danさんとこ経由。
hotwiredでも連載してた佐々木さんが本出すらしい。
内容は読んでないんだけど、danさんが言っているように本を売る際に、
これが販売戦略ともなると、さらに文春新書編集部はいただけない。冒頭に述べた、本書の奥付の第一刷発行日は2006年4月20日。通常その1ヶ月前には販売準備完了となっているのが通例なのに、4月12日現在でもAmazonをはじめとするオンライン書店にいまだに掲載がないというのは、昨今ではかなり痛いポカである。対して「ウェブ進化論」は梅田氏のblogでも販売前からかなり宣伝しており、順調なスタートダッシュを切る事ができた。本書はその遅れを挽回できるだろうか?人ごとながら少し心配である。
これは致命的。
何でかってーと、最近みたいに、新書が増えている状況では
本を棚においてもらえる期間は、すごく短い。
売れない本は、すぐ突っ返される。
だから、新書とかで本を出したら、3ヶ月の間が勝負で、その間に
売って売って売りまくらないといけない。
その間しか、本屋の棚でいい場所はとれないからだ。
あとは、隅の人目につかない場所に追いやられるか返品されるだけ。
だから、事前の広告やマーケティングは非常に重要で、
発売時期もものすごく大事になる。
書き上げたら、できるだけ、長い宣伝期間をとって
よく発売時期を吟味し、発売と同時に売り上げを
最大化できる仕組みを整えないと間に合わない。
発売してから、広告するなんて、ちんたら手法では
売れなくて、すぐ棚の端っこに追いやられるか
返品されるのがオチ。
棚において置いてもらえる期間が短い、今の書店では
とにかく、短期間で一気に売り抜けないといけない。
本の内容はともなく、マーケ的には、完全な「ウェブ進化論」の勝利。
事前から、本を出すことを、はてなという巨大コミュニティの前で
宣言していたし、出す前に、アルファブロガーなどを集めて
ネット上の情報ハブにダイレクトに書評をあげてもらっていた。
ブログでは、情報のハブとなる、アルファブロガーが
記事を扱うかどうかで、その話題がコミュニティ全体に広がるかどうかが
決まるといっても過言ではない。そのくらい、彼らのもつ力は大きい。
ウェブ進化論では、R30さんの書評が実に優れていたと思うが
梅田さんは、そのあたり、非常にうまくやったと思う。
アルファブロガーとの個人的なつながりや、自分のブログの影響力、
はてなコミュニティ、ブックマークなどをフルに利用していた。
その意味では、web2.0的だったと言ってもいいかもしれない。
売り方が、非常に優れていた。
棚をとれる期間が短い今の書籍流通システムの中で
短期間で一気に売り抜けるために、広告に十分な時間を割いていた。
本を出す時期も読みきっていた。
グーグルへの興味がわき上がっていた時期を抑えたし、
広告の手法も、ネット上の情報ハブをきっちり抑えていたので
影響度の強いブロガーが次々に書評をあげるという連鎖が起こった。
大して、佐々木さんの方は、かなりの劣勢で、
出す時期事態は間違っていないが、
広告期間をまるで取れていないのがものすごく痛い。
発売と同時に広告ということになるのだろうが、
それでは、棚を取れる期間が限られている今の書籍流通の状況下では
広告による認知度が上がった頃には、棚からおろされているなんて
事になりかねない。
梅田さんが、先に本をだし、部数を伸ばしている事が
佐々木さんが急いで本を出さねばならず
広告期間を十分にとれない状況で本を出さねばならない状況に
追い込んでいるといえるかもしれない。
市場をしゃぶりつくされてしまう前に、というあせりだろう。
先手を打たれてしまった以上はしょうがないが、
やはり気の毒ではある。
だから、本がでたら、書評をあげようと思う。