このブログの人気エントリを読みたい方はこちら
もう一つのブログはこちらです。

2005年12月26日

グーグル最後の日

最近、グーグル最後の日はいつなんだろうって
事を時々思う。


どんな国にも企業にも終わりがある。
必ずある。

こんな象徴的なエピソードがある。
カルタゴ滅亡の折、ローマのスキピオ将軍が
残した言葉。


スキピオ・エミリアヌスは、そのポリビウスを振り返り、
ギリシア人だが親友でもある彼の手をとって答えた。

「ポリビウス、今われわれは、かつては栄華を誇った帝国の滅亡と言う、偉大なる瞬間に立ち合っている。だが、この今、わたしの胸を占めているのは勝者の喜びではない。いつかはわがローマも、これと同じときを迎えるであろうという哀感なのだ」


ハンニバル戦記−ローマ人の物語II 第九章 カルタゴ滅亡 カルタゴ落城より


グーグルの力の全ては「検索」という
魔法の力から生み出されている。
地球上にある全ての情報をインデックス化し、
そのリンクのみを支配する。

それがグーグルのゲームの根幹にある。

だが、このゲームは、必ず、終るように設定されている。
地球上で生産可能な情報はほぼ無限に等しいだろう。
毎日のように新しい情報が生産される限りはそういうものだ。

だが、欠点がある。

グーグルが企業努力によって検索の能力を向上させ
無限の情報を検索可能にしたとしても
使用者、つまりネットユーザーが使用する情報は
そのほんの一部にすぎないという問題である。

いつかは、企業努力による技術革新が
ユーザーの使用能力を必ず超えてしまうのだ。

そもそも
無限の情報など、無限の時間を持たない人間には
全く必要のない存在なのだから。

その瞬間、検索というグーグルの
鬼札が豚になる。

それ以上技術革新を起こしても意味がなくなるからだ。
そして、やがては競合者もそのレベルまで到達するだろう。
この瞬間から、検索を技術力によって差別化することは
不可能になる。



以前、グーグルはネットの銀行だという事を述べた。

貨幣とは、モノとモノを繋ぎ、交換を完全に保証する
信用という形のリンクであり、
そして、貨幣というリンクのみを扱う銀行と
ネットのリンクのみを扱うグーグルは
非常に似通った存在である。

リンクのみを扱うのが最も効率のいい商売だという事、
これが、資本主義社会では一つの究極形態となる。

貨幣そのものを扱うのが、最も効率のいい商売であるように
リンクそのものを扱う商売も、効率の観点からして
非常にいい商売だ。

ただし、グーグルのゲームには限界があるように
銀行と貨幣にも限界がある。

貨幣は、理論上デジタル化することによって無限増殖することができても
現実のモノはそうはならないし、何よりも人間が扱える、または
必要としている金は無限である必要がないという事である。

人は、一生働かないで暮らせる金があればよく
100億円も持ったら、それ以降働かずにすますことが可能である。

無限の金など、必ずしも全員が必要としているわけではないのだ。

今、現在、世界には所得格差が存在し、貧富の差が広がっているに
見えるが、日本全体でみれば、物凄い金持ちが生まれてしまった
というだけで、最低所得者とかでもない限りは
それこそ50年前の日本よりは遥かにいい暮らしをすることは
不可能ではない。

安くて上手い飯はそこいらで食えるし、
安いエンタメもいくらでもある。

全体的にみて、日本人の生活は、どんどん良くなっている。

そして、今後、グローバル化が進み、世界が富に満ち、
ある程度、みな生活に満足するようになると、
貨幣の価値が相対的に低下する。

モノとサービスが溢れることによって、金が必要とされる意味が薄れるからだ。

モノとサービスが不十分な状態においてのみ、金は必要とされるが
モノとサービスが十分な状態においては金の必要性が
薄れていく。


これは、おそらく、僕の生きているうちには
達成されないだろうが、そういう日がいつか来るだろう。


その時、何がおこるのだろうと思う。
モノとサービスは、産業革命と情報革命を経て
世界に行き渡り、いつか、人間全体の生活水準を
ある一定以上に、つまり、金が必ずしも必要でない状況まで
あげてしまうだろう。

その時、何がおこるのか。

その時まで生きていられたらと思う。
だが無理だろう。

そういう状態になって始めて、
マルクスの唱えた社会主義の世界が
現出できる下地が出来上がったといえるのかもしれない。

世界の人々すべてが金が必要でないほどに
モノとサービスを安価に手に入れる日が来た時に。


だが、多分、それは、人類の発展の終わりの時のような
気もしている。競争することを否定した社会は、
いってしまえば養豚場のようなものだ。

いつの時代も豚は太るか死ぬしかない。




posted by pal at 17:11 | Comment(3) | TrackBack(2) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
palさん、こんばんは、

そここそが、スタートレックの創造者、ロッデンベリーの夢なんでしょうね。

かなり感動しております。
Posted by ひでき at 2005年12月26日 21:02
>>ひできさん
こんばんわ〜。

ええ。多分、そうなんだと思います。
いつか、ロッテンベリーの夢が
現実になる日が来るんでしょう。

ただ、それが、いい事なのか悪い事なのかが
僕はちとわかりません。ぱっと見良さげでは
あるんですけども・・・
Posted by pal@管理人 at 2005年12月26日 21:16
失礼しました。少々フライング気味の意見でした。

こういうことをしているから、あんたは右か左かわからないとか言われるんでしょうね。
Posted by ひでき at 2005年12月26日 21:24
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

東京ブロガーカンファレンス 雑感 tokio blogger conference
Excerpt: catfrogさん主催の集まりに参加させていただいた。 ・第一回東京ブロガーカン
Weblog: HPO:個人的な意見 ココログ版
Tracked: 2005-12-26 21:01

「グーグル最後の日」の予言
Excerpt: グーグル最後の日(FIFTH EDITION) こちらではグーグルのアドバンテージである検索の技術が行き詰まる日を予言している。
Weblog: Google Watch Blog
Tracked: 2005-12-27 00:03
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。