このブログの人気エントリを読みたい方はこちら
もう一つのブログはこちらです。

2005年12月17日

「子殺しと結婚」@気まぐれ連載コラム第二回

気まぐれコラム第二回。
今回も電波ですのでご注意ください。
できるだけ、画面から離れてお読みください。

今回のお話は、結婚の必然性について。
浮気にある程度の必然性があるように
結婚も種の保存の必要性から
生まれたものだという観点から話をしまっする。


まず、人類の結婚形態ですが、
実は、文化別だと一夫多妻制が多いです。

80%が一夫多妻制をとっております。
日本もかつてはそうだったですね。はい。

ただ、一夫多妻制をとっている文化でも
二人以上の妻をもっているのは少数です。

理由は単純。人類にとって子育てというのは
極めて負担の大きいものである為
多数の妻を養える男性とはごく一部なんですね。

だから、人類全体では一夫一妻の夫婦が多くなるわけです。


また、多夫一妻制は、男性側の種の保存からして
問題外です。自分の子供が確実に残せるとは限らないわけですから。

女性というのは、生涯に産める子供の数が決まっているわけで。
だというのに、多夫一妻制をとったら、自分の子供が
のこせる確率が大幅に下がります。

ここで対立が生まれるわけです。

男性の側は自分の遺伝子を残すために
多数の女性と関係したい。

一方で女性は産む側なので男性のように
自分の子供かどうかわからないという恐怖と
戦わずにすむので、子育てにかかるコストを負担してくれる
男性を多く持つのが望ましい。

となるわけで。


鳥類も、一夫一妻で子育てを行います。
(無論、そうでない種もいますが)

鳥類は、子育ての際、メスは子供を産み、
それが孵化するまで暖めないといけません。
また、複数の子供を養うのでエサ探しも大変です。

その為、エサ探しをしてくれるパートナーが
絶対に必要なわけです。

そういうわけで、鳥類は一般的には一夫一妻制なんですが、
ただ、それでも、不倫や浮気をしないというわけではありません。

ある科学者が、数羽のオスをパイプカットして
交尾と巣づくりを観察した所、メスは妊娠するはずがないのに
卵を産んだんですね。

その後の研究で、オスと同じくらいメスも
浮気をするのが明らかになり。

鳥類というのは、実に都合のいいというか
浮気天国のようだ、という結論をだしたわけです。


子育てにかかるコストがでかければでかいほど
メスはオスとの関係が必要になります。

その関係の延長にあるのが
結婚という事もできるわけです。
人間の子供は4歳まではひどく未成熟だし
子育てのコストは馬鹿になりませんから。

ただ、実のところ、もうひとつ人類が
結婚というシステムに駆り立てられた問題が
あるんじゃないかというのが今回のコラムの本題で
ありまして。

それが子殺しです。


鳥類ではイエスズメが有名ですが、オスの10%前後が
一夫多妻制になります。大体、自分の子供を二羽のメスに産ませます。
この時点で、メスの利害対立が生まれます。

つまり、自分の雛へエサをもってきてれるオスが
他のメスのところへもエサをもっていったら、
自分の雛へのエサの量が半分になります。

というわけで、イエスズメのメスの中には、
浮気相手のメスの子供を殺してしまうのがいます。

種の保存本能というのは恐ろしいもので
同族殺しすらいとわないケースが多々あります。


このケースでは、メスによる子殺しを取り上げましたが、
人間の場合、子殺しは、どうもオスによるもの、つまり
男性側が行うようです。

というか、重犯罪やら殺人やらは
ほとんど男性がやっているわけですが。

前のエントリで書いたライオンのケースはその極端な例で
ライオンのメスは生殖期間が極端に短く、又
子供がいる間メスは発情しないし、妊娠もしないんです。

だからオスは自分の子供を残すために、
他のオスが支配するハーレムをのっとたら、
そこの子供を全部殺してしまうなんていう
行動をすることになるわけです。

メスにとっちゃいい迷惑です。

人間に例えると、子供を殺された上に
自分の子供を殺した男の子供を産まなくちゃいけないわけですからね。

人間の女性で、自分の子供を殺した相手の子供を
産めなんて言われたら、それこそ自殺モンでしょう。
いや、女性じゃないから詳しくはわかんないけど。

だけど、それがライオンの社会なわけです。

そして、ハーレムを作るのもこれが理由でしょう。
つまり、強いオスに保護してもらわないと自分の子供が
他のオスに皆殺しにされてしまう危険性があるわけで。

だから、強いオスの下に集中してメスがあつまる
行動形態を取っていると考えるのが妥当なんじゃないでしょうか。


さて、人間に比較的近いと言われる類人猿でも同じように
子殺しが確認されています。

類人猿のオスが、しばしば標的にするのは見知らぬメスが
抱いている子供です。

マウンテンゴリラやチンパンジーでは、
子供の死亡率の実に30%前後が他のオスによる子殺しと
言われています。

チンパンジーやマウンテンゴリラの子殺しは、
メスの発情期と妊娠と関係していると言われます。

ゴリラもチンパンジーのメスも、子供がいる間は
発情しないし妊娠しません。そのため、子供がいる見知らぬメスに
自分の子供を作らせるには、その子供を殺してしまうのが
手っ取りはやいわけです。

おそらく、ですが、我々の祖先も、この問題に悩まされていたはずです。
つまり、子供がいる間は、メスは発情しないし、妊娠しない。
そのため、自分の子供がオスによる子殺しの格好の標的となる
という生物的なジレンマと。

子殺しは、種全体にとっては明らかにマイナスです。
ですが、ミクロ的には、
つまり一匹のオスが自分の子孫を残そうとする
本能からみるとプラスなんです。

これが、第二のオスとメスの対立点ではないかと
思うわけです。


人類の女性は、この点に関して、素晴らしい進化の贈り物を
もらっています。

つまり、発情期がなく、年中交尾可能で
マルチオーガニズム、つまり、何回でもイケルって奴ですね。

何故、これが重要かって事なんですが、
また、猿の例ですが、チンパンジーの親戚で
ボノボ(ピグミーチンパンジー)という種が存在します。

この種は、人類に最も近いといわれ、頭も恐ろしくいいのですが
それだけでなく、女性の性行動も人類に近いんです。

つまり、発情期が他の類人猿と比べて非常に長い。
また、出産後、数ヶ月で交尾可能になります。
人間に非常に近いです。

ここが非常に重要なんです。

類人猿の子殺しは、特にメスの発情期と強く結びついています。
多くの類人猿のメスの多くは子供がいる間は、
発情しないし、交尾ができないんです。
だから、オスが子連れの見知らぬメスを妊娠させようとしたら
その子供を殺してしまうのが手っ取り早い。
これが、チンパンジーの子殺しの典型的ケースだと
思われます。

ですが、ボノボの場合、妊娠後、かなり速い時期から
交尾可能であり、また、群れ全体で女性の地位がかなり高いわけです。
チンパンジーは父系社会だと言われますが、ボノボは
母系社会なんですね。

また、ボノボのメスは非常に性に積極的です。
ボノボの性愛行動は、極めて人間に近く
気のある相手をじっと見詰めたり、ディープキスしたり
フェラチオまでします。
ボノボの交尾は、人間と同じように正常位で行う場合まであります。

また食べ物をオスから奪う時に
交尾をさせてあげる場合もあります。
つまり、交尾が彼らの社会の潤滑油の一種の役割を
しているわけですね。

また、乱交というか、大抵群れの多くのオスと交尾します。
しかも、かなり長い期間、発情しているので
しょっちゅう交尾します。

こうすることで、自分の子供が群れの全てのオスの子供の
可能性をもたせ、子殺しを防ぐわけです。

母は強し。

その結果なんですが、ボノボの子殺しは
他の類人猿と比べて、起こる確率が非常に低い。

類推にすぎませんが、人間の女性に
発情期がなく、出産後、数ヶ月でまたセックス可能になるのは
ボノボと同じようにオスの子殺しの危険性から
自らの子供を守るためだったんでしょう。


つまり、人類の女性に発情期がないのは
オスの子殺しから自分の子供を守るための
必要性から、メスが手にいれた手段だというわけです。

進化の過程で、種全体が子殺しの悪夢に陥った時期があり
それを解決するためにメスはセックスを
武器にするようになったんじゃないかというわけで。

子供の20〜30%が他のオスによって殺されてしまう
社会なんぞ悪夢そのものです。メスは、何とかして
他のオスから自分の子供を守る必要があった。

そして、その為の戦術が、発情期間の長さと
マルチオーガニズムだったんでしょう。

こないだ、2ちゃんで女性らしい人が
「スイッチが入っちゃうと女は止まらなくなる云々」
言ってましたが、そういう時代の名残なのかもしれません。


ですが、このメスの戦術も人類の進化に伴なって
通用しにくくなってきました。

人類の知性が発展するにしたがって、
子供が誰の子供か、という事が外見から判断できるように
なったのが一つの理由でしょう。

その結果、乱交によって誰の子供かわからないようにして
オスの子殺しを防ぐという戦術が通用しずらくなった。


そして、また新たな戦術が必要になった。


オスは自分の子供を確実に残したい。

メスは、自分の子供残したい。
そして、子育てにかかるコストが莫大な為に、
それを負担してくれるパートナーが欲しい。
(当たり前だが、パートナーがいる女性というのは
子育てを安全に行える確率が高い)

そして、自分の子供を他のオスによる子殺しから守りたい。


多分、その全てを安全かつ確実に行う方法が
おそらくは、結婚という儀式に落ち着いていったん
でしょう。

他人の妻・夫には手を出さない。
どんな子供でも殺してはならない。
家族を守る

そういう形での文化を作り上げることによって
子殺しを防ぎながら、安全に個々人の子孫作りが
行えるように我々の祖先は
文化規範というのを作り上げていったのでしょうね。




類人猿のオスの子殺しの問題は、我々に今でもあてはまります。

以前、紹介しましたが、
自分の子供が、他人の子供だったとわかった瞬間、
愛情が全くなくなった男性、また、その瞬間から
子供に虐待を加えはじめた男性の話。

僕も、結婚相手の女性に
不倫されて他人の子供を育てさせられていたなんて
知ったらどういう行動をとるかわかりません。

男性にとって、これ以上の悪夢はそうないでしょう。

今でも、子殺しの本能というか
自分のパートナーが他人も子供を身ごもるという
行為を男は絶対に認めません。

子殺しをするチンパンジーのオスのように
自分の子孫を残すためには、場合によっては暴力的な
手段にでてしまう部分が間違いなく、
男性の中に受け継がれていると思われます。

男性が女性の浮気を知った時にでる行動の多くが
暴力である事とこれは関連しているんじゃないかと
思われます。



結局、我々は、「ハダカの猿」なんです。




(第三回につづくかもしれない)


posted by pal at 20:06 | Comment(1) | TrackBack(1) | コラム このエントリーを含むはてなブックマーク | 編集
この記事へのコメント
女性ホルモンは主に卵包ホルモンと黄体ホルモンの2つでできている。
卵包ホルモンが多いほど可愛さやか弱さを強め
黄体ホルモンが多いと力強くたくましく、おばさんに近くなる。
卵包ホルモンと黄体ホルモンがどちらも少ない人は、おばあさんに近い。
妊娠中はその黄体ホルモンが大量に分泌され、出産が終わると分泌は減少する。
が、 経産婦(出産を経験している女性)も黄体ホルモンの分泌量は多い傾向がある。

力強さと性欲と乳発育のためには黄体ホルモンが必要になる。
逆に卵包ホルモンが多いと、か弱くなりすぎる恐れもある。
中年になると卵包ホルモンの分泌量が減少するため、力強さは増す傾向がある。
これは黄体ホルモンは、男性ホルモンと非常に近い働きをすることが分かっており
体内に残ると黄体ホルモンは男性ホルモンに変化する。
また、避妊のためにピル(黄体ホルモン)を飲み続けると、男性化する。

黄体ホルモンの男性ホルモン化は卵包ホルモンによって抑えることができるが
中年になると卵包ホルモンの分泌量が減少するため、より男性化しやすくなる。
女でも生まれつき男性ホルモンの分泌量が多い人はいるし
経産婦(出産を経験している女性、つまり母親)やおばさんは
通常の女よりも男性ホルモンの分泌量が多く、実質的に男よりも
男性ホルモン濃度が高い女も結構いる。

母親やおばさんは男化しやすい、という事実。
結局何が言いたいかというと、女(おばさん、母親)の力強さやたくましさ
図太さを形成するのは、あくまで男性化(男性ホルモン)によるものであるということ。
つまり、男は力強くたくましく図太いということだ。

男性の怒りっぽさや気の短さは、おばさんの怒りっぽさや気の短さと同じ。
ただし、女性は右脳と左脳を繋ぐ脳梁という部分が太く、右脳と左脳の情報の受け渡しが活発なため
言語数が多く感受性が強いので、おばさんのほうがガミガミうるさい。

女は母親やおばさんになると、男性ホルモンの分泌量が増え
一般的に若いころよりも男性的になり行動的になり、危険を犯しやすくなる。
これはおそらく、母親になると子供のために自分自身も、自立心や責任感、自己犠牲心を
持たなければいけないからだと思われる。
当然子供を守る為には、母親も自分の身を犠牲にしなければいけなくなる。

女の生殖可能期間っていうのは平均45歳までである。
女はおばさんになっても、男性ホルモンの分泌量が増える傾向がある。
つまり、生殖可能期間を過ぎれば、自分自身、つまり母体を守る必要性っていうのは
無くなるわけで、自立心や責任感、行動力を持ったほうが都合が良い。

女は自立心に欠け、依存心が強い。


男性ホルモンであるテストステロンは孤独願望を強める。
テストステロンの精神作用には「プライベートに関わられるのを極力嫌がるようにさせる」
というものがある。これは男性に縄張り意識をもたせるため。
これが、干渉されたくない、一人になりたいといった心理的効果を与える。
この精神作用のためにテストステロンが多い男性ほど、プライベートを侵す者に
対して牙を剥くようになる。
おもしろいことに、時にこの牙はつき合っている彼女に対しても向けられる。
というのも、つき合っている女性ほど、男性のプライベートに入っていこうとするからだ。
男性が、女性よりも孤独を好むというのはホルモンの影響からきている。
女性が甘えまくるのに対して(いつも一緒にいたい、毎日電話しないと嫌だ)
男性がCoolにいたり、電話が嫌いだったりするのはこのせいである。
一人になりたいと思っているときに、かまってくれないとあまりにブーブー文句をたれていると
男性はうっとしくなって機嫌が悪くなったり、突き放したくなったりする。
これは別に彼女に対してだけではない。親や友達でも、やはり男性のほうが
連絡を取らなかったり会う機会が無くても大丈夫なのである。

男は、獲物を待って、何時間も自問自答を繰り返し、効果的な方法で獲物をしとめようと
工夫するのに対し、女はコミュニケーションを大切にしてよりよい生活環境を築こうとした。
だから、問題が起きたとき、男は何時間もひとつのことを無言で考えて
解決策を模索することができるのに対し、女は誰かとコミュニケーションをはかり
口に出して解決しようとする。
男は一人でじっくり考え、行動するのに長け
女は他人と話し合ってみんなで結論を出し、行動するのに長ける。

みんなで仲良く頼りあって行動していけば、そりゃあ楽だし安心して暮らせる。
今の世の中っていうのは、これが重要視される世の中だ。
ただ、あきらかに1人で問題を解決し1人で生き抜く能力では劣るようになる。
「今の男は弱くなった、情けなくなった」と言われるのは
結局言ってしまえば、女性的な思考を持つ男が増え
1人で問題を解決し、1人で生き抜く能力が落ちたからだ。

なんだかんだいって、特に日本は戦争も無く、食料や水分も簡単に手に入り
科学も発達し、安全な仕事を手にすることができる。
あーだこーだいいつつも、平和で楽に暮らせる世の中だ。
現代特有の色々な問題はあるが、それも結局は平和によって
人間がなまけてしまったことが原因である場合が多い。

逆に言えば、昔は戦争があって食料や水分を簡単に手に入れることができず
科学も発達してなくて、安全な仕事が少なかったと言える。

誰でもそりゃあ前者の世の中の方が良いだろうが
男がより能力を発揮できる世の中は、後者の方である。

災害や戦争など、危機的な状況での判断力と集中力。
無人島にナイフ一本で1人にされ、孤独願望の強さ、自立心の高さ
1人で問題を解決し、1人で生き抜く能力を試される環境。
こういう状況ならば、確実に男の方が強い。
Posted by 母は強い=男は強い at 2006年08月08日 10:56
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

浮気と不倫と乱交
Excerpt: FIFTH EDITION: 「浮気の生物的必然性」@きまぐれ連載コラム「DNA恋愛論」 FIFTH EDITION: 「子殺しと結婚」@気まぐれ連載コラム第二回 を読んで。 Y染色体ネタで復活した..
Weblog: progressive link
Tracked: 2005-12-18 12:35