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2006年01月12日

毎日新聞の連載「縦並び社会」の感想

縦並び社会

普通に面白かった。
いい記事、取材だったなーと思う。

「希望格差社会」や「二極化」が問題視される中、
こういう記事は、受けるだろうなーと思う。


現状の制度のまま、日本が進めば、すなわち
日本は、二極化する。極端な金持ちと貧乏人が
生まれる。


所得分配についてのコラムは出来れば書きたくない気持がある。
これは、危険だと思っている。
ちょっと変なことを書いただけで非難されなかねないし。

経団連会長「賃上げ、各経営者は個別に判断を」

この記事読んだ時は、
何で、ここまで奥田会長に非難が来そうな場所だけ
取り上げるかなーなんて思ったものだが、
案の定、はてBでは怒りの声があがっていた。

実は、所得分配についての、「貴子のブログニュース」を使って
作ったネタがあるんだけど、内容的にあまりにアレすぎて
アップするかどうか迷ってたり。

先にミクシで公開して、色々と他の人に意見きくかも。
とにかく、所得分配ネタは、危険なんである。

右巻きの理論も左巻きの理論もそれなりに説得力があるので
理論武装した人が多い上に、噛み付かれる可能性が非常に高い。

「低賃金労働の必要性」とか、扱いたいテーマではあるのだが。
ただ、下手にあいまいな記述にしちゃうと面白くないし、
エンタメ脚色しようとするとエッジのきいたポジションとならくなちゃ
いけないしと、苦悩する所である。



僕個人は二極化は、さほど問題だとは捉えていない。
確かに最下層の人は悲惨だが、
世界には明日の飯にありつけるかどうかすら
わからない人が大多数なのだ。50年前の日本もそうだった。

それに比べれば、まだ日本は豊かである。
見方をちょっと変えれば、の話だが。
安くて上手い飯、安くて面白いエンタメもいくらでもある。

これだけいい国に住んでて、不幸だなんて言い始めたら
明日の飯にありつけるかどうかを心配をしていた
我々の祖父達や、第三世界の人々からヒンシュクくらいまくり
だとも思う。

世界の生産能力は、増加の一途を辿っており、
その結果がどうなるのかは、我々の想像力の範疇を超えている。

人間の最大の欠陥は、想像力の欠如である。
我々の創造力はあまりに、あまりに限られている。

だが、実際のマーケットには欠陥があるわけではない。
未来を見通せない人間の力に欠陥があるだけである。
マーケットはあるべき姿へと姿を常に変えつづける。
我々の想像力では、その先にあるものを予期しきれない。

だから、その時々において、我々は、「真実」でなく
「みたいもの」を見る。

信じたいものを信じる。

だから、常に間違う。

二極化の行く末の議論を読むとき、いつもこれを思う。
我々は、相対的には、過去のいずれに存在した先人達の
99%より物質的には幸福である。

が、今の状況より、ちょっと悪くなるのが嫌なもんだから
「見たいものを見る」
行動をする。

ちょっと先の失業だとか倒産だとかをみて悲観するが
結局、そんなものは、人間の欠陥のある想像力の賜物であり、
恐らく、短期的な問題は出ても、世界はあるべき姿に向けて
長期的な変化をしていくだけだろうと思う。

それがいいものなのか悪いものなのかは知らないが
人類の生活は暫時的に進歩している。
10年か20年くらいの悲惨な時代はあっても、
100年単位でみれば、人類社会は前にすすむ。

だから、風にのって進む帆船のつもりで、
次に向かうべき場所へ、ひたすら進むことだけを
考えていればいいのかもしれない。
未来のことなんて誰にもわからないのだし。


ネットの勃興で、新聞社や漫画や、アニメの未来が奪われたとしても、
エンタメに使う消費者の金がなくなるわけではない。

その金は、必ず、違うと所に落される。
浮いた資金が、違う場所に投入されれば、そこで新たな市場が
創造される。

だから、ある特定の産業が落ち目になり、その場所で
生活していた人たちが職を奪われ、雇用が減ったとしても
それは、日本全体での問題ではない。
特定業種だけの問題であって、日本経済と結びつく問題ではない。

無論、所得格差の問題にはなるが、
日本全体の問題と言うわけではない。
というわけで、マクロ経済という冷徹な怪物の視点からすると
二極化は問題でもなんでもない。取るに足らない問題となる。



結局、一国内での所得配分の問題になる。
自由貿易や新自由主義もまた、同じである。

一国内における資源の再分配の問題。

二極化が経済におけるスケールフリーネットワーク化
の帰結だとした場合、それは、金持ちの陰謀などでなく、
競争の必然的帰結として現れるものだろう。

だが、問題は、やはり富の再分配になる。
スケールフリーネットワーク化に伴ない、経済の生産性があがったとする。

経済の生産性が上がると、一般的には、どこかの誰かの賃金があがる。
そして、そのあがった賃金が、どこに入るのかが問題なのである。

金持ちか貧乏人かという。

さて、どっちなんでしょ。
歴史的にみて前者だろうけどね。

とにかく、「縦並び社会」と日本の将来とを結びつけるのは
大間違いだと言う事だけは指摘しておきたい。
それは、何の関係性もない。日本全体の利益、国益と二極化は
何の関連もない。

ただの一国内での所得の分配の問題だと思っている。
それなのに、なんだか、「負け組みの絶望が日本を引き裂く」
とかの話になるんだけども。

どうなんだろ、これ。
まぁ、実際にそうなるのかもしれないし、そうでないのかもしれない。
実際、負け組みが社会主義革命でもおこせば、色々と
変わるかもしんないし。

やっぱり、未来のことなんて誰にもわからない。
そもそも、ジャンケンで100戦100勝できる人間がいないのだから。



とにもかくにも、都合の悪いものは直されていくし
いいものは受け継がれると信じて、明日のパンを探しに
行きますかな。


posted by pal at 18:16 | Comment(1) | TrackBack(1) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
前半いいこと言ってるな〜って思ってたら、
後半の現状分析や未来予測が甘いですね
Posted by 死にすぎ at 2007年12月29日 01:11
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