キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!?
とか言ってる場合ではなく。バブル宣言ですよ、奥さん。
確かに「Web 2.0」の定義は相変わらず曖昧だ。しかしその定義を議論し続けるのではなく、数百、いや千以上のベンチャーを本当に作って競争・淘汰させ、その中から一つでもいいからグーグルみたいな突然変異を生み、「Web 2.0」という概念が本当は何だったのかを実証してみよう、そのプロセスに全体として一兆円くらい張ってもいいんじゃないか、という気分がシリコンバレー全体に出てきた。
シリコンバレー魂炸裂です。大きいのはいいことだというアメリカ魂を感じます。なんでこうなんでしょうか。web2.0という実験室に1兆円ですよ奥さん。ノリだけで一兆円。
「Google独占にはさせない」--国産検索エンジン開発へ、産学官が一致団結
日本は堅実に産官学一体で数十億円程度で頑張るようです。なんというか、アリと巨人の闘いって気がしますが、頑張ってみてください。
「バブルの功罪」のうちの「功」のはなし - Casual Thoughts about Any Phrase
昨日、はてBでみつけた記事なんですが、「インターネット・バブル」という本の書評です。ちょっと引用させて頂きますが
お金の話ももちろんだが、人の話も重要。投資家だけではなく、起業家もバブルの熱にあてられ、新しい産業が起きる時はその市場に沢山投入される。もちろん、投入された中で勝ち残るのは極々少数で、その少数が決まった後に後ろを振り向けば死屍累々という感じになるのは歴史的に見て明らかではあるが、それでもそこに参入するという常識はずれで有能な人間が市場に投入されることが、産業革命の大きなエンジンとなるというのが筆者の主張であり、同様にうなづける。
まぁ、そういう事なんですよね。どんな産業でも、走り出すには、大量の金・人が必要なんですが、その為の必要悪みたいなモンです。新たな産業が勃興する時のバブルって。
ただ、上記の記事の中でも述べられていますし、梅田さんも一つ前の記事で述べてますが
むろん株式投資は自己責任が原則だ。しかし一般投資家の多くが、「おいしいところ(ハイリターン)を株式公開前の関係者が先食いしていて、厳しいところ(ハイリスク)を一般投資家に押し付けている」構造になっていることを知らない。
制度設計側が是正すべき一般投資家のリスク過重より
基本的に、IPOで投資銀行やベンチャーキャピタルが大儲けできるから、ベンチャー企業に「失敗しても返さなくていいお金」(リスクマネー)が集るわけです。
この仕組みは忘れてないで下さい。
勿論、そういう会社にはお金が必要です。ですから、夢を買いたいという人は、個別に株を買うより、ファンドに出資するなどしたほうがいいでしょう。(ファンド選びについては、今度書こうとおもいます。)
シリコンバレーや日本でベンチャー企業がベンチャーキャピタルから資金調達して離陸できるようになったのは、IPOや買収によって、莫大な利益をベンチャーキャピタルや投資銀行が手にすることができるようになったからです。
ただ、IPOというのは、基本的にリスクのバトンタッチです。株式公開したばかりの企業は、多くの場合、大した売上、利益がありません。あるのは、「成長する可能性がある」という期待だけである場合が殆どです。そういう期待感をもつ人達に、夢のつまった宝くじ(新規公開された株)を買ってもらうわけです。
また、宝くじによっては、売上、利益が出ているように書かれている場合も、ありますが、それが見せかけだけであることもあります。
梅田さんが、記事の中で述べていますが、派手な買収などで売上や利益を伸ばすことは可能です。他にも色々とテクニックがありますが、売上と利益は、新規公開企業を評価する際には、あんまり役にたちません。(数字をお化粧したり、買収なんかで売上を大きくみせかけるテクが大流行なんで)
で、株を公開しているネット企業の財務を見るときの簡単なチェックポイントをあげておくので、以下を見てみてください。
・売上は伸びているか?
これは基本です。売上は市場占有率と関係してくるからです。ただ、先にも述べたように、買収などで売上が伸びているかのように見せかける企業もいますので注意を。
売上は損益計算書で見れます。
・負債が多すぎないか?
当たり前ですが、借金が多すぎる企業は危険です。
負債は賃借対照表で見れます。
・純利益は出ているか?
利益が出ていない企業に投資する人はいないと思うのですが、利益が出ているように見えても、やはり、利益の数字はお化粧可能なので注意してください。
純利益は、企業の損益計算書をみればわかります。
・純利益の質はいいか?
企業がお金を調達するには、「営業で稼ぐ」「投資で稼ぐ」「財テクする」の三つがあります。
一番いいのは、本業の儲けを再投資することで、力強く成長することです。
つまり、「営業で稼ぐ」企業ほど、利益の質がよい企業です。
一方で、「投資で稼ぐ」や「財テクする」は、株を売却して稼いだり、銀行からの借金でお金をやりくりする事です。こちらも、利益になることがあるのですが、利益の質としては、あまりよくありません。
自分が注目している企業や、投資している企業が、どういう形で売上を伸ばしているかには注意してください。「投資で稼ぐ」や「財テクする」なんかで売上を伸ばしていたり、利益を伸ばしているようにみせかけている場合は、注意が必要です。
勿論、ベンチャー企業の多くは、営業で金を沢山稼げないので、投資や財テクが多くなりがちなんで、そこは眼をつぶらないといけないのですが。
「営業で稼ぐ」「投資で稼ぐ」「財テクする」の三つをチェックするには財務諸表のキャッシュフロー計算書を見てください。
みっつの項目があり、
営業活動によるキャッシュフロー=本業で出ていったお金と入ってきたお金
投資活動によるキャッシュフロー=投資で出て行ったお金と入ってきたお金
財務活動によるキャッシュフロー=財務活動で出て行ったお金と入ってきたお金
と考えていただくとわかりやすいと思います。
損益計算書の純利益の数字と営業活動のキャッシュフローを比べてみて、あまりにかけ離れている場合には、利益の数字に注意が必要です。本業で稼いだ金でなく、投資や財テクなんかで稼いだお金を利益にしているという事になる可能性があるので、成長や利益がみせかけだけの可能性がでてきます。
で、梅田さんが言及しているドリコムの財務諸表になるんですが、まぁ、既にperが現時点で200倍以上という点で、割高を越えて、絶対達成不可能な成長期待を織り込んでいるのが見て取れるわけですが・・・・
それ以外にも、
二〇〇五年三月期の決算
売上高 二億三千八百五十三万円
経常利益 九千百六万円
当期純利益 五千四百四十万円
営業活動によるキャッシュ・フロー マイナス一千五百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー マイナス一千五百万円
財務活動によるキャッシュ・フロー プラス 八千百万円
ぱっとみですが、財務活動で純利益だしたって感じなわけで。
で、2006年になると
二〇〇六年三月期の決算(単位千円)
売上高 703,175
経常利益 225,324
当期純利益 124,617
営業活動によるキャッシュ・フロー 59,895
投資活動によるキャッシュ・フロー △ 115,868
財務活動によるキャッシュ・フロー 942,682
売上高は7億円に増え、純利益も一億二千万円まで増えてるのですが・・・
営業活動でのキャッシュフローは五千九百万円・・・・・
一方で、財務活動によるキャッシュフローが九億四千万円。
財務活動によるキャッシュフローには自社株売買が含まれますんで、去年新規公開した株の売買でほとんどの純利益を出したのではないかという・・・・
ドリコムには、頑張って欲しいのですが、財務諸表的には、とてもじゃないが褒められた内容じゃないんですね・・・・・
勿論、僕じゃわからない凄い何かがあって、みんな売買しているのかもしれませんが・・・・
それに、ネット企業の多くの財務諸表は、褒められる所が少ないんです。日本でネット列強なんていわれたSBや、楽天、LDのどれも、財務諸表的には褒められた会社ではないですし。
っつーか、ネット企業で、物凄い成長力と強い売上,純利益、営業キャッシュフローを持っている会社なんて、グーグルくらいなんですけど。
まぁ、そういうわけで、大した売上、利益、営業キャッシュフローのない会社にお金が集っている時点で、ある意味、日本も局所的ネットバブルなんですけど・・・・
ただ、潤沢な資金があつまって、激しい競争が起きるからこそ、そこで生き残った会社は、かつてないほど強力な存在となるわけで、ある意味、今は淘汰の期間なのかもしれません。だから、まぁ、ネット企業応援しているわけです。
今後10年間で9割以上は死ぬでしょうが、梅田さんがいうように、その中で、2〜3個、突然変異みたいな凄い会社が生まれてくれれば、それでいいやみたいな。
バブル(泡)から女神(アフロディーテ)は生まれたわけですが、今回も、アフロディーテが生まれてくれることを願いつつ終ります。