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2006年05月07日

The Web is the Next Platform

正直、題名の話は、ネットワークの最前線にいる人には、もう耳にタコができるくらい聞き飽きた話なんだろうけど、僕にはまだ新鮮な言葉なんで、考えたことなんかをまとめておこうと思う。


僕が、この言葉を知ったのは、


マイクロソフトが直面する10年越しの「悪夢のシナリオ」



というCNETの記事を読んでからだった。


「ウェブは、今日の興味深いソリューションを提供する技術の集合として存在しているが、今後数年で急速な成長を遂げ、MicrosoftのWindows と競合し、これを越える完全なプラットフォーム(原文には、この部分に強調目的で下線が引かれている)へと進化するだろう」(Slivkaのメモ)



記事に載せられているSlivkaの言葉には衝撃をうけたものだった。IT関連には無知に等しかったが、現実的に、そちらの方向にウェブが進んでいるのは、ネットの海を彷徨って感じていた。


ブラウザを開けば、ほとんどなんでも出来る世界。

究極の情報プラットフォームとしてのウェブ。"The Web is the Next Platform"という言葉は、まさにそれを端的に言い表していた。


この構想は、ネットスケープという企業が始めに提唱したそうだ。

それは中嶋さんのブログの以下のエントリにかかれている。


ユビキタス羊[1] まえがき
ユビキタス羊[2] 「端末は窓」の意味
ユビキタス羊[3] ソフトウェアはサービス


特に三番目のエントリ、「ソフトウェアはサービス」に詳しい。


すでに98年の時点で、明確な構想が現れていた。中嶋さんによれば、

「全てのアプリケーションをサーバー側からブラウザーを通して提供するウェブ・アプリケーションという構想が明確に書かれてあった。」


そうな。


98年前後の時期に、eBay、Amazon、Google、Salesforce.comといった既存ネットサービス列強が出現したのは偶然ではないと思う。彼らは、この時点から、将来のゲームの進展を見据え、新しいゲームをはじめていた。無論、始めた時期の時点で、全てを予期していたわけではないだろうけど、熾烈な競争の結果として、彼らはそういう選択をして、今の位置にいるように思う。


web2.0というゲームは多分、この時期にすでに始まっていた。


そして、最近になって、本格的に、"The Web is the Next Platform"という概念が既存のビジネスの中で頭角を現し、その脅威を既存企業に及ぼしはじめた事から叫ばれ始めたのだとも思う。



ただ、ゲームを始めた連中は、すでに98年前後から突っ走っていたのであり、そういう意味で、すでにこのゲームは、参入時期を過ぎていると思うこともある。


"The Web is the Next Platform"という概念は、最近、Salesforce.comの事を知って、更に現実のものなんだと思うようになった。ブラウザとメーラーを起動しさえすれば、ほぼ全ての企業業務、そのためのアプリケーション開発が可能になる世界。それをSalesforce.comは提供しようとしているように思える。


そんな世界になったら、webはウィンドウズを越える完全なプラットフォームとなる。Slivkaが10年前に予言した通り。


AppExchange(アップエクスチェンジ)はWeb3.0?



こちらの記事読んでいて思ったのだが、

「AppExchangeをWebアプリケーションのプラットフォームをして位置づけ、40万人のSalesforceユーザを支える基盤を開放しました。」



これは、正に"The Web is the Next Platform"という概念そのもの。



蒼と碧の幻想 Googleの恐怖



上記の記事で、現役のSEさんがグーグルとセールスフォースの恐怖に言及されおられるが、僕も同じような恐怖は持っている。


「数千万〜数億円かけて構築してきたシステムがタダ同然で実現出来る」



そういう世界をグーグルとセールスフォースは提供しようとしている。そして、その核となるのが、"The Web is the Next Platform"であり、そのための技術を、彼らは持っている。

強力なデータベースと帯域。そして、98年の時点から、すでにゲームを始め、つちかった経験と技術。


ブラウザを開けば、今まで数千万〜数億円かけて構築してきたシステムと同様のものが中小企業にも手に入ってしまう世界。


「Google--The Winner Takes All(And Not Just Search)」(Google--勝者は検索のみならずすべてを独占する)



結局、強力なデータベースと帯域をもつ企業グーグルや、セールスフォースはそこに向かって驀進している。


ウェブを次のプラットフォームとして、あらゆる分野にソリューションを安い値段で提供する次の時代のプラットフォーム企業になるために。


そして、その競争の勝者は、全てを独占する。


そのプラットフォームは、既存の分野、メディアから広告、そしてシステム開発に至るまで幅広く活用されるが、そのプラットフォームとなった企業は、今まで様々な所に落ちていたお金の大部分を手中にすることになるからだ。



Google--勝者は検索のみならずすべてを独占する




怖がる人が多いのも当然だと思う。
MSを上回るプラットフォームとして世界に君臨する企業がでる可能性がある。そんな風に今日、ふと思った。


その世界がいいものか悪いものかは、あと10年もすればわかるだろう。


posted by pal at 00:57 | Comment(3) | TrackBack(2) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
Javaアプレットってのが昔ありましたな〜
Posted by おぞん at 2006年05月07日 11:05
はじめまして。いつも興味深く拝読させて頂いています。

私のブログがリンクされてて驚きおののきました。ありがとうございます。

ちょっと大げさな感じに書いてはいますが、数年のスパンで考えるとわりと現実的な話しだと思っています。

ではでは。
Posted by Dora at 2006年05月07日 19:09
はじめまして。ふくちゃんと申します。

記事の内容について、興味深く読ませていただきました。WEB2.0というゲームの原点を知る事ができました。

勝者は全てを独占する。。。恐いですね。本当に

今、WEBで変わる未来について考える時が来ていると感じています。
WEB進化により変わりつつある時代を感じ、みんなで未来を予想したり創りだそうというブログを作りました。

是非、一緒にWEBが変えていく未来について思いを馳せて、一緒に未来の先駆者になりましょう。
一度遊びにきて、ご意見などいただけると幸いです。相互リンクしていただけるともっと嬉しいです。(まあ、これは気に入っていただけばという事で、お読み流しください^^;)

よろしくお願いします。
Posted by ふくちゃん at 2006年05月07日 23:08
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