インターネットというネットワーク内においても、
またネットワーク解析上においてもやはりインフレ・デフレは
存在するのではないかという事。
ネットワーク解析は、リンク・ノード・ハブの三つの主要概念から成る。
スケールフリーネットワーク
現実世界の経済ネットワークにおいては、ノードとは製品・サービスであり、
リンクが貨幣となる。あらゆるノードは、貨幣というリンクによって結ばれており
貨幣によって、その交換が速やかに行われる体制を取っている。
インターネットにおいては、ノードとはHPやブログなどの情報源であり、
それは、リンクによって結ばれている。
さて、インフレ・デフレとは、ネットワーク解析で説明するとどうなるのか?
インフレーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
現実世界でのインフレは、ウィキぺディアにあるように
経済全体で見た需要と供給のバランスが崩れた場合、すなわち総需要が総供給を上回った場合に発生する。物価の上昇は貨幣の価値の低下を同時に意味する。
となる。
デフレとは、同じく
ウィキぺディアより引用させていただくが
供給のバランスが崩れること、すなわち総需要が総供給を下回ることが主たる原因である。貨幣的要因によってもデフレは引き起こされる。
ことである。
これは、中学生でみんな習うことだから、それはいいとして。
問題は、この力学が、インターネットの内部にも働いているのではないかという事である。
つまりだが、ネットの世界にもインフレとデフレが存在しうるのではないか?
以前から、思っていたことだが、「ゴールド」を読んでから考えにある程度の整理がついたように思う。
いうまでもなく、インターネットは、リンク無しでは
ほとんど、どこにもいけない。これは、貨幣無しでは、モノ・サービスの
交換が上手くいかないのと同様である。
リンク無しではネットワークは機能しないのだ。
リンクが創造されることにより、モノ・サービス、そして情報の
交換が容易になる。
そして、リンクが過剰生産されたり、
充分な量のリンクが生成されない場合には問題が起こる。
現実経済のネットワークにおいては、リンクである貨幣が
過剰供給された場合には、インフレが起こり、
充分な量、供給されなかった場合にはデフレが起こる。
そして、インターネットでも同じことが起こる。
つまりだが、リンクが過剰供給された場合には、リンクの価値の低下が起こり、
逆に、ネットワーク内での情報流通が阻害されるようになる。
例をあげるなら、はてBでお気に入りを増やしすぎると、情報量が多くなりすぎて
何を読むべきかわからないほどになってしまう。
また、リンクが充分な量、提供されない状態もまずい。
この場合、どこに行けば、適切な情報が手に入るかどうかわからない。
この二つの状況が、ネットワークにおけるインフレ・デフレになる。
あくまで、リンクという概念からみた場合であり、他にも情報のインフレ・デフレを
引き起こす要素はあるが、今回は、これに限定する。
で、現状のインターネットとはどういう世界か?というと
爆発的に情報の供給が増え続ける世界と言える。
ほっておけば、ネットの世界では情報のデフレが進む。
つまり、情報価値の希薄化を招き、情報創造が上手くいかなくなる。
創造しても、誰にも読まれない世界では、他人に向けて発信する情報は
でなくなっていく。
そこで、情報価値の希薄化を招かないように、相応のリンクをネットワーク内に
作り出す必要がでる。供給が増えすぎた経済では、相応の貨幣を経済に
流し込む必要があるのと同様だ。
つまりだが、現状のインターネットの世界、
つまり、情報の供給が爆発的に増え続ける世界においては
「リンクの創造」をバランスよく取るシステムがどうしても必要であったという事になる。
そうなるとだが、RSSや、XML、サーチやSBMの誕生は、偶然でもなんでもなく、
需要と供給のバランスの結果だともいえる。
つまりだが、増えすぎた情報供給に対して、それを効率よく消費させるために
生み出されたリンク、つまりネットワーク内での貨幣製造システムとして
上記の存在は、生まれるべくして生み出されたのだろう。
情報の爆発的供給増は、すなわちネットワーク内にリンクの増大の欲求を生み出した。
情報価値のデフレを防ぐために、彼らは、生まれてきたのである。
おそらくは神の大いなる手によって。
そういう意味では、「無断リンク禁止」や「直リンク禁止」は、
現実世界において、「貨幣の使用禁止」といっているに等しい。
要するに、経済システムを否定しているようなものなのだ。
だから、これほどまでに、嫌われているのであろう。
ネット内において、「無断リンク禁止」という人は。
「リンク」とは、ネット内における貨幣であり、
その創造が適切に行われないと、流通そのものに害をもたらす。
無論、生み出されすぎても害となるのだが。
そういう風に考えた場合、ネットワークシステム・サービスの構築を目指す場合、
それが、情報の供給量に対して、適切なリンク数を供給できるかどうかが
成功の鍵を握っているのかもしれない。
本日はいじょ。