このブログの人気エントリを読みたい方はこちら
もう一つのブログはこちらです。

2006年03月17日

統計と報道の乖離

「火炎瓶使え」逮捕の高3生が指示 姫路・野宿者焼死

朝日新聞より。

いや、全く酷い話ですが、統計的には、
ずうぅっと少年犯罪は減りつづけています。

養老孟司先生世代の脳は狂っている

はてBでちょっと話題になった記事ですが、
上記の記事で触れられているとおり、
少年犯罪は減りつづけています。

また、小噺程度ですが、
上記の記事にある通り、現在の50歳台の方、特に団塊の世代と
言われる方々の人口層というのは、自殺率や離婚率、強姦率、自殺率が
他の世代と比べて高く、この世代がある年齢になると、その年齢層で
社会的病理が高くなるという傾向があります(統計上はですが)

つい最近までの熟年離婚の増加については、この観点から
ある程度、説明もできます。要するに団塊の世代が丁度、
その年齢層に達したからという形で。

脳が狂っているとまではいいませんが、
この世代が少年の時期には、少年の非行が戦後第二のピークとなり
青年になるとその時代の青年自殺率が跳ね上がり、
壮年になると他殺死亡率が増え、
中年になると中年自殺が増えたり、熟年離婚が増えたりと
社会的病理に付きまとわれる世代として一部の専門家に
注目されているようです。


統計上では、昨今の少年は、以前に比べて優しく、安定し、
おとなしくなったといえます。
少年犯罪の数字が何よりもそれを物語っております。
「少年が凶暴になった」というのは、統計上から
ありえません。これは、専門家の間では常識のようです。

実際、青少年に接する仕事をしている専門家の大方の意見は
以前に比べて少年がおとなしく、暴力をふるわないというものだそうです。

っつーわけで、まぁ、ゲームをやると暴力的になるだの、
エロゲをやると、少年が淫らな欲望につっぱしるという
アレには、ほとんど、統計的証拠がないとうか。

ネットが出てきても、統計上、少年の自殺率、犯罪率が
目立った上昇を見せていないので、この辺りは統計的に
関連性がほとんどないとしかいえないわけですよ。



無論、統計の数字には問題がありますよ。
だから、資料批判する余地はあります。
例えば、レイプ。


デートレイプって言葉が、近年、問題にされることがあります。

デートレイプ:恋人が強姦者

まぁ、要するに、知合いやボーイフレンドに強姦されるケースのことです。


ちと本題の前に、日本の強姦の話をしますが



少年によるレイプ統計



これをみると、少年の強姦は減っています
実際、少年犯罪発生率にしろ、何にしろ、昨今の少年は
物凄く穏やかで、安定していて、非攻撃的なのが統計データから
読み取れます。


ゲームのせいで少年が攻撃的になったとかTVのせいで
少年が攻撃的になったとかいう統計的証拠は特にありません。
むしろ、逆です。TVもゲームもなかった時代のほうが
統計的には少年は攻撃的でした。2〜30年前は、今の数倍の規模で
少年犯罪が起こっていたわけです。ついでにレイプも。

また、ポルノに関しても、エロゲーは流行っていますが
レイプの発生率にここ10年、有意な変化は見られませんので、
統計データからはエロゲやゲームと暴力・性犯罪との関連は
見出せません。

一般に、男性によるレイプは減少傾向にありますし
殺人などの凶悪犯罪も減る一方なんですけども。

と、ここまでは、ステレオタイプな事をいいましたが、
問題はここから。

実は、日本の刑法では
「暴力・脅迫によって抗拒不能の状態において強制された性交」
「13歳未満の女性に対する性交」
の二つが強姦と規定されている為、
様々な意味で、「強姦」の定義が狭いんです。


そのため、「デートレイプ」というのが、犯罪として
認知されてこなかった面があります。

実際、上記の強姦のデータは、
「暴力・脅迫によって抗拒不能の状態において強制された性交」
「13歳未満の女性に対する性交」
の場合です。

で、犯罪白書のケースでは
「暴力・脅迫によって抗拒不能の状態において強制された性交」は
「見知らぬ男」によって行われたケースが大多数をしめているんですが。

それで夜道で女性は見知らぬ男には気をつけろとかの話に
なりがちなんですが、実際のところ、日本の強姦発生率は異常な低さで
それほど注意するには値しません。

問題は、ですね。

統計的調査において、数字の作り方、犯罪として認知の仕方に
問題があるため、日本の潜在的なレイプの発生件数が甘く見積もられている
可能性があるということです。

よくある統計の問題点が、このデータにはあって。

犯罪白書の統計からは、「見知らぬ男性による強姦」が最も危険と
受け取れるわけですが、基準を緩めて調査すると逆の結果でるんです。

「女性との合意のない不快なセックス」という所まで基準を緩めると
恋人・知人といったケースが数多く出てくるんですね。

要するに、「親しい人間ほど危ない」とかいう結果がでるわけです。

で、デートレイプとか知人による強姦とかは、
被害者の自宅や加害者の自宅で行われるケースが多く、
油断すんなって話になるわけです。

で、基準を緩めた場合、女性って結構レイプされる危険性が高いんです。
日本でもね。およそ、生涯で女性が「合意のないセックスを強要される」
確率は2%といった所のようです。これ結構高いといえます。

女性の皆様におかれましては
日本でレイプ(緩い基準でいう)される危険性が高いのは
「通り魔的犯行」でなくて、「知人・恋人」系だって事は
知っておかれたほうがいいと思います。

前者にしろ、後者にしろ、日本は、世界的にも少ないと言われますが
それでも、後者の数に関しては、日本の統計データに出ないだけで
全女性中、2%程度の女性がレイプ被害にあっているといわれています。



これが、統計の弱点で、数字・資料の集め方次第で数字を
いじれちゃう部分が結構あるわけです。

そんなわけで、犯罪に関しては、法律の改定で立件しやすくなったり、
当局が積極的になったり、基準が厳しくなると一気に数字が増えたりします。


とまあ、ここまでが統計の問題点なんですが、
問題はあるにせよ、なんで、ここまで統計と報道の乖離が
起こるのかという点が、本日の問題点なんですけど。

指摘されることが多いのが、「ポピュリズム」批判で。

現在のメディアは、視聴率・部数にその収益力が左右される為、
センセーショナルな報道が好まれる傾向があります。
芸能人のスキャンダル、ショッキングな殺人事件、過激なヌード写真など。
メディア王マードックは、買収した新聞を上記のようなポピュリズムに
染まった内容に染め上げて、立て直したので有名です。

その結果、メディアは、統計的に事件を検証するよりも、
また、ありふれた事件を報道するよりも、稀でセンセーショナルな
事件を報道したほうが、マス受けする事から、そういう方向に
報道がぶれていく傾向があります。

上記の朝日の記事なんて正にそれで、少年犯罪なんて
殆ど例外的にしか起こらない時代です。
問題提起するとしても社会的問題とは言いがたい。
少年犯罪は減っているのですから。
現在の社会問題を追うなら、自殺問題こそ集中的に取材して
問題提起すべきだと思うのですが。一年で3万人は死にすぎです。
社会全体で取り組んだり、金かけたりすべきは少年犯罪より自殺でしょう。
少年犯罪がどーたらとか言ってる場合じゃないと思います。

知人で、少年犯罪の犠牲者はいませんけど、親が自殺した人は
2人います。

しかし、少年犯罪って稀にしか起こらず、
センセーショナルな事件ですので注目を引きやすい。
つまり、部数を伸ばしやすいわけです。

これは、別に新聞に限った話ではなく、ブログでも同じです。
やはり、僕もブログ書いていると、どうしても多くの人に読んで
もらえがちな記事に傾斜していく傾向があります。

ついでに、警察と法務省としても、犯罪が増加して治安が悪化していると
なれば、予算を増やせますしね。

そういうメディアの事情と政府側の事情、何より我々の
「統計みたいな詳細情報をみない」
「センセーショナルな記事を好む」という傾向が
合わさって、統計情報と報道情報の乖離が起こっているんだと思います。

統計自体の問題、政府サイドの予算のぶん取り合い、
メディアの収益構造の問題もありますが、
我々の消費者のリテラシーというか、情報の好みにも、
少なからず責任があり、ちょっと考えてしまうことでもあります。


本日、言いたかったのはこれで、我々の側にも
少なからず、責任は確かにあるわけですよ。
新聞の社会欄を見るとき、いちいち統計を見ている人なんて
どれだけいるか、又、統計に関して、その情報の集め方まで
吟味している人となると、もう全体の数%もいないんじゃないかって
話になるわけで。

で、マスをターゲットにするTVとか全国新聞ってのは、
どうしても、そっちに引きずられていき、ポピュリズムな方向へと突き進まされる。


だれが、悪いとか言うのではなく、
システム的に、そういう方向に突き進まされるように
出来ているんだなというお話なんです。

意図的にやっているというよりも、そういう情報を流す方向に
押し流されるように、システム全体が出来ているんだなぁという話でした。


本当にメディアの公共性云々をいうなら、
システム的に欠陥のあるこういう場所は、
何とかしないといけない所なんですよね。

ブログとかでも同じ欠点に引きづられる傾向は確かにあるし。

なにか、システム的に、改革が必要なのかなっとおもいマスタ。


今回の話は、福島章著の「ストーカーの心理学」と
作田明著 「現代殺人論」を参考にしております。
どちらも、簡単に読めるので、ストーカーや殺人者に興味のある方に
お奨め。

とかくとアレですが。まぁ、そういうことで。









posted by pal at 18:37 | Comment(1) | TrackBack(3) | メディア このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
オウム真理教事件以降、犯罪の数よりも凶悪性を重視するようになったと思います。

NHKの会長だった高野岩三郎は「権力に屈せず、大衆とともに歩み、大衆に一歩先んずる」と放送の役割を説きましたが、マスコミ関係者はこの言葉を再任してほしいです。


Posted by Piichan at 2006年03月19日 14:26
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

一般ニュースのページ
Excerpt: Blink Link 役立つリンク集 に一般ニュースのページができました。 朝日新聞、読売新聞、産経新聞、日刊スポーツ、天気予報など最新の情報が見られます。
Weblog: Blink Link 役立つリンク集
Tracked: 2006-03-23 06:48

インターネット・コピーライティング基礎講座
Excerpt: 売れる文章のライティング・スキル。
Weblog: ネット収益を倍増するスキル
Tracked: 2006-03-24 04:29

熟年離婚の危機を回避する方法
Excerpt: それはお互いに感謝しあう。言葉に出してそれを言うことですね。結婚40年でまだ一度も夫婦喧嘩したことがない夫婦を知っていますが、まさにこれを実行していましたね。
Weblog: ゆしどうふ
Tracked: 2006-03-28 14:03
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。