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2005年12月23日

愛という時限爆弾と離婚@きまぐれ連載コラム

「愛の賞味期限」ってタイトルはアリー・マイラブのどれかのタイトルだったけか。

まぁ、それはどうでもいいので本題。


本日の御題は愛は何故冷めるのか?と
離婚である。

愛は何故、冷めるのか?
人は何故、離婚するのか?

この二つは、非常によくある問いであり、
ポピュラーな話題でもある。


まず、動物界の話をしよう。

チンパンジーが乱交社会であるのはすでに述べた。
だが、生物の中には、一夫一妻制に近い社会を
作る動物がいる。

例えば、ゴリラは、一夫二妻制である。

なぜ、ゴリラは、このようなシステムを取るのか?
オスにとっては、自分の子供を二人のメスに生ませる事には
意味がある。

対して、メスのほうは、一人のオスの子供しか産めない点で
まずい。自分の子孫はできるだけ多様な遺伝子をもつほうが
好ましいからだ。


これに関しては、ゴリラの子殺しが原因なのではないかと思われる。

ゴリラの新生児の死亡率の実に37%は他のオスによる
子殺しである。

この状況では、メスにとっては、強いオスの庇護を受ける事が
非常に重要になる。

自分の子供が殺される危険性がある状況下では
強いオスと関係することが非常に重要だ。
強いオスが守ってくれるならば、他のオスによる子殺しの
危険性はずっと低くなる。

そのため、ゴリラのメスは、オスが二人のメスを獲得できないと
そのオスを捨ててしまう。二人のメスを手に入れれないような
オスでは子供を守れないという事なのだろう。

また、ゴリラのメスは妊娠すると、群れの劣位のオスと
交尾する。オスの方も、それには寛容である。

これも、子殺しという観点から説明できる。
群れの劣位のオスと交尾して、
他のオスに自分の子供かもしれないと
思わせておけば、他のオスの子殺しを防げるからだ。


浮気と結婚。そして離婚理由が、ゴリラの社会では
はっきりしているとも言える。


では、人間の社会では、どうだろうか?

まず、人間の離婚から取り上げよう。
人間の離婚に関しては、

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii02/divo1.html

こちらで日本の離婚統計を見れる。


日本の離婚は、5年未満が最も多い。
世界の離婚件数に関しても同様である。


何故、5年以下で愛が冷め、離婚に至ることが多いのか?

これに、ある程度答えてくれそうなのが
人類学者ジェーン・ランカスターの説である。

彼女は、4年という期間に目をつけた。

四年という期間は、子供が完全に乳離れするまでの
期間であり、原始的な生活を営み、母乳のみによる育児を行う
民族では、女性の出産間隔が4年になることに彼女は目をつけた。

出産間隔には、民族差があるのだが、
運動量の多さと授乳の関係から、
もともとの人類の出産間隔が
四年だったのではないか?という説をあげたのである。

そして、人類の離婚も、世界的に統計を取ると四年がピークになる。
(日本とアメリカの場合は大体2〜3年目である。)


この説から、同じ人類学者のへレン・E・フィッシャーが
導き出したのが、愛の賞味期限4年説である。

つまり、もともと、人類は、繁殖期間だけ
つがう他の多くの哺乳類と
同様に、1対1の関係を4年間だけ、
つまり乳児の保育が必要な期間だけ継続するように
愛という感情を進化させたのではないかという説である。

つまり、だが、愛というのは、
子供が乳幼児から、立って歩き、
喋れるようになり、それほど手間がかからなくなる期間だけ、
オスとメスが共闘するように仕組む為に作られた
遺伝的プログラムであるという説である。

4年の間、協力し、その後、別れ、
又、新しいパートナーを探すというのが
ある時期までは人類の基本的な配偶パターンであった可能性は
否定しきれない。

だが、ある時期から、結婚制度、文化・社会・倫理規範が
発達しはじめた。おそらくは、子殺しや、妻殺しといった
個々の遺伝子のためには、合理的だが種の保存には合理的でない
行動を抑制するためだったのだろう。

その結果、オスの攻撃本能や、殺人衝動(子殺しメス殺し)を
鎮めるための確実な手段が必要となった。
それが結婚なのだろうとおもう。

人類の女性にとっては、結婚のような
確実なオスによるサービスの提供、
子殺しと妻殺しの悪夢から
逃れるような何かが必要だったんだろう。


ただ、進化の過程で身に付けてきた
幾つかの心理メカニズム、身体的システムは
男女の中に残り続けた。

男性であれば、種をばらまくという衝動だ。
浮気とは、つまり多様な子孫を残し、子孫を多く残して
自分の遺伝子を確実に次世代に残すことへの欲求である。

また、女性であれば、マルチオーガニズムという身体的特質は
かつて、人間の祖先が乱交社会であった事を示している。
それ以外に説明つかんし。
貞節という概念は、非常に新しいもので、女性の遺伝子と
相容れないものであった時期がかつてあったはずである。
そして、おそらくは、今も。

浮気をする女性も又、後を絶たない。

男女の多様な子孫の確保という
目的を文化で抑圧しようとしても、そう上手くはいかない。
この先も上手くいく保証はない。
なぜなら、子孫に多様性を持たせることは
個々の遺伝子の保存の観点から非常に重要だからだ。

進化の過程は、100万年以上だ。
ところが、人類が文化を発展させ始めたのは
ここ5000年程度のことにすぎない。


そのため、今でも、我々はDNAの鎖に縛られている。

理想的な、お互いに献身的なカップルは
非常に高いリターンを得る事ができる。
子育てに協力し、資源を分け合い、労働を分担することは
非常に価値がある。

であるが、一方で、我々の中には、多様な子孫を残すという形での
遺伝子が明らかに受け継がれている。

その遺伝子に従えば、愛は冷めるようにできている。
離婚もその結果としてついてくる。
相手に満足していない限りは
その時限爆弾が5年未満のいずれかに爆発する可能性が高い。

進化心理学者デビット・M・バスは、
アメリカの結婚4年目のカップルが
互いに非常に高い値の不満を抱いていること
調査している。これは、愛の賞味期限が
ピークに達する時期と一致している。

ただ、アメリカの離婚のピークは3年目だし、
近年の日本も2〜3年目がピークである。

これについては、恋愛結婚が主になった為ではないかと
思われる。つまり、恋愛を1〜2年してから結婚し
そして、その後2〜3年で愛が冷める。
愛が4年前後で冷めるのであれば、
恋愛結婚したカップルの愛が冷めるのは付き合い始めてから
4年なので、恋愛結婚が主体となったアメリカや日本では
離婚年数のピークが4年目でなく、2〜3年目に
現れるようになったのではなかろうか。

愛というのは、最初、情熱的で盲目的な時期がある。
この時期は相手の欠点すら好ましく感じる。
であるが、この時期が過ぎると、その熱情はなくなり
相手の欠点を正確に評価するようになる。
そして、離婚への道が開かれる。
おそらく、その期間が4年なのだ。4年目において
男女ともに愛という麻薬が切れるようにできているのだろう。
実際に4年以上付き合っているカップルというのは稀である。

ただ、それでも離婚率が50%以上の社会というのは
僕の知る限りではない。
これは、ある意味で文化の自然に対する勝利である。
人類の50%は文化的なのだ。
だが、残りの半分はDNAに忠実である。

どちらがいいかは判断しかねる。
僕が存在するのは400万年の性淘汰の結果だ。
今、生きている全ての人も同様である。

そういう意味では、我々はDNAの芸術品だ。
400万年にわたる闘争を生き抜いてきた遺伝子による
傑作なのだ。

勝ち負けを論じるならば、400万年に及ぶ
淘汰を生き抜いてきたという点で、我々は勝ち組みの生き残りである。


それと、この4年というのは、人類の男性が
最も子殺しをする確率の高い期間である。

人類の男性は妻殺しというわけのわからない行動をするが
子殺しもある期間、ある条件がそろえば、
他の哺乳類と同じようにするようだ。

つまりだが、継父による子殺しが起こるのは
妻の連れ子が1〜4歳の期間で最も多いのだ。

人類の妻殺しという不可思議な現象と比べ、
こちらは、原始的な本能によるものがあると思われる。

チンパンジー、ゴリラ、ライオンに見られる
子殺しと同じだ。これらの種は、他のオスがうませた子供を
殺す「子殺し」で有名な種でもある。

そして、その原因は、子供がいる間のメスは、
妊娠しない事によると思われる。

人類の女性の中には、未だに、妊娠後4年の間、
つまり授乳期間の間は妊娠しない民族がある。
アボリジニーやエスキモーの部族にはそういう女性が
今でもいる。

かつては、すべての女性がそうだったのだろう。
そして、その結果が、オスの遺伝的行動になって
今に残っている。

人類の男性が、他のオスの子供を殺すのが
1〜4歳の妻の連れ子であることは、おそらく偶然ではあるまい。

かつての人間の子連れの女性は4年間妊娠しなかったのだろう。


だから、そういったメスに子供を産ませるには
子供を殺してしまうのが手っ取りはやい。

人間も又、こういった遺伝的プログラムによって、
いまだに縛られているのだ。

だから、継父による4歳以下の子殺しというのが
最も高い頻度で起こるのだろう。
恐ろしい話だが。



再婚を考えている女性は、
この事は知っておいたほうがいいと思われる。
自分の子供が4歳を過ぎるまでは、男性との再婚は待つべきだ。
あまりに危険すぎるから。

そして、又、恋愛中のカップルや結婚生活をしている夫婦も
同様に、気をつけねばならない。

恋愛開始から4年前後で愛は、高い確率で冷めるようにできている。

恋愛から4年経た時や、子供が4歳を越えた時点が
非常に危険な時期となる。
この時期、男女の愛が冷める可能性が高い。
これは、太古の本能が人間の中に未だ、残っている証明でもある。

逆にいうなら、結婚から4年を経た男女、あるいは
子供が4歳を過ぎた時期の男女というのは
短期的関係を築くのであれば最適ともいえるのだが。

丁度、不倫・浮気の虫が蠢きはじめる時期だからだ。

太古の本能、つまりDNAに従えば、
愛は4年で冷める。そういう風に出来ている。
愛といえど、感情である限りはDNAのプログラムにすぎない。

文化が自然、つまりはDNAに勝利しない限り、
必ず愛は冷めるのだろう。

最近、これに関して、象徴的な出来事を
目の辺りにして、我々がDNAによって引き回される
馬車馬のようなものだと実感した。



このコラムは愉快な話ではないが
遺伝子というのは利己的に出来ている。

自分の命を守り、自分の子孫を残すように。

これは、完全に利己的なものだ。
そして、この価値基準は、個々の生存と子孫の保存に
最大の価値を置いており、優しさや愛情は含まれていないようだ。

黒影さんの表現を借りるならば
「30億のスパゲティコード」は、冷酷さという点においてのみ
芸術的なまでに完成されている。


posted by pal at 12:37 | Comment(1) | TrackBack(2) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
分かって無いねー!呆れた馬鹿男が多いですねー♪
下半身不随慢性病患者の男性には誰も雌の生物は相手にしないのです。当然の自然原理ですよ。?単純な生殖本能丸出しで自然体で迫れば良いのか、楽勝という問題では無いのが落とし穴ですが・・・。マスマス分からない?
結婚してても離婚する男女問題の本質は「性格の不一致」では無いのです。早々と見切り発車で直ぐ別れるのも浮気・不倫・不誠実な事が原因です。外で励んでるから家の内で頑張れないからでしょうが・・・。昔からの諺が有ります。「博打、大酒飲みで離婚する女無い!」これが真実ですよ!どんなに貧乏でも、アル中でも、博打好きでも女性から離婚される男は慢性的に下半身不随なのです。外で精気を使用してるのです。中国での自殺された外務省領事も、中国で丸ハダカ写真の馬鹿経済人(nikaidou.com)
新聞マスコミ関係者が真実を報道できない理由は同じでしょう。夜の歓楽街で在日女性の接待で潰されて弱み握られて何も書けないのと「同じです」それだけ夜の毒蝶は繁栄しています。
又女性達も 連れ子再婚しても女の子供持ちは親子丼の餌食にされたりで子供の成長に影を落としますし、男子の連れ子再婚も子供の反抗が酷くて少年院通いで
疲労する危険が高いですよ。
亭主に浮気もされず世間の2倍の子育て母さんはそれなりの魅力アル女性ですよ。
Posted by ようちゃん at 2005年12月30日 16:20
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