もう一つ、
3人の男がパブで話をしていた。2人は、自分がどんなに亭主関白かを自慢していたが、3人目の男は黙ったままだった。
しばらく自慢話が続いた後、1人が 3人目の方を向いて言った。「なあ、お前のところはどうなんだ?
亭主関白ぶりを聞かせてくれよ」
3人目が答える。「じゃ言うけどな、この前の晩、ウチの奴が床に両膝をついてオレの所に来たんだ。
おまけに手もついてね」
聞いてた2人が驚いて言う。「それで、どうなった?」
「あいつはこう言ったんだ。『ベッドの下から出てきて、男らしく戦ったらどうなの』」
三人の男がいって、亭主関白ぶりを自慢しているが、最後の男の奴がオチ。前ふりの良さが秀逸だと思う。落語やジョークはショート・ショートといっしょの構成なので、そこは勉強になる。
オチ有りの短編やショート・ショートを書く場合では、考えなければいけないのは、どうやって主人公を信じられない状況に陥れるか?ということ。
最終的に、「読者に主人公は馬鹿だと思わせるズレ」、「主人公はヒドイと思わせるズレ」、「恐ろしいと思わせるズレ」、「悲しいと思わせるズレ」、「情けないと思わせるズレ」などがよいオチになる。
後者の代表例としては、F・R・ストックトンの『女か虎か?』になる。
最終的に、極限条件での二択を迫って終わるケースが多く、その二択の判断を読者に委ねることからリドルストーリーと呼ばれる。
この二択は、絶対に逃げられない状況でどっちを選んでも地獄という選択肢を作れるかどうかにかかっている。
「女か虎か」が古典だけど、それ以前からよくある話法で、原点は高い塔に囚われたお姫様に悪の醜く年老いた魔法使いが突きつける二つの選択、「ワシと結婚するかワシに殺されるか」だと思う。
御伽噺なら、ここに騎士がやってきて、魔法使いをやっつけるのだが、リドルストーリーの場合は、これがなくて、究極の選択肢をつきつけたうえで、その判断を読者に委ねる。
ショート・ショートはこういった事を基本とした上で、10本くらいアイデアと結末、リドルを考えてみるといいと思う。
NGなのは、一つの傑作を作ろうとすること。一つだけ考えようとすると、大抵思いつかない。逆に、10本くらい作ろうとすると、とにかくアイデアを数だそうという感じで脳が働くので、意外に色々とアイデアがでてくる。
アイデアさえ出てしまえば、あとは何とかなる。
タグ:創作論
星新一、好きです。