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2005年12月27日

コミュニケーションゲームデザイン

ブログやってて、お会いしたいなぁと思う人が
結構いる。

こないだ、隊長やガ島さん、それからひできさんと
お会いした。お会いできたら嬉しいナァと思っていたので
とても嬉しかった。

そして、このエントリでは、そんなお会いしてみたい人の
一人である伊藤直也さんの話から始めさせて頂く。



ネットゲーオタに戻りたいときもある


上記は、naoyaさんのエントリである。
ちょっと前の奴で、オンラインゲームヲタに戻りたい時もある
なんて、ボヤいている記事なんだけども。

この記事読んだ時に、naoyaさんは、
自分で何を作ってしまったのか
わかっているんだろうかと、ふと思った。

彼は、プログラマーだ。
はてなCTOで、ココログの製作者の一人であり、
はてBの産みの親の一人でもある。

ブログとSBM。この二つを日本に持ち込んだプログラマーだ。
そして、この二つは、今、僕がハマッっているサービスでもある。

この二つは、本質的に何なのだろうか?

先日のエントリ、

ゲーム業界のイノベーションのジレンマ

で、ゲーム業界の陥るイノベーションのジレンマについて扱った。
そして、グラコストがどんどん上がりすぎて、
利益がでなくなるソフト会社の問題を指摘したつもりだ。

コメント欄ではATさんに流通チャネルの問題も
指摘して頂いた。

言いたかったのは
グラコストをこれ以上、かけても意味がない事や
技術として行き過ぎた以上は
ブルーオーシャン戦略として、その技術は丸ごと無くしてしまうか
減らす必要があるという事である。

つまり、これからのゲーム業界は、グラという技術を
無くすか、あるいは減らす方向で勝負するしかないのではないか
という点である。

そして、違うキーポイントを増やしたり、付け加えるのである。


このブログでも何度か扱ったけど、
僕は、2ちゃん読んでいる時に

「2ちゃんこそ最高のオンラインゲーム」

という書き込みに出会った。
そして、その時、頭を殴られたような気持になった。
その通りだ。

2ちゃん、ブログ、はてBは、間違いなく

「オンラインゲーム」

なのだ。そして、凄く面白い。


2ちゃんにも、ブログにも、はてBにも、
派手なグラフィックは存在していない。
ゲーム性もない。十字キーもない。
あるのはマウスとキーボードのみだ。

それなのに、何故、こんなに面白いのか?

上記のサービスにおいては
既存のゲーム業界やエンタメが重視する
「グラフィック」、「ゲーム性」、「広告」など
どれも切り落とされている。

その為にコストなど1銭も使っていない。

漫画のように「ストーリー」、「キャラ」、「絵」にも金を使っていない。
ドラマや映画のような動画もないし、音声もない。

あるのは、ただ、人と人とのコミュニケーションだけだ。


そして、これまでのエンタメには、まるでなかったものでもある。
コミュニケーションという機軸は。



naoyaさんは、自分でも恐らく気付いていないのだろうけども
彼は、自分でそうとは知らずに、最高のオンラインゲームを
作ってしまった。

はてBとココログを。


この二つは、webサービスという見方もできるが
同時に、メタゲーム、優越感ゲームといった
人間の根源に関わる競争原理のゲームの舞台となっている。

そして、ネットがもたらした不特定多数の人と人とのコミュニケーションが、
それを可能にした。



前回のエントリ

可愛いのはいい事だけどさ


をあげたら、はてBで思いっきり突っ込みというか
ハンドアクスが飛んできた。
「ブログストーカー」だの「アホか」だの「トチ狂ってる」だの。

内容が内容だったので、厳しい反応が来るかもと
ビクついていたので、10以上のブクマがついていたのを
見た時には、

「やばい、どうしよう、殺される、自業自得だ馬鹿」

などと思ったんである。


このスリリングさは、はてBでは一つの醍醐味でもあると
僕は思う。ゲームでもスリリングな気分は味わえるが、
所詮はまがいものである。

人と人のコミュニケーションがもたらす、
本物のハンドアクスの飛ばしあいには及ばない部分が多い。


naoyaさんは、はてBやココログを作ったとき、
自分が、既存ゲーム業界が作りたくても作れなかった
まるで新しい機軸のゲームを作っていることに
気付いていたのだろうか?


つまりは

「グラやゲーム性なんてなくても
文字によるコミュニケーションのみで
十分過ぎるほど面白いゲームは作れるのだ」


という事に気付いていたのだろうか?

それを聞いてみたいな、なんて思ったりもする。

コミュニケーションのみによるオンラインゲーム。
それが、はてBやらブログの1面である。

人間による余暇時間の奪い合いがエンタメ産業であるが
そこに新しく出現したキーポイントがコミュニケーションだ。

この飢虎とどう戦うか。

その答えを見出さないと、エンタメ業界のプレーヤーに
明日はないかもしれないなんて思い始めている。



posted by pal at 16:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
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