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2006年04月10日

真・シンデレラ第二幕

第一幕→ http://blogpal.seesaa.net/article/16110033.html



昔々、あるところにシンデレラと結ばれる予定の王子様がいました。
王子様は悩みを抱えていました。
こんな悩みです。


王子様「また物語は振り出しからか。
なぁ、大臣、たまにはハーレム作って、酒を浴びるように飲んで
タバコも吸って、すき放題暮らしたい。」

大臣「王子、ですから、この話はシンデレラなのです。
容姿端麗、スポーツ万能、金持ちで名誉ある貴方が
何の役にも立たず、王子の名前を呼ぶくらいしか脳がない
シンデレラに突然惚れることで女性系読者の
適わぬ夢を満たしてあげる為の物語なのです。」

王子様「俺にも人権を!!」


大臣「そんなものはありません。
ヒーローは、ヒロインのためなら骨身を惜しまず、
無償でドラゴンと戦ったり、
魔女との知恵比べをしてヒロインを助けるものと決まっているのです。」

王子様「そんな馬鹿な話があるか!!
労働には報酬がなきゃ駄目だろ!
物語の世界には、労働基準法もないのか?
さもなくば労働条件の緩和を要求する!!
なんで、毎回、一人の女のためにドラゴンと戦わないといかんのだ!!」


大臣「私としても、もう何兆回も繰り返された
おきるはずのないロマンスに飽き飽きしているのですが、
世の女性というやつは、奇妙なもので、
お涙頂戴の、ヒロインとヒーローが最後に決まって
結ばれるタイプのパターン化された、くだらない
メロドラマや月9を見て喜ぶ傾向があるのです。
飽きもせず。

世界の女性に必要なのは、王子様でなく精神科だと
思いますが、コンセンサスは未だに取れておりません。
もっとも物分りのいい女性なんて天然記念物級ですからな。

もはや精神医療の発達に望みを託すしかありませんな。
それまでは、貴方はこき使われた挙句、どうでもいいような女と
結婚するしかないのです。」


王子様「・・・・はぁ・・・・それまでは俺は永遠に
何のとりえもない平凡な女と結婚し続けるしかないのか」

大臣「そこまで嫌ならここをたずねてみてはいかがですか?」


といって、大臣は、ひとつの名詞を王子様に差し出しました。


王子様「主役救済組合?何これ?」

大臣「最近、結成された、ヒーロー・ヒロインの労働組合のようです。
物語の都合で、いつも少数で強大な悪に挑まされたり、
絶世の美貌やハーレムを作れるだけの地位・名誉。・ルックスを
持っているにもかかわらず、平凡な男、あるいは女と
結婚せざるを得ない状況に追い込まれがちな
可哀想なヒーロー・ヒロインの労働条件の改善を目指しているとか」


王子様「おお、それこそ、まさに俺が求めるものだ。
早速、たずねてみよう!!」


ヒーロー救済組合にて。


組合会長「ようこそ、王子様、主役救済組合へ。さて、どちらの
物語の王子様でしょうか?」

王子様「シンデレラの王子様です。」

組合会長「なるほど。それは悲惨ですね。ありとあらゆる意味で
完璧な男が、貧乏で取り柄のない
究極のサゲマン女と結婚させられる羽目に
なるわけですからね。」

王子様「なんとかならないかな?」

組合会長「王子様にぴったりの物語コンサルタントをご紹介します。
102号室へお行きください」


102号室にて


しずかちゃん「ようこそ、シンデレラの王子様。主役救済組合のコンサルタント、源しずかと申します」

王子様「ああ、ドラえもんのしずかちゃんじゃないか!」

しずかちゃん「ええと、ご用件をまず、伺いましょう」

王子様「いやね、シンデレラから逃れる方法を
探しているんだけど。」

しずかちゃん「今、望まぬ相手との結婚を迫られているわけですね?」

王子様「うん。いい加減、もうあの女とは結婚したくない。
うんざりなんだ。それに、ハーレムも作りたい。」

しずかちゃん「お気持ち、痛いほどわかります」

王子様「おお、わかってくれるの?」

しずかちゃん「私も、『ドラえもん』ではひどい目に逢いましたから・・・
事あるごとに、読者サービスという名目で読者の前で裸に剥かれては
風呂をのび太の野郎に覗かれてました。

しまいには、未来からやってきた
糞ネコロボットによって、運命を変えられて、
ハンサムの秀才と結婚するはずが、眼鏡で点目で、
ブサの落ちこぼれの男と結婚する羽目になったんです。」


王子様「逆シンデレラだ・・・・
ひどすぎる・・・・・読者は誰も味方してくれなかったの?」


しずかちゃん「私の身の上に同情してくださるなんて優しいんですね・・
漫画の読者は、私には誰ひとり同情してくれませんでした・・・・
読者は、私が落ちこぼれで、
やることなすこと裏目に出る社会のクズと
私が結婚することになるのをみて、大喜びなんですよ・・・
あの国は間違ってます。絶対おかしいですよ!!
特に、男性読者は全員基地外です。
男が全員美人と結婚できるわけないだろ!
程度をわきまえろ!
それに二次元の漫画キャラの裸みてハァハァいってる暇が
あったら、もう少しは生産的な事をしろといいたい!
心からいいたい!!資源の無駄だ!」

王子様「そうだよ!あの国の読者はおかしい。正しいのは俺たちだ!」

しずかちゃん「そもそも、私みたいな知的で美人で優しい女が
落ちこぼれのブサ男に惚れるわけがないんです!
何が悲しくて、のび太の野郎と結ばれなきゃいけないんですか!
もう一度、人生をやり直せるなら、私、どらえもんを壊します!
絶対、壊します!
というか、私をタイムマシンで過去に戻らせて
ドラえもんを壊させろ!!富士子!!!」

王子様「君は正しい!!全面的に正しい!!」

しずかちゃん「貴方は、私が必ず、救って差し上げます。
シンデレラと王子様が結婚するなんてあってはいけないんです。
シンデレラは、一生、継母と義姉にこき使われてのたれ死ねばいいんです!」

王子様「そうだ!!そのとおりだ!!」




第三幕につづく。




タグ:ネタ 小説
posted by pal at 17:01 | Comment(0) | TrackBack(1) | 小説 このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
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