このブログの人気エントリを読みたい方はこちら
もう一つのブログはこちらです。

2005年12月29日

メディアとネットの2005年を振り返って

お約束ですが、うちのブログでも
今年の総括的記事を出させて頂きます。

まず、こんなブログでも、読んでくださる方が
おられます。本当にありがとうございます。

又、ブログの内容が内容ですので、中には気を害された方も多いかと
思います。そういう方にはこの場を借りてお詫びします。

本題に入りますが、
今年、ブログを始めてから、本気でメディアの将来について
考えるようになりました。

結論から言うと、恐らくですが
メディアの縮小傾向は止まらないでしょう。

残念ですが、その中には漫画やアニメ、ドラマ、映画が
含まれます。

理由は、ここ数ヶ月考えてきた事なのですが、
もう、アニメ、ドラマ、映画の持つ音声や動画、絵やストーリー、
キャラなどは、もうユーザーの利用能力の遥か上を
飛び回り、製品としての「差別化能力」を失い始めているという
現実です。


TV業界の方や、そして新聞業界の方も
おそらくは気付いているのではないかと思います。

新聞業界であれば、もう記事の質をいくら上げても
部数は上がらないということに気付いていると思います。
すでに、記事の質は、ユーザーが判断できないレベルに達し、
これ以上、質をあげても意味がない時期です。

そこで、メディアリテラシーなんて言葉が叫ばれ始めたわけですけど
残念ですが、顧客は、やりたくない事は永遠にしません。
だから、メディアリテラシーをしてまで新聞の評価をしたいとは
恐らく思わないでしょう。それは、顧客にとって何の意味ももたないからです。
顧客は自分に興味のある記事だけ読めればいいのですから。


TVは、視聴率でほんの数%の差を奪い合う状態です。
ドラマやバラエティは、まだ人気がありますが、
局ごとに差別化できているとはいえない状態です。
映像もストーリーも俳優も、残念ながら、もう
差別化要因とはならなくなり、一人勝ちは絶対ありえない状況まできています。


そこにネットが現れました。ネットの登場から10年たちました。

何故、ネットがこれほどまで全メディアの視聴時間を奪い続けているのか。
それが、僕にとっての問題の一つでしたが、ある程度
答えは出ました。

ネットには、高度な情報がないという人がいます。
それは恐らく正しい。
また、動画もろくにありません。

なのに、TVや新聞から客を奪いつづけている。

多分、その答えは、ネットがもたらした不特定多数の人と人との
コミュニケーションです。

そして、人と人とのコミュニケーションのほうが
TVみたり新聞読んだりするより面白いと
多くの人が思い始めている。

今、まさに、それが起こっている状況なのだと思われます。

つまり、ネットは、新しいキーファクターを、
メディア市場に持ち込んでしまったんです。

コミュニケーションが、新しいメディアの中でキーファクターに
なっていく過程を我々は目の辺りにしているということでしょう。


もう動画でも情報でも、ストーリーやキャラでもメディア市場では勝負できない。
製品を差別化できない時期まできています。

ところが、ネットだけは他のメディアと違う。
ネットにだけは、

不特定多数の人とのコミュニケーション

という差別化要因が存在している。

デジモノさんの記事にあるような
イノベーションのジレンマが、まさにメディア市場において
荒れ狂う前兆を感じた年でした。

デジモノに埋もれる日々: 「キレイ」はユーザの需要を飛び越した? - 評価の機軸が一変するとき

技術の進化は、消費者の需要をも置き去りにしてしまう。

それが、TV業界、新聞業界、漫画・アニメ・ドラマのようなエンタメ産業でも
起きてしまった。

そして、新たな評価軸が別の場所に生まれてしまった。
ネットにおけるコミュニケーションという分野に。


画像の美しさが差別化要因にならくなった時、
省スペースが売りのLCDがCRTを壊滅させました。
ユーザーはCRTの美しさや価格を評価せず、
LCDの省スペースというだけの機能を評価するようになったのです。

デジカメは、画素数が差別化要因にならなくなった時、
手ぶれ補正、高感度、デザインが評価軸になり
画素数が売りだったオリンパスの製品を落日に導きました。


自動車では、大きさやパワーが差別化要因にならなくなり
ビッグスリーは黄昏の時を迎えています。
そして、燃費が自動車の評価軸となり、トヨタが自動車業界の
覇権を握る時が近づいています。

どれも、それまでは
「まさかそんなものが絶対的差別化要因になるなんて」と
思われていた分野です。


恐らく、メディアに起こっているのも同じ事です。

イノベーションのジレンマ。

メディアの情報の正確さ、動画、取材力、漫画アニメ映画の
ストーリーや絵、動画その全てが、マスマーケットの顧客の
必要十分を満たしきってしまった。

結果、それはユーザーの評価軸から外され、
差別化要因とならなくなり、ネットの

「人と人とのコミュニケーション」

が唯一絶対のメディアにおける差別化要因として牙を剥き始めています。

これのみが、ユーザーにとって、今まで不十分な領域だったのです。
メディアは気付いていなかった。
だからこそ、そこを強みにネットがメディアの視聴時間を
奪いまくっている。


今まで、我々が培ってきた技術は、全て無効化されるかもしれません。
土俵が変わってしまったのです。
我々は力士のようなものです。
そして、ネットは、マラソンランナーです。

土俵の中でなら、マラソンランナーにかてるでしょうが、
マラソンになったら、勝てはしないでしょう。
我々には余計な贅肉が多すぎる。

コミュニケーションそのものが次世代メディアと現メディアを
差別化する要因です。そして、メディアの顧客が
コミュニケーションを主体としたメディア、ネットに
流れはじめています。ネットの視聴時間は伸び続けています。
今後も止まらないでしょう。

ルールは永遠に変わってしまったのです。

いわば、原点回帰したといえるかもしれません。

人間は群れを作り、コミュニケーションを取りながら
進化してきました。

ですが、家ができ、部屋と部屋の間に
壁が作られるにいたり、群れと個が分離しました。

ですが、ネットが全ての空間を超えて
あらゆる人々を繋いでしまった。

再び、コミュニケーションの時代が戻ってきたといえるかもしれません。

これに気付いていないメディアに明日はないと思います。


メディアコンテンツの多様化は進んでいます。
ですが、多様化が進むと、必ず、産業内に再び統一の力が働きます。

おそらくですが、ネットのコミュニケーションを主体とした
メディアを中心として再編成されるのではないか、
そんな気もしています。

そこしか、差別化要因がないのですから。


メディアは自分達がこれまで培ってきた技術を
顧客が評価していないという事に
早く気付かない限りは、明日は他の誰かのものになるでしょう。




posted by pal at 16:18 | Comment(6) | TrackBack(3) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
palさん、おはよおうございます、

しかし、おもったんですけど、イラストいりでpalさんがこの辺について書いたのまとめたら、十分出版できるのでは?と、そそのかしてしまったら、それこそ旧来のメディアの罠なのでしょうかね?
Posted by ひでき at 2005年12月30日 10:57
ブログの中で地味だけど個性的で自分の立場から足元見て感情をもろだしで書いてくれるhttp://www.enpitu.ne.jp/usr4/41506/diary.html (江草 乗の言いたい放題)

推薦します。
日の当たらない場所の片隅のホームレスのおじさんの記事は心に残りました。日常の小さな矛盾や不正儀や
真実をちゃんと報道しないマスコミというマイナーな表面一まとめの慢性的なバイアスがかっかた記事には飽きてるし嫌気が差してるのが普通の国民です。普通の国民は夜遊びとも無縁だし、パチンコとも無縁です。又流行りの不倫や家庭内暴力やニートの子持ちも少ないです。普通に真面目に生活してるから極端な行動する人々の実態が隠蔽されてる事実は納得できません。匿名社会はマスコミが作り出し協力した社会です。通り名報道や左翼をはっきりと中核派と書けないし創価学会は在日とも言わない、無言の掟が悪いのです。
Posted by ようちゃん at 2005年12月30日 16:52
>>ひできさん
うーん、需要ないと思います。

タダだから皆さん、読んでくれるわけで
金払ってでも読んでくれるような
コンテンツではないかと。特に僕のなんてのは。

>>ようちゃんさん
リンク先、読んでみますね。

Posted by pal@管理人 at 2005年12月31日 18:07
こんにちは。アクセス解析から勝手に逆リンクを
たどってやってきた無礼をまずお詫びします。

ようちゃんさま、紹介ありがとうございました。

こちらのメディア論を読ませてもらって、その視点の
鋭さに驚きました。差別化のなくなったメディア、まさにそうですね。「怪物」と呼ばれるような誰もが見ている漫画や番組がなくなってしまった。どれも、そこそこの面白さはあるけど、それだけになってしまい、すでに表現技術は定向進化の袋小路にはまりこんだと言う感を私は感じていました。そんな自分の未整理の印象をうまく語ってくださったという気がして。

これからもときどき読みに来て、何か思ったことがあればコメントさせてもらおうと思います。よろしくお願いします。
Posted by 江草乗 at 2006年01月01日 01:12
>>江草乗さん
コメント、有難うございます。

江草さんから
コメント頂けると思わなかったので
本当に驚いております。

江草さんの仰る通り
定型進化がもたらした
袋小路にはまりこんだのが
今のメディアなんだと思います。

どうやって、この袋小路から抜け出すかが
今後のメディアの行く末を占う上での
キーポイントだと思っています。
Posted by pal@管理人 at 2006年01月01日 18:01
Posted by phentermine at 2006年02月21日 10:14
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

仕事をうまく行かせるには
Excerpt: 年末で一息ついてフト考え込んでます、仕事をうまく行かせるにはどうしたらいいんだろ
Weblog: 時事を考える
Tracked: 2005-12-30 23:59

赤く染まった愛媛メディア池
Excerpt: 「赤く染まった愛媛メディア池に大きな水質浄化の一石を投じていただいたことに感謝申し上げます」 最近、県知事からそのような手紙がありました。知事にここまで言われる県メディアとは? そのようなテーマのホ..
Weblog: マスコミ情報操作撃退作戦
Tracked: 2006-02-21 14:38

mutogen03
Excerpt: Wisdom doesn't automatically come with old age. Nothing does - except wrinkles. It's true, some wine..
Weblog: mutogen03
Tracked: 2006-07-22 01:56
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。