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2006年01月18日

株価下がると何がいけないのか

許されざるマネックス証券

知り合いに

「株価が下がると何が悪いの?」

とか言われてびっくりした。

んで、株価と信用取引のことを
書こうとおもってたら
保田さんが、もうエントリ上げてた。
うわーい。
資料集めて、書いてた文章が一気に意味がなくなったぁ。

というわけで、信用取引については保田さんのエントリを
皆様どうぞ。

ものすごく、上記のエントリを短くまとめると

「証券会社からLD株を担保にしてお金借りて株買った」

「LDショックで担保価値が0になったんで別のお金もってこいと
証券会社に言われた」

別の金を作るために株の投売り祭り。

という流れで、新興市場大荒れ。
そして、株の投売りが波及して、他の株価まで
下がったために、他の株、とくに信用取引で使われていた株まで
下がってしまい、市場に大ショックを与えてしまったわけです。

もう止めようも無い連尊です。最悪。
信用残高の多かった株なんかはかなり孫いことになっており、
もう予断を許さない状況です。

来週のマネクスの強制決済まで下げ続くのではないでしょうか。
南無。

しかもこんな人まででちゃったし↓

〜我想集〜:我、爆死セリ・・ - livedoor Blog(ブログ)


で、まぁ、保田さんのエントリ読んで頂ければ、
LD一社のせいで、日経平均株価が何で下がっているのかは
分っていただけると思います。


では、何で、株価が下がるといけないのかって事になるわけですけどね。


要するに単純な経済原則なんですよ。

「日本政府は現在、金利を下げて(というか0にしてて)
投資の増加を促し、成長を促進させようとしている」

んです。

クルーグマン教授がものすごく単純化して
述べておられるんですけどね。

Krugman: Baby Sitting the Economy: 経済を子守りしてみると。

ベビーシッター組合の話は、本当に良く出来ていて

「ベビーシッター引き換え券が組合内で僅かしな流通していないと
親達は、外出するときに備えて、引き換え券を多めにもっていようとする」

わけです。
これは、まさしく不況状態です。
必要以上に低いレベルまで消費が落ち込んでいるわけですからね。

で、今の日本もそうなわけですよ。
貯蓄と消費のバランスが崩れている。

これは、均衡していないといけないんです。常にね。

で、そこで、取られた手段が「量的緩和」であり、
大量にお金を刷って市場に流し込んだわけです。

クルーグマン教授がベビーシッター不況を
克服する手段としてあげているのが
「引き換え券を沢山印刷して出回らせる」です。
コレ自体は、政府が取れる唯一の景気回復手段なんです。
いやマジで。増やしすぎるとインフレになるので
それもいけないのですがね。

ベビーシッターの例は、本当に良く分る例で
流通している引き換え券が非常に少ない場合、
親たちは、外出に備えて引き換え券を貯めようとするでしょう。

その結果、貴重な引き換え券を大切にするあまり、
あまり外出しなくなり、ベビーシッターを引き受ける機会が
組合の中でどんどん減っていくわけです。


このことは、マクロ経済にも言えて、ですね。

ここでの肝は、引き換え券を貯めようとする行為が
行き過ぎてしまうと、親は外出しなくなり、ベビーシッターを
引き受ける機会そのものが減少するので、組合の活動そのものが
停滞してしまうという点です。


これは、経済にもいえて、貯蓄が行き過ぎてしまうと、
消費者が消費しなくなり、結果、経済活動そのものが停滞する
という事なんですね。


だから、投資と貯蓄の問題は、すごく大切なんです。


株式市場が停滞したり、そこから資金が逃げて
貯蓄に資金が向った場合、引き起こされるのは
現実レベルでの雇用の減退と生産の縮小なんです。


要するに、株式市場が停滞したり、株価が停滞したりしたら
それは、現実世界での人々の雇用や生産に悪影響を
及ぼす可能性がものすごく高いんですよ。

だから、株価が下がるとやばいやばいってみんな言うわけですよ。

ベビーシッター共同組合において、
親がベビーシッター引き換え券を過度に貯めこんでしまうと
共同体内でベビーシッターする機会がなくなり
引き換え券の創造が起こらなくなるのと全く同じ状況が
経済でもおこるわけですね。

せっかく、景気が上向いてきたのに、
こんな冷水かぶされてたまったもんじゃないです。

いや、バブルは怖いんですけどね。
ただ、こういう形でやられるよりには、日銀の金利政策でやって
欲しかったナーと。

あーあ。


posted by pal at 21:40 | Comment(8) | TrackBack(3) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
反射レスなので、細部の粗はご容赦
クルーグマンの主張は、内部完結型のアメリカ経済において当てはまるので、戦後からほぼ一貫して外需に頼っていた日本経済にはそのまま当てはまらないと思いますよ。
消費を美徳、浪費こそ経済発展とするアメリカ型の経済発展は、日本になじまないかと。だからといって、別海解を示せるわけでもないんですが。
Posted by そ at 2006年01月19日 12:56
>>そさん
日本経済は、1970年以降は、
内需主導の経済ですから、これまで
一貫して外需に頼っていたと
断言できるほどではないかと思います。

海外経済の影響は受けやすい国ですし、
最近の景気回復の一因が
中国経済の発展のおかげなのですが、
消費の大部分は国内で行われていますし、
製品を輸出できる製造業メインの国家でなく、
すでにサービス業主体の国家なわけですから
それなりに説得力はあるのではないかと。
Posted by pal@管理人 at 2006年01月20日 23:59
あなたと私の理解にそれほど違いはないと思いました、まあ、結局経済ってのは、具体的な数字を挙げてみないと、対して有効な話はできません。どんな理論も、部分的には正しかったり、膨大な前提条件が必要だったりしますし。
Posted by そ at 2006年01月23日 00:56
コメントを削除したのは何故ですか?
Posted by め at 2006年01月25日 21:27
>>めさん
エロサイトからのスパムっぽい
昨日削除したコメントのいずれかでしょうか?

もし、謝って、そうでないコメントまで
消してしまっていたら管理人の不手際によるものと
思われます。

もし、投稿者の方でしたら、再度投稿して頂ければ
助かります。
Posted by pal@管理人 at 2006年01月25日 23:53
コメント消されてる・・。
エロサイトのスパムでも荒らしでもないし、悪意だって全くないのに・・。友達のサイトが紹介されていて、その事が投稿されていたから思わず投稿しただけです。時期が遅かったり趣旨に沿わなかったのは認めますが消すのはショックです。
Posted by 由美子 at 2006年03月22日 08:46
>>由美子さん
本当に申し訳ありません。

先日、スパムを消した際に、
間違って消してしまったようです。
Posted by pal@管理人 at 2006年03月22日 17:59
株って誰かが得すれば誰かが損するものじゃないのか・・。
素人ですまんm(__)m
Posted by 夕張 at 2008年10月27日 22:12
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