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2006年02月22日

そして想像力を技術が置き去りにした時代。

リードユーザーイノベーションを越えて

渡辺さんとこの記事を読んでいてふと思った。

小説にはSFというジャンルがある。だが、このジャンルが人気を失って久しい。
今はSF冬の時代なんて呼ばれている。

これはSFってジャンルが飽きられたってのもあるけど
リアルの世界での技術革新が、作家の想像力を置き去りにするほど
進歩してしまったのと、生産力上昇による供給過剰により
SFが創りあげるような、科学技術によって、今よりも満足度の高い世界というのが
それほど魅力的でなくなってしまったことがあるかもしれないと
最近、思っている。

要するにだけど、渡辺さんが記事で触れているように
リアルの技術でブラックボックス化が進んでしまい、SFというジャンルが
ひどく陳腐な世界になってしまったのである。

SF作家が作り出すSF世界よりも、
リアルの技術のほうが遥かにブラックボックスで
複雑なのが現状だし、SF作家では、とてもじゃないが、現状の最先端技術を
理解でないくらい技術が複雑化してしまった。

また、SFのひとつとして、「ドラえもん」をあげることが出来るが
あの作品は、のび太の叶わぬ願いをドラえもんが未来の技術で解決するといった
ストーリーを核としたギャグ漫画なのだが、現状の日本では、
科学技術でかなえて欲しい願いがどれだけあるかって話になる。

衣食住、そのどれも、ドラえもんの四次元ポケットがなかろうとも
ちょっと金があれば、ほとんど不自由しないし、満足度の高い製品が
多い。

つまり、科学技術の発展によるプロダクトで人間を満足させるという製造業の衰退が、
創作分野でも起こってしまったようにも思える。SFの衰退とは、モノを機軸とした
生産活動の終了と共に訪れるべき必然だったのかもしれない。

その結果が、リアル経済ではモノでなく、サービスの生産に移った。
サービス業が主体になったのだ。

創作分野でも、結局、それに近いパラダイムシフトが必要なのかもしれない。
結局、創作活動ですら、ユーザーに対する何らかのソリューションを
提供するという点では、普通の商売と変わらない。

モノ経済からサービス経済に移った今、創作の中心も又、
ユーザーが新しく「不足と感じている点」や「不便と感じている点」を
満たせる場所に移るべきなのだろう。

ユーザーが物質的に満たされている現状、
次に不満になるのは、どこなのだろうか。
SFの次にくるのはやはり、最近、ちょっと話題のサービスサイエンス小説なのだろうか。




posted by pal at 04:13 | Comment(2) | TrackBack(1) | 小説 このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
「SF、冬の時代」?まっさかぁ、いまほどSFが手軽に手に入る時代はなかった。
『SF』の森の中に入ったために、森が見えなくなっているのですよ。
人間の想像力、空想力は科学技術が発展し、世界が広がるとともに、さらにその先へと伸びていくものです。
第一線の科学者が趣味でSFを書く、なんてのもけっこう有り。
Posted by 井筒@Macが好き at 2006年02月22日 17:05
何を言ってるんだか。。。
昔っからSF小説なんて人気ありませんよ。
ある時に買っておかねば消えてしまう。それがSF小説です。

コメントにあるように、むしろ今の方が少しは古典が入手しやすいと思います。
Posted by へ at 2006年07月31日 21:57
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