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2006年02月04日

宮崎アニメというビジネス

本日の御題は、「宮崎アニメ」であります。

宮崎アニメってのは、宮崎駿っていうアニメーターの才能の力も
ありますが、それと同時に、優れたマーケティング才能をもつ
鈴木プロデューサーの手によって育てられたものでもあります。


宮崎駿という人は、確かに天才といっていい才能の持ち主です。
そのことは、漫画「風の谷のナウシカ」とか彼のアニメ作品を見れば
よくわかります。

ただ、それだけじゃ、今の時代、生き残れないんです。
何たって、制作費100億円のハリウッド映画が380円で
レンタルビデオ屋で借りれたり、地上波でタダで流されたりする
時代なんですからね。


ジブリの歴史を振り返ると、よく考えてスタジオを発展させてきたんだなぁと
思うので、それについて本日は書こうかと。そういうわけです。


で、ジブリと宮崎アニメなんですが、歴史を簡単にまとめますと
「風の谷のナウシカ」を製作したアニメ製作会社トップクラフトを
母体として、1985年、徳間書店の出資により、株式会社として設立されたのが始まりです。

最初の作品は「天空の城ラピュタ」。

個人的には、これが宮崎アニメの最高傑作だと思ってます。
理由は主人公のムスカです。

で、その後、

となりのトトロ(1988年)
火垂るの墓(1988年)
魔女の宅急便(1989年)
おもひでぽろぽろ(1991年)
紅の豚(1992年)
海がきこえる(1993年)
平成狸合戦ぽんぽこ(1994年)
耳をすませば(1995年)
もののけ姫(1997年)
ホーホケキョ となりの山田くん(1999年)
千と千尋の神隠し(2001年)
猫の恩返し(2002年)
ハウルの動く城(2004年)


といった順番で作品を公開してきたわけです。


大体、「紅の豚」あたりから、宮崎アニメがブランド化しました。
要するに、ですが、宮崎駿という才能が認められ、その作品に一種のプレミアムが
つきはじめたというわけです。


興行収入的には、「もののけ姫」あたりでブランド化が完成したわけですが、
そこに至る道筋は、非常によく計算された行われたな、と思うわけです。


その理由なわけですが、
日本のアニメに関していいますと、TVアニメに関しては
1980年代あたりには、すでに儲からない上に先細りなのが
明白になってきていました。

アニメ以外の子供向けの娯楽が、大量に出現していましたし、
少子化の指摘もされ始めていた頃です。

で、そこで宮崎駿というか、スタジオジブリというか徳間書店が目指したのが
アニメ映画で、それまでのTVアニメよりもクォリティの高い映像作品を
映画館で売る商売に新たな生きる道を求めたわけですね。


で、ここで、僕がうまくやったナァと思うのがジブリのマーケティング手法というか
ビジネスモデルでして。

ジブリのビジネスで上手いなぁと関心してしまう点を挙げると


1 先細りであったTVアニメを捨てて、
映像マーケットにおける高級品、映画分野へ進出した事

2 映画を作って儲けた後、日テレと提携して地上波で宮崎アニメをばら撒いた事

3 ジブリ美術館を作ってテーマパーク方面のビジネスにも進出した事



です。



それぞれに説明を加えますと、1は、すでに述べたように、
映像のローエンド市場であるTVアニメが飽和する兆候を嗅ぎ取って
映像のハイエンド市場であるアニメ映画に逃げたって事です。

そこで大成功を収めたわけですけど、
映像のローエンド市場が飽和しかけていた以上は
そこ以外にアニメ製作ビジネスで
生き残る方法はそうなかったと思うわけです。


で、2ですが、ここが重要なんです。
映画だけでも、それなりにヒットしていて、食えてたわけですけど、
それだけだと、すぐに後発参入者とかが現れてしまって
市場が飽和しちゃうわけですよ。

ここで、ジブリが意図的に取ったかどうかは知らないんですけど
とった手法が、2でして。


日テレと提携して、宮崎アニメをばら撒いたわけです。
ビデオがある以上、アニメ映画を地上波でばら撒くのは
金の卵をドブに捨てるようなもんなんですけどね。

ただ、これによって、後発参入者を締め出す効果を得る事もできるわけです。

市場に他社が参入してくると顧客の食い合いが必ず起こります。

だけども、地上波という映像の廉価市場で高度なアニメ映像作品をばら撒く事で
後発参入者が、アニメ映画市場へと参入する為の条件を引き上げる効果も望めるわけです。

つまりですけど、アニメ映画を作る際には、
最低でも宮崎アニメくらいのクォリティがないと話にならないよ、
という位にまで大多数の視聴者の舌を肥えさせてしまう効果があるんです。

廉価市場、つまり市場のローエンドに安く製品をばら撒く事で
潜在的な競争者をぶっ潰すという手法は、マイクロソフトやグーグルが
今まで何度もやってきてますが、それとほとんど似た手をジブリも
やってるわけです。

いわゆる「ファイアウォール戦術」でありまして、ビジネス分野で
良く使われる手でもあります。

無論、地上波でばら撒く事により知名度を上げ、次の作品を
見に来てもらうという効果もあるわけですが
個人的には、「強固な参入障壁」としての効果が
非常にでかかったなぁと思っております。


で、3なんですが。

日本のコンテンツビジネスというのは、どうにも
セグメント別にコンテンツを売るという発想が弱くて。


市場のローエンドでは、TVアニメとかしか売れないですけど
市場のハイエンド、お金持ち層には、もっと色んなものが売れるわけで。


ディズニーは、それが非常に上手くて、市場のローエンドでは
ぬいぐるみやアニメ、絵本などを使って、常にパイを広げています。

しかも、それらを安くばら撒く事で、競合他社をローエンドから締め出しつつ、
知名度を広げているわけです。

そして、自分の製品の知名度を広げて、自分の顧客をセグメント化した上で
そのセグメント別に、製品を投入しているわけです。

例えば、ぬいぐるみでも、子供向けの安い奴から、大人向け、金持ち向けの
やったら高い奴まで売ってるわけですよ。

それから、映画だけでなくて、テーマパークでのビジネスもやっているわけです。
ハイエンド商品です。それこそ、馬鹿高い入園料払わかなきゃいけないんですから。
でも人はやってくるわけです。

ディズニーのブランド化と、ローエンドでの製品のばら撒きの成果とも言えますが。

ジブリ美術館とかは、そういう方向でのビジネスに
やっと手をだすとこがでたかーなんて思って、ちょっと嬉しかったのです。


でも、ジブリ美術館とかは、本当は、もっと高い金取らないと
いけないとおもうんですけどね・・・

あれだけ、良いキャラを沢山もっているわけですから、
もっといい感じのテーマパークでも作れると思うわけですが。



任天堂とかも、よいキャラ沢山もってるし、
そういうビジネスに手をだしてもいいと思うんですけどね・・・
あとは、漫画産業も・・・・


まぁ、そんなわけで、宮崎アニメってのは
非常に上手くビジネスとして展開したなぁなんて思うわけです。
繰り返しますが、宮崎駿という才能がなければ、ここまで来ることが
出来なかったのも確かです。

けど、ビジネスの展開として、一つの教科書として
使える素材だなぁと思い、こんな話をしてみました。





posted by pal at 19:20 | Comment(2) | TrackBack(3) | メディア このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
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Posted by e-アフィリ at 2006年02月04日 19:43
GONZOのアギトもそうですが,昨今,ジブリっぽい作品だらけに
なってしまっていますね.そういう功罪まであの人に
背負わせる気はないですが,結果的にそうなったことは
残念なことです.
Posted by 名無し at 2006年02月07日 18:31
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