名前はシンデレラ。
シンデレラは、幼い頃に母を亡くし、
継母と、義姉と暮らしていました。
継母と義姉は、毎日のように
シンデレラを苛めていました。
継母「どうせ物語の最後でシンデレラは
王子様と結婚して、あたし達はいい目なんて何も見れないんだから
今のうちにたくさん苛めておかないとね」
義姉「いいわよね、ヒロインは。
何もしなくても魔法使いと王子様に助けれて
玉の輿ですもんね」
シンデレラ「畜生、てめえら、覚えてろよ!!ヒロインはあたしなんだからなっ!」
継母「ほら、このゾーキン汁入りの味噌汁のめよ」
シンデレラ「飲めるかっ!」
義姉「いいから飲めよ、飲むもんと決まってるんだよ。
ヒロインは最初は苛められてないといけないんだから。」
シンデレラ「ぎゃー!!」
その頃、お城では、王子様と大臣が
近日開かれる舞踏会の打ち合わせをしていました。
王子様「舞踏会をやめたいのだが」
大臣「王子、それでは物語の都合上困ります」
王子様「だってさー、考えてもみてくれよ。
どうせ、お伽話なんだから、俺はさー、
舞踏会で、何のとりえもない、持参金もない女と
恋に落ちて、結婚する羽目になるんだろ?」
王子様「成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能、
金持ちで、人も羨む地位をもつ俺様が
なんで一人の女にしばられなきゃいけないんだよ?
ふつー、そういう男は、不特定多数の女と好きな時に
好きなだけセックスして一生を楽しむもんだろ?
なんで、一人の女に一生をささげなきゃいけないのよ?
納得いかね。」
大臣「まぁ、舞踏会で恋に落ちられれば
考え方がどうせ変わるんですからいいじゃないですか」
王子様「そもそも御伽噺の愛って何さ。
女なんていくらでも手に入れれる主人公たる俺様が
なんで、平凡でとりえのないヒロインに生涯をささげるって
ほとんど、タチの悪い呪いじゃね?」
大臣「確かに、東洋のことわざで『お医者様でも草津の湯でも
惚れた病は治せやせぬ』といいますしな。呪い、あるいは
一生ものの病気くらいとわりきってしまうのがよろしいかと。」
王子様「なぁ、舞踏会やめにしようよ」
大臣「無理です。世の女性達は、
美形で金持ちで、スポーツ万能な男性が突然やってきて
自分に惚れてくれる日を夢みているからです。
貴方は、彼女たちに捧げられた子羊です。
彼女達が目を覚まさない限りは
貴方は何のとりえもない平凡な女と結婚する運命なのです」
王子様「女ってタチわりーよな」
大臣「それでも、いないと世の中つまらないですからな。
おっぱいのない世の中など死んだも同然です」
王子様「それもそうか。仕方ない。いやだが舞踏会しよう」
次の日、お城から公布があり、
3日後、舞踏会が開かれる事が国民に知らされました。
当然、継母と義姉達は、舞踏会のための準備をします。
継母「ほら、さっさと準備しなさいよ」
義姉「でもさー、どうせ、王子様に惚れられるのは
シンデレラじゃーん。意味なくない?どうせならさ、
シンデレラを殺しちゃわない?そのほうが新しくない?」
義姉「少女漫画で、よくある、ヒロインの美人ライバルの役目が
アタシなんだけどさー、いい加減、ヒロインの引き立て役は
うんざりだよ。読者もそうでしょ。」
義姉「つーかさ、いい加減、世の中の女って目を覚ますべきよね。
男っては、胸がでかい美人以外何も望んでいないんだから。
王子様なんて来るはずないじゃん。少女漫画なんて
読んでる暇があったら、整形手術と豊乳手術受けるべきだって
国家で教育すべきよね」
義姉「そもそも、美形で金持ちで知的でスポーツ万能の男なんて
世の中にそうそういるかっての。この話って、少女に嘘の教育を
施しているのと同じだから、もう止めるべきだと思うんだ、アタシ」
継母「うっさいわね。恋愛資本主義のおかげで
恋愛の話とダイエット広告しかないクズみたいな雑誌とか
少女漫画とか化粧品業界とか服飾業界がもってるんだから
グズグズ言わずに支度なさいよ」
義姉「はーい。あたしらがいないと
いろんな人が失業しちゃうもんねー。
そのくせ、誰からも賞賛されないんだから、
損な役割よね」
義姉「というわけで、アタシがシンデレラを苛めても
読者のみんなは、同情してくれるよね
かわいそうなアタシ。
おい、シンデレラ、便所掃除終わったの?」
シンデレラ「今、終わったよ」
義姉「そう?まだ、ちょっと汚いよ」
シンデレラ「ちゃんとやったって!!
義姉「そう、じゃあ、舐めてみな。きれいなんだろ?」
シンデレラ「できるかっ!!」
義姉「うるせえっ!!お前は舐めることになってるんだよ!
ヒロインだからな!物語のラスト以外は、ヒロインは苛められるものと
きまってるんだよ!」
シンデレラ「うわ、やめろ!舐めれるわけないだろ!!ぎゃーーーーーーーーー」
そして舞踏会当日。
継母と義姉は、着飾ってお城の舞踏会に出発します。
継母「シンデレラ、じゃ、お前は留守番ね。」
シンデレラ「はいよ」
義姉「夜になったら、魔法使いがきて、
お前にかぼちゃの馬車と服装をくれるから
後で、それに乗って来いよ、遅れるなよ?」
シンデレラ「わかってるって。」
そしてお城では舞踏会が始まります。
大臣「王子様、なぜ、ブスの女性ばかりと踊るのですか?」
王子様「だってさ、美人と踊ったら、恋に落ちちゃうかもしれないじゃん
恋に落ちて、結婚したら一人の女としかセックスできなくなる
んでしょ?それは絶対嫌だ」
大臣「・・・・・・・・」
義姉「王子様、そろそろアタシと踊ってよ」
王子様「はいはい。なぁ、俺達ってさ、損な役目だよなぁ」
義姉「どっちもシンデレラの引き立て役だもんねー
まったく、女ってのはしょうもない。
少しは、あたしらの境遇の悲惨さを理解しろっつーの」
王子様「ほんとだよねぇ」
その頃、シンデレラ宅では。
シンデレラ「おい、爺!さっさと靴と服と馬車だせって」
魔法使い「いやね、さっきからね、作者がね、
シンデレラの事を調べてるんだけどね、
グリム童話では、鳥がお前さんに服や靴を与えて
お城まで走っていったことになってるんだが、
日本のでは、ワシが魔法で靴と服と馬車を出すことになっていて、
どっちにすべきか悩んでいるんじゃよ」
シンデレラ「どっちだっていいだろ。こんな糞小説、さっさと
終わらせたほうがいいんだから、さっさと馬車と服と靴だせよ」
魔法使い「仕方ない、時間ないしの。」
ぼわーん。
シンデレラ「さんきゅー」
魔法使い「しかし、あれじゃのー、お前さん、ホント、アシでかいのう」
シンデレラ「ああ、サイズ30で奇形だしな。
ガラスの靴を頼りに王子様が
アタシを探すとき、そのくらいじゃないとわかってもらえないから
そうなってるんだよ。童話とかでは省略されてるけどな。
ガラスの靴がシンデレラにしか
履けないって所を疑問に思わない読者もいるけどな」
魔法使い「最近の読者は突っ込み厳しいからのう。おかしな事書くと
2ちゃんねるで突っ込まれるしのー」
シンデレラ「おっと、そろそろ行かないと。じゃあな、爺」
魔法使い「ガラスの靴を忘れるのを忘れないようになー」
再びお城にて
義姉「あ、そろそろ、シンデレラがくる時間だよ?用意はいいかい?」
王子様「あーあ、気ままで色んな女とセックスし放題だった独身生活も
これで終わりかあ・・・・・」
シンデレラ「うっし、間に合った。さって、王子様はどこかな?」
継母「おい、シンデレラ、こっち、こっち。王子様はここだよ」
義姉「おい、王子様、お前、どこ行く気だよ?」
王子様「嫌だ!!やっぱ出会いたくない!!」
大臣「こらこら、往生際が悪いですぞ、王子!!」
王子様「ちくしょおおおおおおおおおおおおお!!」
シンデレラ「やっほー、王子様。」
王子様「うわあああああああああ、突然、胸が高鳴る!
彼女の動作が気になって仕方ない!!
彼女から目が離せない!!
一目みただけで、彼女無しでは生きていけなくなってしまった!」
シンデレラ「いや、もういいって。そんな事あるわけないじゃん。
少女漫画の読みすぎ。」
王子様「台本ではそうなってるんだよ。
まったく、シンデレラ書いたグリムって野郎は非モテに違いない。
女慣れした俺みたいな男が、シンデレラみたいなどこの馬とも
わからない、取り柄も何もなく、持参金もない女に
惚れるっかっつーの。」
シンデレラ「ほら、さっさとダンスしようよ。12時になったら
魔法がとけて、帰らなきゃいけないんだから。」
王子様「なんか、口が臭いんだけど」
シンデレラ「さっき、義姉に便所舐めさせられてさ」
王子様「・・・・できるだけ、離れて踊ろう・・・・」
二人は、そうして夢のようなダンスを始めます
王子様「なぁ、たまには、靴をちゃんとはいて
帰ってくれない?そうすれば、俺は、気ままな独身生活を
楽しみ続けれるんだけど?」
シンデレラ「やなこった。靴を脱ぎ忘れただけで
王国の半分が手に入るってのに。」
王子様「ガラスの靴半分の値段が王国半分か・・・・・
すさまじいボッタクリだ・・・・ホリエモンもびっくりの
虚業だぜ・・・・」
そして12時の鐘が鳴ります。
シンデレラ「お、12時だ。じゃ、靴をおいて帰るから、
あとで、うちまで来てくれ。住所もかいとくわ」
王子様「まて!頼むから、靴は持って帰ってくれ!!
頼む!!」
シンデレラ「ばいばーい」
王子様「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
舞踏会の翌日
大臣「さて、王子様、ガラスの靴を頼りに
シンデレラを探しにいきましょう」
王子様「あーあ、仕方ねーな・・・・
しかし、でかい靴だよな。こんな靴はける女なんて
この国には一人しかいないっつうの。
でか足姫に題名変えたほうがいいよ、マジで」
そして、王子様達は、シンデレラの家の前までやってきます。
その頃、家の中では・・・・
シンデレラ「おい、何でアタシのことを縛り付けてるんだよ!!」
義姉「いやさー、たまには、物語にも起伏をつけてみようと思って」
継母「ちょっと、何ボウガンなんて持ってるのよ!」
義姉「いやね、最近、日本でも負け犬とかって話があってさー
色々とムカつくわけよ、いき後れの女としてはさー」
義姉「そもそも、恋愛結婚なんてのが流行り始めたのが
いけないと思うんだ、アタシ。だから、恋愛結婚幻想の元である
王子様を殺してしまえば、全部、物事は、いいほうにいくと思うの。」
シンデレラ「馬鹿!やめろ!あいつの命はどうでもいいが
結婚式が終わるまで待て!!王国の半分が私のモノになってから殺せよ!」
そのとき、ドアが開きます。
「ごめんくださーい、王子ですがー」
義姉「死ね!!!!!!!!!!!」
義姉のもっていたボウガンから放たれた矢は
ドアを開けてたっていた大臣の胸に吸い込まれるように
命中しました。
王子様「だっ!だいじーーーーーーーーーーーーん!!!!」
義姉「うそおおおおおおおお、何でぇ!!!!!!!??????」
継母「なんて馬鹿なことを・・・・物語の主人公には
絶対に矢や弾は当たらないという物語物理法則を
知らなかったのかい・・・?」
義姉「そうだった・・・・ダイハードやランボー、セガール映画を
みていれば、わかっていていいはずだったのに・・・・」
継母「私達が、何をしても無駄なのさ・・・・
主人公とヒロインには、矢も銃もミサイルも毒ガスも通用しない。
悪役がどんな手管を使っても、彼らは最後に必ず、
悪役を打ち負かすんだから・・・・・
だってのに、何で、そういう無駄な努力を・・・・・」
義姉「・・・ごめんよ、母さん・・・・・」
継母「いいのよ・・・・世の女性すべてが貴方のことを
意地悪な義姉としか見ていなくても、私だけは貴方のことを
愛しているからね・・・・だって娘なんですもの」
義姉「母さん!!」
継母「娘!!」
王子様「大臣!!しっかりしろ!!傷はあさいぞ!!!」
翌日、大臣は矢傷が原因でなくなりました。
義姉は、大臣殺しの罪で投獄。
継母は、娘を失った悲しみから川に身を投げました。
王子様は、持参金もない嫁をもらって、浮気もできなくなり
その上、王国の半分の権利をシンデレラに奪われました。
シンデレラは、結婚の結果、王国の半分と贅沢な暮らしと
女王という社会的地位を手に入れて一人勝ちでしたとさ。
めでたしめでたし。
palさんの理想は、「眠り姫、官能の旅立ち スリーピング・ビューティ」(ISBN:4594025633 )では?
ご存知だと思いますが、「夜明けのバンパイア」、「インタビュー・ウィズ・バンパイア」を書いたアン・ライスとは思えないすばらしい作品です。
ここまでバカっぽくするその才能がほしい!