最初の問題は、ケインズが提起した貨幣の保有動機、
つまり、
予備的保有
投機的保有
取引的保有
となる。
現状、予備的保有に関しては、貨幣はその価値を失っている。
金本位制は、すでに崩壊して久しいからだ。
貨幣は、普通の銀行に預けられると、それは債券に投資したに等しい状態となる。
一方で、投機的保有に関しても、投機の多くが株や債券などに集中している今、
貨幣である必要はなくなってしまっている。
つまり、現状、貨幣の価値とは、取引的保有がほとんどであり
取引を介在するためのリンク的役割がほぼ全てと思われるが、
この部分ですら、どうも、最近は、揺らいできているように見える。
金本位制の崩壊は、貨幣から予備的保有という役割が決定的に
失われてしまった、ある種の歴史的な出来事だったと思うのだが
同様に、ネット上でのポイントシステムや、クレジットカードなどは
取引には貨幣が必要だという概念を最終的に葬るかもしれない。
情報技術とコンピューター技術の発展の結果だが、貨幣は
すでに紙である必要はない。信用を付加できる流通しやすい媒体であればいいはずだ。
ネット通貨の流通次第では貨幣の必要性がなくなる。
無論、ネット通貨が取引を仲介するだけでなく、
債券、もしくは株に換えることができればの話だが。
現状のポイントは、企業には負債扱いだが、これを金融商品に換えることが
できれば、面白い仕組みにつながるかもしれない。
法律上、安全上、無理かもしれないけど、
金融商品に直接換えることができるネット通貨なんてのがあれば
貨幣システム自体が変わるかもしんない。
ネット通貨に予備的、投機的用途を持たせることができるからだ。
なんて、思ったりもした。
まぁ、ありえないが、貨幣の変遷を考えると、そういう時代が来るかもしれないね、というお話でした。
おしまい。